
朝ぁ~♪ 湘南海岸~ん!

まだ6時20分だが、海の中はサーファーたちでいっぱい! さらに続々と自転車や徒歩で集まって来る。まるでウンカ。日曜日だから仕方ないが…
この後すぐに湘南海岸自転車道に入るのだが、大きなサーフボードを小脇に抱えて自転車でやってくるサーファーをかき分けかき分け、しかも数日来の強風続きで動いた砂が路面を覆ってしまっていて漕ぐのもままならず、砂の上を自転車を押して行くのだから変な筋肉を使わされ、のっけから往生させられる。

茅ヶ崎海岸では朝日を浴びて地引網

7:02 腹が減った。何も食べずに家を出てきたのでこの景色をおかずにコンビニで調達しておいた握り飯2個の朝食をとる。

相模川河口の湘南大橋

大磯港の前から太平洋岸自転車道へ

西湘バイパスにそって自転車道が伸びる

自転車道が終わり国道1号を避けて裏道を行くと思わぬところに富士山が

さらに国道は避けて小高い住宅地の間の道をたどると眼下に海が…

二宮町でその道も尽きて仕方なく国道1号へ

日本橋から75キロの表示の脇に旧街道の1里塚の碑が。「江戸より十八里」とある。十八と75…計算合ってね~ぞ

仕方なく1号線を走る

国府津付近に残る松並木の名残

9:04 おおっ 酒匂川に着いた! 初めて大西洋横断飛行に成功したリンドバーク風に言えば「車輪よあれが箱根の山々だ!」。わが家から39.23キロ

左岸を遡ってゆくと飯泉取水堰が見えてくる。ここからわき道にそれて飯泉観音に向かう

勝福寺という真言宗の古刹で、毎年暮れになるとだるま市が開かれて近郷近在から善男善女が集まって賑わうらしい

天女の微笑みに送られてさらに上流を目指す

この辺りの堤防上は未舗装

そのまんまの名前の付けられた橋を渡り右岸へ

太公望がおとりのアユを泳がせてアユを狙っている

右岸堤防上は青少年サイクリングコースになっていて、青春しているボクは胸を張ってペダルを漕いでゆく ♪

あれ? 遠くまで漕いできたんで疲れちゃったかな…… 山がダブって見える?

いや君は疲れてなんかいませんぜ! 正真正銘ダブルフジです。あるいは親子富士…そんな名前がついているかどうか知らないが、偶然とは恐ろしい。
手前の山は「矢倉岳」という標高870mの独立峰。親玉の富士山と同様に近くに山がないところにポコンとそびえているのでどこからでもよく見え、湘南海岸辺りからでも出べそのように見えている。

感動したんでもう1枚。手前を走る電車は小田急線

二宮金次郎が植えたとされる松並木が今に残されている

足柄平野を洪水の恐怖から救った堤防脇の松並木

スポーツ広場になっている川原の一角にレストハウスがあり地元のお寿司屋さんが弁当を売っていた。鶏のから揚げとだし巻き卵が美味しかった

弁当を広げたのは10時20分過ぎ。小田急線の鉄橋脇の木陰のベンチは風が良く通って気持ち良イイ

距離計を見たら50キロに到達している!

文命堤を目指しさらに上流への道を漕いでゆく。すぐ近くだと思っていたのだが、ここからが案外遠かったのだ

遡ること4キロ。ようやく到着。文命堤は江戸時代初期の小田原藩主大久保忠世・忠隣父子によって築かれたと伝えられる延長935m、幅40mの堤で、農民に地元の文命宮の祭典の時に石をひとつづつ持参するように命じたとされ、今でもその石が残っているのだという。

広々とした堤の上には桜が植えられているから春は花見で賑わうことだろう

ここまで54.45キロ。さぁ戻ろう!

弁当を食べた辺りから少し下流に下ったところの橋の欄干にマサカリを担いだ金太郎が鹿やサルを従えて歩いている姿の彫刻が置かれていた。
そう、熊にまたがって馬の稽古に励んだ足柄山は目と鼻の先なのだ。

東海道に戻り1号線を東に進む。国府津と二宮の間に史跡・車坂、史跡・前川の里の碑が建ち、源実朝がここで詠んだ「浜辺なる前川瀬を逝く水の 早くも今日の暮れにけるかも」とか太田道灌の「鳴神の声もしきりに車坂 とどろかしふるゆふ立ちの空」他1種が看板に架かれていた。この辺りからは上り坂なのだ。

そして1号線を時速25キロから30キロでスイスイ漕ぎ進み、あっという間に大磯へ。焼失してしまっていた旧吉田茂邸が再建されている。この門は「兜門」と呼ばれているそうだが、吉田がサンフランシスコ講和会議で日米講和条約を結んだのを記念して造られたことから「講和条約門」とも呼んでいるそうな。

これが再建された本宅

茅ヶ崎海岸に戻り休憩。ハマヒルガオが1輪だけ咲いていて、すぐ隣に寝そべる

鵠沼海岸に到着したところで距離計は99キロを表示する。古い格言に「百里を歩まんと欲するものは九十九里をもって半ばとせよ」というのがある。里程とキロ表示は違うけど気持ちは一緒。やっと行程の半分まで来たぞ!

富士山が見送ってくれた

我が家到着は3時45分。走行距離108.76キロ。かかった時間9時間55分。ペダルを漕いでいた時間は6時間57分53秒。平均時速15.6キロだからママチャリ並みですナ。
かくして晩夏の風をのんびり受けながら、ゆったり走ってきて、身体の隅々の毛細血管の先まで十分に血を巡らせてきた。
まだ十分に青春 ♪ 体力あり!
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