平方録

身辺をつれずれに

紫色のちゃんちゃんこ

2018-07-31 06:29:55 | 随筆
「古希のお祝いをしてあげる」と娘2人が横浜のホテルの日本料理店に席を用意してくれたので孫3人と連れ立っていそいそと出かけてきた。

雪見障子越しに日本庭園が見える和室の個室で、同じ部屋ではないが現役時代に何度か人を招いたり招かれたりで使った覚えがある。
話は飛ぶがサッカーの岡田武史日本代表監督ともこの店で杯を交わしながら歓談したことがあった。
2003年か4年の話で、その頃岡田さんは環境問題に力を入れていて、その辺りの話も盛り上がったのをおぼろげながら覚えている。
なかなか落ち着いた店である。

部屋に案内されると仲居さんが紫色のちゃんちゃんこと頭巾を持ってきてこれを羽織ってくれという。
還暦は真っ赤なちゃんちゃんこだが、紫は貴族や僧侶の世界同様最高位者が身に付ける色だそうで、それにあやかったものだろうという。
ちなみに77の喜寿と90の卒寿も紫色、80の傘寿と88の米寿が金茶色(黄)、99の白寿が白色、100歳の百寿は桃色だそうな。

妻と並んでこんなものを初めて身にまとったのだが、全員そろって記念撮影してもらった写真を見ると自分なりに「ふむ、似合ってるじゃん」と感じたのだからいい気なものである。
でも当然のことだが、写真に写っている顔つきを見ると眼光や顔の表情そのものには幾分のゆるみが漂うが、いわゆる好々爺然とした老人顔ではないのは当然である。
その辺りはちょっぴりだが安心した。
70などはまだハナタレの部類だろうから当然と言えば当然なのだ。
姫と妹君と若の3人は初めて見るボクらのちゃんちゃんこ姿に「ジイジ 似合う~」とか言いつつ物珍しそうにニコニコしていた。

還暦の時には歩いて行ける七里ヶ浜の小さなフレンチレストランを借り切ってお祝いしてあげたじゃない、2度目よと娘たちは言うが、申し訳ないことにあまりよく覚えていなかった。
で、必死に記憶の糸を手繰るとかすかに往時がよみがえり、その店こそ仕事でお世話になった社外の大先輩に何度か勧められていた店で、それをオーナーシェフに話したら随分とサービスしてくれたことを思い出した。
普通はそれをきっかけに何度も通うようになるんだろうが、振り返ってみるとその時が最初で最後。しばらくすると歳も取っていたからだろうが店をたたんでしまった。
そもそもフレンチより焼き鳥屋の方が性分に合うのである。

姫は間もなく10歳になるお姉さんだし蝶ネクタイを締めた若も会食中はおとなしくしていたが、元気印の妹君ははしゃいで部屋中を走り回るものだから勢い余って障子でも破かないかとハラハラした。
料理はどれもおいしかったし、青森の「豊杯」という冷たくした特別純米酒がことのほか美味しく、妻は「私は1杯だけで十分」とかなんとか言いながら、気が付けば杯が空になっていてその都度酌してあげたから5、6杯は飲んだことだろう。
元々酒は弱くないのだ。
結局3合飲んだ。物足りなかったのだが、昼間でもあるし物足りないくらいがちょうどよい。それにしても日本酒というものは日本料理を引き立てる。

という訳で、今回の記念の食事は孫も一緒だったし、還暦の時のように忘れかけてしまうようなことはないだろう。
2人には散在をさせてしまった。感謝あるのみ。ありがとう。



料理の写真を載せるのは趣味ではないが記念なので…







特別にタイの入れ物に入った赤飯が付いた




天竜川のアユ








花束までもらった
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ショッピングモールの遊び場での出来事

2018-07-30 06:47:45 | 随筆
姫と妹君、それに若と一緒に行ったショッピングモールでのこと。

モールの広いスペースの一角に退屈した幼児を遊ばせるコーナーがあって、江ノ電の置物やら低い滑り台が置かれている。
さすがに姫は小学4年生だから中には入らず、それでもすぐ近くに寄って外側から2人を見守っていた。
ボクはさらに外側のベンチに座って3人を眺めていたのだ。

妹君と若はウレタン製のようなけがをしにくい材料でできた四角形や円筒形のブロックを積み重ねて遊んでいた。
すると途中でよその子が1人入り込んできたが、仲良く一緒に遊び始めたのだ。
自分たちの背丈より高く積み上がると一段高くなったところによじ登ってさらに積み上げたりして、生き生きとした表情で夢中になっている。
高いところに上がってさらに積み増そうとしてつま先立ちになるものだからバランスを崩してしまい、積み上げたものが崩れてしまう。
すると崩れてしまうことがまた楽しいか、キャッキャ言いながらまた最初から積み上げ始める。

そこに1人の女の子が割り込んできた。
歳は妹君よりやや年上、若と同い年の3つくらいの子である。
妹君が積み重ねようとして手に持っていたブロックを強引に横取りしようとする。
妹君は取られてなるものかとしっかり抱えたものだから、その女の子は怒って妹君を2度3度と手で叩く。
ビックリ顔で呆然とする妹君がひるんだすきにブロックは奪い取られるのだが、次に若が標的にされた。

同じ年ごろの中では小さな若は暴力的なことは苦手で大人しいのだが、幼稚園に通うようになって少しは自我意識にも芽生えたと見えて、それなりの抵抗はするようになっているのだが、この女の子の敵ではなかった。
妹君同様、たたかれそうになってひるんだすきにブロックは奪われてしまった。
この局面で保護者の立場だった姫はトイレに行っていて不在だったのだ。
こういう時、姫はどういう行動をとったのか見たかったが残念なことをした。

一緒に遊んでいたもう1人の子もその女の子の敵ではなく、ブロックはそのいささか乱暴な女の子に一人占めされてしまう。
すると今度は別のところで遊んでいたもう少し年上と見える男の子がブロックを奪いに来て、女の子は必死に手を挙げて抵抗するが逆に叩き返されて泣きながら逃げ出す。
逃げ帰った先は両親のもとで、何とボクの隣に坐っていた若い夫婦がその子の親だったのだ。
この若い両親は一部始終を黙って眺めていた。そして泣いて戻ってきた娘に母親は「何でやり返さないんだ」と一言言った。
ボクにはやり返したが相手の男の子のほうが年上で身体も大きく、どだい勝負にならないように見えたのだ。そして泣きじゃくる娘の手を引くでもなしに亭主を促しその場を後にした。

一部始終は子供同士が集まって遊ぶ時のごくありふれた光景だろうし、たまには暴力的な子も当然混じるだろう。
ただ、ボクが親ならボクの子が他の子に殴りかかってブロックを奪うような行為をするのは許さない。見逃さない。
順番があるんだってことと、仲良く遊ぶんだってことを教える。世の中ってそういうものだってことを暗に示す。
そうやって教えられた子は社会に出た後、時に応じて応用問題を解いていけばいいのだ。

妹君も若も何事も無かったようにケロッとしていたから、そういう類の日常茶飯事の出来事なのだろうが、ああいう子がいてくれるということ自体、貴重な体験として積み重なっていくことだろう。
で、あの女の子にとっては弱い奴は自由になるけど強い奴もいて叩き返されるのだということを学ぶことになる。
世の中にいろんな種類の人間が存在するわけだ。




午前中から若の家の駐車場で水遊び


若の持っているおもちゃの数は半端ではないのだ


今朝5:06の日の出
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姫とイヤリング

2018-07-29 04:16:42 | 随筆
ショッピングモールから家に戻る途中、午後の2時過ぎから少し風が強まったものの雨はほとんど落ちてこない。
運転中に携帯電話から妙ちきりんな警報音と共に隣町の高齢者避難準備警報なんてのが流れてきて、オッ、いよいよ接近かと感じさせもしたが、緊張感が高まったのはその時だけ。
その後雨も降ったがごく短時間に若干強めに振った程度。午後の8時過ぎには避難準備警報も解除され、わが地元の街の防災無線からも「大雨洪水警報が解除されました」というアナウンスが流れた。

今朝明るくなって点検してみると2階のベランダに限っては全く変化はない。
ゴーヤを絡ませたネットに変化はないし、軒下に避難させたトマトの鉢植え6個もまったく元のままで、この分だと被害はゼロのようだ。
ひょっとすると暴風域に引っかかるんじゃないか、そうなるとちょっと面倒だなと思っていたのでいい塩梅である。

関東地方で一番進路に近いところでこうなのだから、ここより北や東に寄った地域ではもっと静かに過ぎたことだろう。
問題はこれからで、豪雨被災地を東から西に串刺しして進むことになりそうなので、それがどういう影響を及ぼすかだ。
「後片付けお手伝い台風」「罪滅ぼし台風」「傷口修復台風」たれ、12号ジョンダリ!


姫はまだ小学4年生なのだが、イヤリングをし始めたのだ!
団塊世代の人間にしてみればウ~ンッと唸りたくもなるが、それにうつつを抜かしているわけでもなさそうだし、休みの日に、それもお出かけの時にだけオシャレのつもりで耳に付けるらしいから目くじら立てることもあるまいと物わかりの良いところを見せている。
自分の娘だったら、時代状況も違っているのだが首は横に振っていたと思う。もっともその前にねだられることもなく、ボクの目の届かないところで母親とだけ談合して勝手にやっていたろう。

その姫がボクのところにやってくると云うので、イヤリングをして新幹線ホームで電車を待っている最中、フトしたはずみでイヤリングが外れてしまい、あろうことか線路に落ちてしまったんだとか。
がっかりしてやってきた姫の報告を聞いてそのまま黙っている今のボクではないのだ。
当然新しいものを買ってやるのはジイジの務め。君子は豹変するのだ。豹変せねばならんのだ。

という訳でのショッピングモールだったのだ。
ナニ、今のところ300円ショップで十分なんですナ。
3つ買ってあげたらとても満足して喜んでくれたのだ。

こういう天候、しかも夏休み、出ばなをくじかれた子供も大人も行くところは同じと見えて、孫たちに囲まれてデレデレしている姿を知人に目撃されたりして…
そう、ボクだっていつも難しい顔ばかりしてやいませんよ!



台風一過の空のはずだが… =4:57AM


姫のおしゃれ


横浜イングリッシュ―ガーデンの今(以下同じ)




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台風よ お前まで横紙破りか

2018-07-28 06:29:01 | 随筆
東寄りの弱くない風が吹き付けている。
まだ強くはないが雨も落ちてきている。
南側のベランダに面したガラス戸は雨が吹き込むわけでもないので開けておいたら何度もくしゃみが出た。
室温は午前4時を回った時点で27.1度なのだが外気はひんやりしている。

試しに寒暖計をベランダに出して見ると22.0度しかない。
寒冷アレルギーなので、こういう時は決まってくしゃみが飛び出し鼻水が垂れてくる。
東寄りの風に直接当たるとポロシャツ1枚と短パン姿では肌寒い。

関東に向かって来ている台風12号はこれから進路を西寄りに変えて紀伊半島方面に向かい、豪雨禍被害の後片付けも満足に済んでいない被災地を東から西へと舐めるように進むらしい。
この台風直撃による雨風は被災地に何ほどかのプラスをもたらすんだろうか。
例えば土砂で汚れきった家や畠を奇麗に洗い流して元通りにしてくれるとか…

それどころか被害の上塗りが各地で起こるのだとしたら右頬を殴られ、次にまた左頬にパンチを食らうようなもので、殴られる側はたまったものではない。
今回に限っては上陸地点は関東で引き受けてもよかったのだが、直前の急ハンドルはないだろう!
そして、あろうことか西から来て東に去る台風が今回に限って逆に進もうとしているのだ。まるでどこかの国の内閣と一緒で、とんでもない横紙破りである。

出来ることなら「後片付けお手伝い台風」「罪滅ぼし台風」「傷口修復台風」などと後世に語り継がれるような台風であってほしいぜ。
心せよ12号ジョンダリ!


台風被害を心配する一方で交通網の混乱などを見越して予定を1日早めて姫と妹君、その母親の3人が泊りがけで遊びにやってきた。
妹君と母親は月曜日に帰るが姫はその後も金曜日まで残るのだ ♪ 金曜日にはボクが送り届けることになっている。
夕食には近くで暮らす長女と3歳の若が合流し、2歳の妹君と9歳の姫が加わってさして広くもない居間兼食堂で駆けっこやらサッカーやらが始まり、ボクも加わったら息も絶え絶えでヨレヨレになった。
2歳や3歳のピッチピチの細胞とはもはや太刀打ちなんか出来っこないのだ。それが現実なのだ。

それにしても2歳の妹君のキックの正確さ、強さには顎が外れるほどビックリした。
なでしこジャパンのエースストライカー候補だぜ! 恐るべし2歳!

9歳の姫にプレゼントした知恵の輪をボクがやって外したのはいいけれど、今度は戻そうとしたらどうやっても戻らない。
こんなはずではないのにどうしたことか。時間をかけて通り組むしかない。
とにかく元に戻さねば。




横浜イングリッシュガーデンの今の様子(以下同じ)








外したのはいいけれど…元に戻せなくなってしまった
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蚊取り線香 初登場

2018-07-27 06:47:04 | 随筆
明け方、肌寒さを感じて目が覚めた。

寝室のガラス戸のシャッターを細目に明けて寝ているのだが、そこから冷えた空気が入り込んでいる。
こういうことで寝冷えとか夏風邪をひくことになるんだろう。くわばらくわばら。
薄い毛布1枚しかかけていないが当然剥いでしまっている。それを再び体に巻き付けると人心地を取り戻すから薄くたって役に立つものなのだ。

辺りはまだ薄暗く、時計を見たら午前3時42分だった。
目覚まし代わりにしている4時のNHkラジオニュースを聞いてから起きようとトイレから再びベッドに戻り、ミノムシ人間になって時の過ぎるのをじっと待つ。
トップニュースが四国のローカルな話題からだったのですぐにラジオを消してベッドを離れる。
ロクなニュースがないと見える。それとも記者が夏休みを取り始めたり、バテたりし始めたか。イカンなぁ。暑いとはいえ仕事はきちんとしなくっちゃぁ。悪賢い奴らほどこうい時に活動を活発化させるのだ。

ベランダに出てみると外の空気はヒンヤリしている。
寒暖計を持ち出してしばらく置いておいたら、室温27度に対して何と23度しかない!
昨日の夜明けよりもずっと涼しい。
辺りはと言えばヒグラシが鳴き出すにはまだ暗すぎるのか、周囲の山を含めて音もなくシィ~ンと静まり返っている。

異変を感じたのは室内に戻り歯を磨き始めた時である。
短パンから外に出ている太ももの裏側がかゆい!
触ってみるとぷくっと膨れている。

顔を洗い終えてパソコンの前に坐ると、しばらくしてあの耳障りな高周波の音が…
音だけでも忌々しいのに、あろうことか鼻先をかすめるように姿さえさらし、目の前を横切って行く。おっのれぇ~!
叩き潰す労力を思いやって蚊取り線香を取りに行く。

あの除虫菊の匂いは日本の匂いである。ニッポンの夏の匂いである。
すぅ~っと立ち上る細い煙…。人が歩けば近くを通らなくったって煙はかすかに揺らぐ。そういう繊細で微細な動きをただただ眺めているだけでも楽しい。
今夏初登場である。

そういえば蚊は35度を超えるような暑さは苦手らしく、動きを止めるそうだ。
庭に出る時間が短いせいもあるのか、バラの咲き誇る5月に何度か蚊に刺されはしたが、その後は皆無で、今年の夏はまだ一度も刺されていなかった。
わが海沿いの町はさすがに35度には至っていないから、当地の蚊は32、3度で大人しくなるくらい意気地がないのかもしれない。
人間サマ同様に土地柄ってことですかね。

それがいきなり涼しくなるものだから、我慢していた求愛行動を活発化し始めたらしい。
暑ければ刺されない。涼しさが戻れば刺されて痒い。…これぞ痛し痒し。

ちなみに蚊のメスはオスを引き寄せるために羽音を出すんだそうだ。
しかも、種類によって周波数の音域が異なるので同じ種類同士が間違いなくカップルになれるらしい。
あのキ~ンという耳障りな音は求愛行動という訳なのだ。

人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて何とやら、ってのがあったけれど、蚊の恋路までいちいち気にしちゃいられめぇ。
邪魔させてもらうぜ!



5時14分の東の空。太陽の位置が少し南に寄り始めた。夏至からひと月以上も経ったからね。あの雲は台風接近の予兆だろうか。
なんか台風が裏口から入って来そうな気配である。もっとも西日本の豪雨被災地が直撃されるようでは大変なのでこちらで引き受けはするが、姫たちは予定を早めて今夕に着くようにするらしい。
台風は真っ平ごめんだが、姫が早く来るのは嬉しい。


世界バラ連合会から優秀庭園賞を受賞した横浜イングリッシュガーデンの夏の庭から(以下も同じ)













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