私が子供の頃は、食べ物のブランドなどというものはあまりなかったような記憶がある。
ブドウはブドウであり、リンゴはリンゴ・・・という風に、ブランドと言うものはなかったので、選ぶのに気を使う必要はなかった。
梨には「20世紀」とあったのは記憶しているが・・・・
母に、「ブドウを買ってきて」と言えば、ちゃんと普通のブドウを買ってきてくれたものだ。
ところが今やどうだろう。
ブドウにしても、多くのブランドがあって選ぶのに困る。
今現在、なんと92種類のブランドがあるという。
巨峰、シャインマスカット、ブラックビート、ナガノパープル・・・・等々。
名前すら知らないものが数多くある。
これは、「リンゴ」にせよ「ナシ」にせよ「ミカン」にせよ、同じような感じ。
でも、ブランド名のついたものは、一様に高価である。
「モモ」も、昔に比べてずいぶん高価になっているように見える。
諸物価高騰のせいかもしれないが、それ以上に果物は庶民の手の届かないようなものになりつつあるのを感じている。
シャインマスカットなど、一房が1000円から2000円で売られている。
とても気軽に手が出せる代物ではない。
これは、他の農産物でも同じこと
品種改良などにコストをかけ、付加価値をつけたブランドになれば、価格が跳ね上がるのだろう。
高価格で販売して、少ない売り上げでも儲けを確保しようとする農家さんたちの思いかな。
こうなると、果物も庶民向けと言うより、ちょっとした富裕層向けのものになってしまったのか、と思ってしまう。
昔なら、気軽に買えていた果物が今や「高嶺の花」的存在。
やれやれ、年金暮らしの老人には、ため息が出そうである。
まあ、農家の方たちにも生活があるから、あまり大きな声では言えないのだが・・・・。
果物など農産物のブランドが幅を利かせている状況の根底には、消費者の高級志向(悪く言えば虚栄心、わがままとも言えそうな・・・)があるのかもしれないな。
大変な時代だ。
ブランド崇拝もここまで来てしまったのか・・・と年金生活の爺の嘆きである。
ブランド重視の人たちは、人間に対してもブランド(学歴や容貌など)で選別をするんだろうな・・・・。