昼近くなってどんより曇っていた空に破れ目が現れ、次第に大きく広がって行く気配である。
前日は森に分け入って「大桜」まで歩いたが、あいにくの曇り空でせっかくの満開の花も曇り空に吸い込まれるだけではっきりしなかった。
サクラを引き立たせるのは、何と言っても青く澄んだ空。
しかし、つれないことに、わが南関東の天気予報は今週も来週も曇りマークばかり並んでいる。
これからが見ごろだというのに…
そんなところに広がった青い空を見て「今でしょっ!」と腰を上げて尾根から尾根へと歩いてきた♪
三木露風に「現身」という詩がある。
春はいま空のながめにあらわるる ありともしれぬうすぐもに なやみて死ぬる蛾のけはひ
ねがひはありや日は遠し 花は幽かにうち薫ず ゆるき光に霊(たましひ)の 煙のごとく泣くごとく
わが身のうつつながむれば 紅玉の靄たなびけり 隠ろひわたり染みわたり 入り日の中にしづく声
心もかすむ日ぐれどき 鳥は嫋(ね)びつつ花は黄に 恍惚の中吹き過ぎて 色と色とは弾きあそぶ
慕はしや春うつす 永遠のゆめ影の声 身には揺れどもいそがしく 入り日の花のとどまらず
春はわが身にとどまらず ありともしれぬうすぐもに なやみこがるる蛾のけはひ
春のいかにも駘蕩たる雰囲気にあふれた詩だと思う。
サクラを思えば気ぜわしいことだけど、春の魅力はやっぱり駘蕩♪

昨日見た時はほんの5、6輪しか開いていなかった花が一晩でこんなに…

小高い木々の上にはすでに満開を迎えたヤマザクラが青い背景に映えている

野球場のスコアボード脇のヤマザクラ♪

近づいてみると…他を圧倒すして枝を広げている

ヤマザクラ越しにグランドを眺める 広町の森の大桜にも匹敵する存在感

ツボミは一つも残っていないんじゃないか

青い空と白い花

この野球場のヤマザクラの葉は渋い茶色

反対側に回ってみると、こちら側にも何本ものヤマザクラが

何のハバカリも無く伸び伸びと枝を伸ばしていて清々しいくらい

このヤマザクラの葉は薄い緑

道路脇にも緑の葉のヤマザクラ

向こうの山懐でもあちこちでヤマザクラが咲き出した♪

こっちの山にも…

あちらでも…

こちらの山は全山サクラで覆われるくらいたくさんのヤマザクラが咲くところなのだが、今年はまだのよう