観光地に暮らすものにとって、大型連休期間中というのは憂鬱なものである。
なにしろ、普段利用しているバスは時刻表通りに来ないし、乗り込んでも至る所が渋滞しているから、目的地に何時つけるか全く読めない。
出先でちょっと腹ごしらえ…何て時も、地元でちょっと知られた店などは観光客が長蛇の列を作っているから近寄ることも出来ない。
という訳で”閉門蟄居〟状態で家でじっとしているか、さもなくばさっさと脱出するか…
カネも無く、しかもコロナ禍で行動の自由に制約があれば脱出もままならない。
幸い、今年はコロナによる縛りはそれほど強くはないが、無防備というわけにもいかない。
そもそも、旅行というものは自由な気持ちの中で行くもので、どこかにおっかなびっくりの気持ちを抱えていたのでは楽しい気持ちも楽しくなくなる。
そんなわけで今年もわが家は閉門蟄居状態で、どこにも出かけず、天気が良ければ観光客とは無縁の尾根道を歩いて折からの新緑を愛でて溜飲を下げている。
一昨日はわが家と地続きの尾根道ばかりを縫うこと1万3000歩、そして昨日は観光客とニアミスはするが、大群に巻き込まれることのない北鎌倉の浄智寺からハイキングコースを抜けて1万6000歩歩いた。
お陰で山の神と2人、身も心も、挙句の果ては吐き出す息までも、すっかり新緑色に染まってしまった♪
目に入るものすべてと言ってよいくらい新緑しか見えないところを歩いていると、どこも明るく透き通るようで素晴らしく、気持ち良くて晴れ晴れしてくる。
どこかわざわざ出かけてくる必要も無いってことのようである。
これ、大型連休の過ごし方の極意の一つ♪
お気に入りの浄智寺
コーヒーを売るキッチンカーが出ている
普段はまばらな観光客も、やはり連休中だけあって居るにはいたが、それでもチラホラ程度
拝観料を収めるところの脇にも「野生のコーヒー」の看板を掲げたキッチンカーが
このキッチンカーは普段もここに止まっている常連
エチオピアなどアフリカ各地の野生のコーヒーを焙煎したものを入れて出してくれる
見どころの一つが茅葺の書院の前の庭
現在の主役はジュウニヒトエ
エビネも咲いている
白いサクラそう
ピンクも
コケ
書院正面の崖には一面シャガの花
通路と庭を隔てるロープを結ぶ杭の頭が鉢の代わりをしている
布袋尊
布袋尊のところから書院正面に戻ると書院で若い画家の龍図作品展をやっていたので、初めて書院に上がらせてもらった
書院の中から見る本堂の曇華殿と庭
表面がゆがんだ昔ながらのガラスを張り巡らせた戸が魅力的
書院の廊下部分は板張りではなく畳敷きだった
新緑に埋もれる浄智寺
寺の脇の道は大仏に通じるハイキングコースになっていて、奥に進むと葛原ヶ岡に出る
19年の台風で倒木被害が相次ぎ、しばらく通行止めが続いたが、さすがに復旧工事は終わっている
光りに満ちあふれた溢れた新緑の山々 20分余りで葛原ヶ岡到着
ここから源氏山、銭洗弁財天とは目と鼻の先、大仏各方面にはハイキングコースが伸びている
例年だと大仏に抜けるコースは時に渋滞箇所が生じるくらいに混みあうらしい
ボクらはここで山道を離れて家に向かった
間もなくこの景色を切り裂いてホトトギスの鳴き声が谷戸谷戸にこだまするようになると、いよいよ夏がやって来る♪