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ほんのキビスガエシ

徒然なんなりと。

『名もなき世界のエンドロール』行成薫

2015-02-28 22:11:50 | 日記
前投稿の『狭小邸宅』と同じ「発行者」。両方とも集英社「すばる」の受賞作。

厳しいことを書くが、こちらは個人的に読む価値なし、と思う。
描写も内容も言い回しも何もかも“拙い”、という印象。

「二度読み、間違いなし。」(最近こんなのばっかりだな。。)と帯には書かれているが、
そんな時間はもったいない。一度読んだ時間も返してほしいくらいだ。

まあ、文句ばっかり書いてても仕方がないので、ポジティブなことを書くとすれば、
着想やアイデア、素材は悪くないのかもしれない。
『名もなき世界のエンドロール』というタイトルも悪くない。だから購入した。

偉そうなことを申すが、作者自信の思索や考えがもう少し成熟してくれば今後の作品は期待ができるかもしれない。
全体的に、幼稚な感じがするんですな。。

『狭小邸宅』新庄耕

2015-02-28 21:49:08 | 日記
胃が痛いな((+_+))
本書を読んでいて感じたこと。
特に前半の「現代の蟹工船」のような部分は読んでて、私の記憶とシンクロして胃酸が止まらなかった。。

色んなことを考えさせられる書。
リアリティもある。良作。営業職に就かれている方は是非一読を。愉快ではないかもしれないが、興味深いはず。

下記、不満点。
・ボリューム的に少し薄い。もう少しあいだあいだに状況や心情の移り変わりなどの細やかな描写がほしかった。
「そんなに人って180度変わるの?」みたいな転回がちらほらある。

・文庫分の「解説」(城 繁幸氏による)が不要。
城氏はかつて富士通の内部崩壊告発的な作品で名声を得た学者(事業家?)であるが、
城氏の作品は『なぜ若者は3年で辞めるか』などを代表に、本当にどうしようもない無知で不毛な作品ばかり。。(失礼。でも本当にひどいんだ)
今回の「解説」でも無知を大っぴらにひけらかすようなことを書いているな。。
軽率に「日本人」と仕事の意義みたいなことを語ったらダメだよ。
(※ただ彼が有能なことはわかっている。富士通の成果主義失敗を記載したにデビュー作は非常に良作だった)

でも、とにかく、本著は一読の価値は充分あるっす。


政策論とは優先度についての話である

2014-12-15 01:04:46 | 日記
政策(の他にも、社会の仕組みは常にそうだが、)に関する議論は、
「こうあるべきだ」といくら語っても仕方がないことが多々ある。

経済成長を促すべきだ。
社会保障を充実させるべきだ。
教育環境を整備すべきだ。
国の財政を健全化すべきだ。
医療・福祉を増進させるべきだ。
地方活性化が重要だ。

どれもそのとおりだ。誰も反対しない。
問題は、常に〝何を優先させるか”の問題だ。

政策論は常に優先度で語られなければならない。

国会という古き悪しき産物

2014-12-07 22:59:20 | 日記
若者をはじめとする選挙・投票離れ、を嘆く声は多い。
一方で、今回の自民党のご都合主義的な解散による選挙に対しては、
若者はじめ国民の選挙離れも仕方がない、という報道もあり、興味深かった。

論点。
投票には行くべき?

切り口はいくつかある。
国民の義務だ。先人が苦労して得てきた参政権であり行くべきだ、、、等々の行くべき論。
一票投じたところで意味がないという無力感からの非投票や、どこの政党に任せても一緒との悲観からの不投票論。

別にここで、投票すべきかかどうかの結論を出そうというのではない。
一般的に考えて、投票すべきである。

ただ、
私の視点としては、
なぜそもそも、若者の政治意識・投票離れを危惧しているのか?
と思う。
主体:「誰が」危惧しているのか?投票率の低下は、誰にとってデメリットなのか?
が問題だと思う。結局、政治家にとって、由々しきことなのだ。
投票率低い=そのまま政治不信と受け取れる。政治家のみなさん全体の必要性の問題となるので、そりゃ躍起になる。


ところで、私の基本的な行動はといえば、選挙で投票はしない、である。
投票するに値するという政治を行っていないことへの警鐘のつもりである。
それでも、よく年配の方には「白票くらい投じなさい」と言われる。
でも、そうではなく、今回の「国民に問う」云々をはじめ、すべてがシナリオ通りの茶番劇なのだと思うと、
白票を投じること自体、今回の選挙に無理矢理参画させられているようで〝しゃく”にさわる。

投票すらしない、政治的無関心は、ある種政治的な戦略である。
(仮にそのような戦略なく政治無関心の場合であっても、責められるのは、政治に無関心な庶民か、それとも政治的関心を喚起させない、政治の在り方か?)
私は、投票率が低ければよいのに、と願っている。
非国民だな。

「非国民」・・・このワード自体どれくらいの意味を持つだろうか??


とともに、選挙権を持つ方々ももう少し大人に(政治的事柄に関しては政治的に)なってほしい、とも思う。
「公約したことを実行できる政党に投じます」とか「クリーンな政治家に投じます」とかいうのはもうやめようよ。

例えば、議会定数削減の公約などそもそも守れるはずがないのだ。(特に自民党では不可能だろう。では、他の党でそれができるか?といえば、自民党にできないことは他の党でもできないだろう。共産党や公明党が圧倒的に勝利することがあれば別かもしれないが現実的でない)
政治主体は様々な主体からのしがらみの中に置かれていて、そんなことはたやすく実行できるわけない。
それを公約に掲げる方も掲げる方だが、それを実現可能だと一瞬でも期待してしまうピープルもピープルだ。

政治の世界の主体の実利害等々も含めて、「実行可能かどうか」を見極めて捉える感覚が投票する側にも必要だ。



嘆いてばかりもいられないので、以下提言。
国会以上の、もしくは国会と同等の組織の成立、というのはできないだろうか?
構成員は、無報酬。テレビやネットで賛否をまとめ、そこでの決定を国会と同等の権力行使とみなす。
運営はNPO等が交代でまわす。
国会解散を認めるかどうかも、「待った」をかけ、場合によっては、ニコ動みたいな感じで首相等に説明を求める。

収集がつかなくなるかな?
でも、国会という場にそれほど権力を持たせるのも、もはや時代錯誤な気がするんだ、私としては。



東野圭吾『手紙』

2014-12-04 00:29:47 | 日記
「優しい人間でも、いつもいつもその優しさを誰にでも示せるものじゃない」
「あっちを取ればこっちを取れない、そういうことっていっぱいあって、何かを選ぶ代わりに何かを捨てるってことの繰り返しなんだな、人生は」

(東野圭吾『手紙』)

力のある小説。

読み始めは、なんだか安っぽくて馬鹿げてるなぁ、と思いながら読み始めた。

後半以降は本を置けなくなってくる。
読む方の年齢に応じて、重みが増してくる、と思う。

傑作。
予想以上の着地点に結論を結んでいく筆者の力量を思い知りました。