amoeba spin

『herpiano』のメンバーによる日記。

むすび

2010-04-24 22:18:46 | Weblog
牧野洋平です。
山本精一が好きな人だけ読んでくださいまし。

もう2ヶ月くらい経ってしまいましたが、浜松で観た山本精一のライブ。
ボアダムズ、羅針盤、ROVO、想い出波止場大好き。
それに加え彼の著書が更に好き。
このエッセイ集からこれでもかってくらい読み取れる、「天然」という物を
軽く突き抜けてしまっている彼(バンドの練習にギターを忘れて取りに帰り再びギターを忘れてスタジオに戻る、ローマの地下鉄でホームレスのおばあさんと取っ組み合いのけんかをし負ける、税務署の職員の態度に腹を立て全員に「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」の練習をさせる、など)のソロライブに期待は高まるばかりなのでした。

会場の「浜松ルクレチア」に着いて入場料を払っていると、「チャっ」とドアが
開いて中から出てきたのが山本精一!
小太りで、歩くと「ポコポコ」と音がしそうな意外にも可愛い感じ。
この日、対バンしていたルクレチアの方がやっているUP TIGHTにノックアウトされ、
ノックアウト熱冷め止まぬまま山本精一が「ポコポコ」とステージに出てきてセッティング。
エレキギター一本での弾き語りライブのようで、自分一人でセッティングを始める山本さん。
譜面台を立て、その上に想い出波止場のフライヤーの裏に書いた大量の歌詞カードを並べる山本さん。
自分の後ろのギターアンプの上に懐中電灯を置き、その光で歌詞カードを照らすというセッティングに時間をかける山本さん。
「ポコポコ」と一旦いなくなり、数分後「ポコポコ」とサングラスかけた山本精一登場&大歓声。

「ギュギュワ~~~~~ン!!!」と突然のノイズを奏で始めました。
この人のギターの音はなんて気持ちが良いんだあ。
うっとり。
そしてそのノイズがピタっ!と止まり、会場シーン。
優しい音色のギターに豹変し、ポロロンと一弾きし、「♪水は....」と歌い始め、
「おおっ!!」って思ったのもつかの間、再び演奏が止まり会場シーン。
そして山本さん、間奏と見せかけたコード確認してる!
一声目で全部忘れてしもうたんやな。
羅針盤の新曲と言われてもおかしくないメロディアスな曲を優しい歌声で歌う
山本さん。
歌詞カードが見にくそうで、3曲目でかけてたサングラスをポーン!と投げてしまいました。
懐中電灯セッティングの時、サングラスしてなかったもんな。。。

そしてライブが終わり、アンコールの拍手が鳴り響く中「ポコポコ」とステージに
戻って来た山本さん。
ライブ中は「どうも」くらいしかしゃべらなかった山本さんですが、アンコールで
「どんなんがいいですか?」と客に尋ねます。
「唄が聴きたいです」とお客さん。
「何がいいですか?」と関西訛りで山本さん。
「バケツのうた!」と大声でお客さん。
「(歌詞カード)持って来てないからできない」とあっさり山本さん。

エッセイによると山本精一は歌詞を覚えることが全く出来ないならまだしも、
それが進化して歌詞カードを見ながら歌詞が出てこないという自らのメカニズムが
理解できないでいるらしいです。

アンコール1曲目の「まさおのうた」を歌い終えた後、照明と譜面台を見て目をぱちぱち
させている山本さん。
「あかん、目が見えへん」
(会場笑)
「誰か0.2のメガネ持ってないですか?」
「0.1ならあります!」とお客さん。
メガネを借り、歌詞カードが見えて少し微笑む様にはさすがに自分で自分に
「どんなシンガーですか!.....」と突っ込んでおられました。
ライブ後、本にサインを頂いた際にも、日付を「2009」と入れてしまう辺り
さすがだと思いました。
ライブは勿論素晴らしかったですよ! 







ドリトル一丁!

2010-04-12 23:14:14 | Weblog
牧野洋平改めカンパリソーダです。

今、我が家は最強にピクシーズブームなのです。
今までも常に好きなバンドでしたが、こんなに聴き込んでるのは初ぅ!
中学2年の時に渋谷陽一が流してた「U-MASS」と「mortorway roswell」を
偶然聴いたのが好きになったきっかけでした。
まだニルバーナも出る前でしたし、それまで聴いていたのはビートルズとかレッド
ツェッペリンとかでしたし、曲の中で「叫んでる」ことがとっても強烈でしたの。
彼らのことを好きになり、小遣い貯めて「trompe re monde」をすみやで買った
途端解散! 原因は「人間関係の悪化」と、ある雑誌には書いてありました。
駄菓子屋を卒業したばかりの中2の男子に「人間関係の悪化」という言葉が理解できるわけがありません。

当時の私の中でのピクシーズ人間関係。中2が思い浮かべるバンド人間関係。
ブラックフランシスはいつも食べ物のことにしか頭に無いし、ジョーイは英語が
しゃべれない故、メンバーとコミュニケーションが全く取れない。デヴィッドは
リンゴ的存在。キムは一番のしっかり者でてきぱきと行動し、そんなデブや英語のしゃべれないメンバーに毎日飽きれてる。
率先して給食当番をやっていたチン毛生えかけの中2が考えられる人間関係なんてこの程度のもの。

現在の自分のピクシーズブームのきっかけはレンタルで借りてきた再結成ドキュメンタリー映画「loudquietloud」。
そしてこのドキュメンタリー映画は、自分の予想を大きく裏切る人間関係が明らかと
なったのです。
ブラックフランシスは色々な事を背負って生きていそうな賢明な大人の男性。
ジョーイは英語がファーストランゲージ(当たり前じゃ!)でメンバーの中で一番のしっかり者。
一番しっかりしていて欲しかったキムは薬とアル中を克服したばかり。ノンアルコールビールをがぶがぶ飲み双子の妹にいつも面倒見てもらっている。(でもファンに超優しい)。
一番面白いのはドラムのデヴィッド。ピクシーズ辞めた後は手品師を目指し、ピクシーズの
ライブの前座でも空気の大砲を客席に撃ったり(どこが手品やねん!)、再結成中ツアー中
に薬をやり始め、曲が終わったのに一人でポクポクポク!とドラムを叩き続ける彼に、
ブラックフランシスが切れて「メチャクチャじゃないか!」って切れられたら、「ここの
PAはどうなってんだ!全然聴こえないじゃないか!」と訳の分からない逆切れをしてみたり。
とにかくこのドキュメンタリーは面白いです。
人間関係に不器用な4人の飾り気ゼロなドキュメンタリー。
その結果、通勤時毎日ピクシーズを聴き、仕事中も頭の中で「HEY」のギターソロが流れ続けてるという有り様。
ブリーダーズのCDも8年ぶりくらいに聴いたら凄くいい。。。
ブラックフランシスのソロも凄くいい。。。。
嗚呼ピクシー。。
そんなことをしているうちに今年のサマーソニックにピクシーズ出演!?
な、な、なんてタイミングだ、こりは!!
仕事ズル休みしてでも、借金してでもサマーソニック行くしかない。
そんなことを考えていたら、一昨日tatamiのオイスターソース澤、いや、塩澤から「godspeed you! black emperorが再結成したらしいです」ってメールが。
マジか! 
もうピクシーズなんてどうでもいい。
借金してでも、会社ズル休みしてでも観に行くつもりです。