久し振りに長谷の光則寺に行ってみる。
鎌倉では花の寺として知られているのだが、両隣の長谷寺や大仏には大勢の観光客が訪れても、この寺に立ち寄る観光客はほとんどいない。
おかげで、谷戸の奥はいつ行っても静かなもので、鳥のさえずりが聞こえるだけである。
この時期の花はアジサイで、それも寺院や各家庭の庭で見られるアジサイではなく、ヤマアジサイで、株も花そのものも小さくて地味な印象を受けるものばかり。
それが鉢植えとなって通路に沿って並べられている。
何種類あるのか知らないが、貴重なものから珍しいものまで、そのコレクションは好事家の間では有名らしい。
境内を見て回ると、ほとんどの種類がもう咲き出していて、小さな花ながら個性を光らせていて、まさに「へぇ~」「ほぉ~」と感心させられる。
そして、初めて気が付いたのだが、ヤマアジサイ以外のメーンキャストにドクダミを"抜擢"したようなのだ。
山門から本堂への参道脇や本堂周りの囲みの中がどくだみの白い十字の花で埋まっている。
雑草として忌み嫌われているドクダミを「寺の意思」として咲かせているのが伝わってくる見せ方で、この寺ではドクダミを慈しむべき花として扱っているのがよくわり、これはこれでとても新鮮だった。
確かに背丈をそろえて白十字の花が並ぶ光景はドクダミでなければ、もっと称賛を集めたことだろう。
和尚、なかなかやるじゃん♪

愛嬌を感じさせる白十字の花がリズムよく群れ咲いている

本堂前のドクダミの群落

曇り空の下でも白い花は明るい印象をもたらす

本堂脇の通路際でもドクダミがこんもり…

ピンク色のカタバミとの混植が園芸花壇風でもあった

ドクダミの白に負けじとイワタバコの珍しい白花が咲いていた

アヤメかショウブか… 薄い紫色がほんのり差した清楚としか言いようのない白い花が見事だった♪

ヤマアジサイの鉢がずらりと並ぶ境内

あっちにも

玄関前にも

涼し気な花色だと思って足を止めると「土佐涼風(すずかぜ)」というヤマアジサイだった

境内ではたくさんの鳥の鳴き声に交じってホトトギスとクジャクの独特の鳴き声が響き渡っておりました