以前は梅雨が明ける7月下旬に開かれ、講師も受講生も自然の風だけが頼りの猛暑の中で、それでも各界の名だたるキラ星たちが次々に登壇するとあって熱心に耳を傾けたものである。
それが去年から梅雨入り直前の6月初旬になってしまい「やっぱり夏期講座はカッと照り付ける真夏の太陽が無ければ感じが出ない」とボクを含め常連の参加者たちからは大いに不興を買っているし、学生はまだ授業や中間試験の時期と重なって受講しようにもままならないのが気の毒である。
不満があるなら行かなければいいではないかという指摘もあるだろうが、それがなかなかどうして、横田南嶺管長の「無門関提唱」を含めて講座内容は今年も魅力的なんである。
初日の受付は午前7時半からなので今朝はちょっと忙しい。
ブログに時間をかけているわけにいかないので、昨日ぶらついてきた江ノ島の点描をかざして本日分としたい。

今日も明日も自転車日和だそうだが、夏期講座が始まれば円覚寺に昼過ぎまでいるのだ。行くなら「今でしょ! 」と昨日自転車でテリトリーをパトロールしてきた。
左が箱根連山、右の山の連なりが丹沢山塊。両者の中間、画面中央の雲が覆っている辺りが富士山。ボクの目には左右の稜線がかすかに見える。

逗子海岸では昨晩早々と花火大会が開かれ、わが家にまでドカンドカンと打ち上げ花火の音が届いたが、どういうつもりかね。片瀬西浜の海の家づくりはまだ骨組みの段階。

いざ湘南海岸自転車道へ! と勇んで漕いでいったら行く手はこのありさま。大型連休最終日に道をふさいだ海岸の砂は依然として取り除かれることはなく堆積したまま。反対方向からえっちらおっちら漕げない自転車を押してきた人に聞いてみたら、この先も至るところに砂山が出来ていて「イラつきます」と言っていた。自転車は漕ぐもの。押すものにあらず! でUターン。

自転車漕ぎがままならぬなら急な階段を上り下りしてそれに代えようとやってきたのは江ノ島島内。エスカーに直行する人をしり目に奥宮まで階段階段また階段(上り階段はハアハア息が切れて写真を取り損ねた)。


岩屋のある稚児ケ淵に下りる急階段。ここに関しては行きはよいよい帰りは……思いやられる。


岩屋洞窟の入り口から岩場に下りるコンクリート製の階段が鉄筋もあらわに破壊された無残な姿をさらしている。犯人は昨年10月の台風21号。岩屋洞窟内には大量の土砂が入り込み半年間も閉鎖された。

稚児が淵の岩場には結構観光客がいて、岩苔の上をすたすた歩いてスッテンコロリンしているかなりみっともない筋肉マンもいたけれど、大方は健全に屈託なくはしゃいでいた。ヒトは海辺にやってくると開放感モードになるらしい。

オッ! こっちの記念撮影中の中学生? のスカートが風にめくれ…、風よ頑張れ!

大勢がはしゃいでいる岩場のすぐ近くでじっと同じ姿勢のまま水平線の彼方を見詰める若者。いるんですよね、こういう若者が。完全に人のいないところでやればいいのに…。ま、気持ちわからないでもないけどね。

島内の急階段の上り下りが嫌ならお乗んなさいよ!

かくしてラクチンに帰ろうとする人御用達のべんてん丸が出てゆく。「船は出て行く煙は残る。…ん? 煙が出ない? 船は出てゆく煙は出ない、出ないはずだよ無煙炭」ってな石炭会社提供のテレビCMを大昔に見たような見ないような……

岩場を離れ、船も見送って急な階段を上り始めるとすぐに石碑がいくつか並んで建っている。そのうちの一つが松尾芭蕉の句碑。彫られている「疑ふな 潮の花も 浦の春」は三重県・二見ヶ浦で詠まれたものだが「ここの自然環境に溶け合っている」という理由で設置された。何とも牽強付会。やりすぎだろ!

「江の島サイダー」「鎌倉ものがたりサイダー」「湘南アシベ ゴマちゃんサイダー」「湘南ゴールドサイダー」あたりは納得だけど、「初代 幻の芋サイダー 伊三郎」「うなぎコーラ」「こどもびいる」「(UNZEN)温泉レモネード」ってなんだよ。南九州じゃないの。一番下の段には「黒松芭楽汁飲料」というガヴァジュース、それ以外にマンゴーだココナツだパッションフルーツだの缶ジュースが並んでいる。九州より南の台湾産らしい。ナニ、黒潮が沿岸に沿って流れてますからねぇ、流れに乗っちまえばわけありませんでさぁ。古来より物資は海流に乗って運ばれたのだ。…まさか?!

江ノ島島内にはネコが多い。で、参道の郵便局には「猫切手あります」の看板が。

奥津宮の鳥居脇にいたネコ。なんかドサ回り旅芸人一座の悪人か泥棒面だぜ。君は切手にはなっていないよ。

茅葺、トタン葺、瓦葺…、これは落葉葺。猫がいた鳥居から目と鼻の先のトイレの屋根。

さすがに急階段を上がって来てもう急な階段は飽きた。ヘキエキじゃ。羊羹の旗を左に折れて階段のない ⁈ 〝裏街道〟を行くことにした。

ここはどこ?

海が見え…

片瀬漁港、そして片瀬西浜から鵠沼海岸辺りが見渡せる。