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平方録

野暮用の後 なにか食べたくなって その2

横浜駅東口から乗った水上バスを降りて赤レンガ倉庫前に上陸。

ミナトに沿って中華街方面に歩き出す。

 

赤レンガ倉庫は休館中で、2棟の間には屋台村のような飲食スペースが並んでいて賑わっていた


大桟橋に停泊中の「飛鳥Ⅱ」(50,444㌧)は1990年に長崎の三菱造船所で建造されカリブ海クルーズ船として活躍してきた「クリスタルハーモニー」で、2006年に郵船クルーズが買い取り、日本でデビューさせた
就航前にお披露目のワンナイトクルーズがあり、招待されて相模湾をゆったり航海したことがある
大学時代、1万トン強の貨客船で太平洋を往復したことがあったが、その時を一言でいうと風を切って走る自転車の感覚だが、飛鳥Ⅱは窓を閉め切った高級車のようで、ボク的には自転車の方が好みである

象の鼻パークを抜けて山下公園方面に向かう
安政6年に最初に作られた東波止場が弓なりで、ゾウの鼻のような形をしていたことから「象の鼻」と呼ばれている


大桟橋の根元に差し掛かると飛鳥と反対側にもクルーズ船「ぱしふぃっくびいなす」(26,516㌧)が接岸しているのが見えた


海岸教会前の交差点を観光客に人気の路線バス「あかいくつ」が通過していく


飛鳥Ⅱとぱしふぃっくびいなすに挟まれた小型の船はかつて瀬戸内海の女王として別府航路の花形だった「くれない丸」(2928㌧=当時)で、今は港内一周のレストラン船「ロイヤルウイング」として就航中
高校2年の秋の修学旅行で別府から大阪までこの船で夜の瀬戸内海を渡り、開業間もない新幹線に乗って帰って来たことがあった♪


「飛鳥Ⅱ」より一回り小さいが、優美な姿の「ぱしふぃっくびいなす」


山下公園に足を踏み入れた途端、カラフルな花畑が出迎えてくれる
 

公園の中ほどにある沈床式花壇は横浜イングリッシュガーデン監修のバラの花園になっている


芝生の上では3姉妹と両親が縄跳びやシャボン玉で遊んでいた


「キミも世界も俺のものだぁ~」


クスノキの根元でおしゃべりする若い娘さん  クスには虫よけ効果があるからね


氷川丸とベイブリッジ
氷川丸は第2次世界大戦を生き抜いた11,622トンの貨客船 戦後は横浜~シアトル間の定期航路に就航していた
現在は山下公園前に係留され歴史資料として国の重要文化財に指定されている


山下公園前のイチョウ並木はすぐ近くの日本大通りと並んでイチョウ並木の美しい所だが、空が見えないくらい繁っていた枝がだいぶ払われてスウスウしてしまって魅力が半減してしまっている


中華街に足を踏み入れて驚いた
人が多いのは想定内だったが、コロナ禍の自粛拡大に伴って老舗が相次いで店を閉じたのでメーンストリートの雰囲気は一変してしまっていた


老舗店舗はどこも規模が大きく、従って建物も大きいために後の利用が進まずシャッターが下りたままだし、従来裏通りにあった占いや手相見の店がメーンストリートに軒を並べだしたり、以前からあった肉まん屋などのに加え、500円玉一つでお腹がいっぱいになるような串に刺した極彩色の食べ物を売る店、果ては1980円で食べ放題をうたい、店頭に料理の写真をズラッと並べたどでかい看板をこれでもかと出したり…
まるで安っぽい屋台村か何かが出現したかのようで、昔日の面影はどこへやらと、古い中華街を知るニンゲンにとっては嘆かわしいこと嘆かわしいこと…
これでは早晩、横浜中華街は廃れてしまうだろうと悲しく思う


本通りから1本奥の関帝廟通りにぶら下げられた赤いカニの看板


いきつけの「興昌」は現役時代からよく利用した
店主兼コックのタケさんは台湾の人で料理の腕前は抜群だしアイディアマンで研究熱心 
ここの名物の「ワタリガニの炒め」はワタリガニのおいしさを良き引き出した逸品だが、食べ残ったソースを麺に絡めて食べるとこれがイタリア料理を彷彿させると、食通をうならせている
ただし一人では食べきれず、この日は「鶏生姜素麺」(写真、見かけはあまり美味しそうには見えないけど…)を注文する
最近登場したメニューで鶏肉がどっさり入っていてショウガがピリッと効いた夏にはもってこいの一品 
麺にソーメンを使っているのもミソ タケさん曰く「台湾にはソーメンもあるんですよ」
「ソーメン」と注文すれば通じる
 
中華街の様変わり嘆いたら、ボクと同世代のダケさんは眉をしかめはするものの、あまり悪口は口にしなかったが、息子の方は「福建の連中はもうかりさえすれば何でもいいんですよ。別に料理そのものに誇りなんか持ってないんだから」とボロクソ
台湾海峡を巡る両岸の軋轢の大きさが影響しているとしか思えない厳しい口調だった
 

高速道路が走る運河を渡って元町へ 
ここにはかつて港湾荷役の一方の主役として隆盛を極めたダルマ船(はしけ)が川面を埋め尽くすようにぎっしり並んでいて、船上生活者が煮炊きする煙があちこちから立ち上り、洗濯物が風に揺れていたものだった


オシャレな店が並ぶ元町通りはただ通過するだけ JR石川町駅から電車に乗って帰る
 
 
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