わが家のカツラの木に花が咲きだした♪
去年も一昨年もその前の年も花は見ていない。
最後に花を見たのがいつの事だったか、とんと記憶にないくらい見ていない。
そもそもカツラの木に花が咲くなんてことは知らなかった。
それが、植えてから数年後の春まだ浅き庭がまだ寝静まっているころの裸木の一部の小枝の先に、何だか赤い糸くずのようなものがぶら下がっているのに気付いた。
顔を近づけ、枝先を手元に引きずり寄せてその正体を確かめたら糸くずなんかではなく、カツラの木の一部だということが分かって少なからず驚かされた。
ネットで調べてみると、これが「カツラの花」であるという。
糸くずではなかったが、どう見たって糸くずにしか見えない花…
しかも実際の花はどんなに大きくたって1cmにも満たない小さなものなのだ。
だから咲いていたって目立たない。
目立たないどころか気付く人が稀なくらい、梢に目を向けて目を凝らさなければ見つけられないような”控えめ“な存在と言っていい。
花なんだからもう少し目立つように自己主張しても…と思うが、虫やチョウにも頼らず、風だってあてになんかしやしない、ましてニンゲンに色目を使って振り返らそうなんて素振りすら見せない…
そんなところが、かえっていじらしくもあり、愛おしさを感じさせる部分でもある。
とにかく何年ぶりかもわからないくらい久しぶりにわが家の庭に戻って来てくれたってことが嬉しい♪
赤飯でも炊きたい気分だ。
カツラの仲間は白亜紀や古第三紀から生き延びる原始的な樹木の一つ かつては北半球に広く分布していたが、今日では中国と日本だけに残る(庭木図鑑 植木ペディアから)
こんなものが裸木に絡まって見えたら誰だって「糸くず」が引っかかっているとしか思わないだろう
iphoneで撮っているから、広い空間で小さなものにピントを合わせるのが一苦労
カツラは大きくなるが山形県最上町にある「権現山の大カツラ」は幹周が20mもあって日本最大と言われているそうな
間もなく出てくる葉はハート形をしていて、「しおれるとキャラメル、綿あめ、あるいは醤油せんべいのような匂いがする」(庭木図鑑)
特に「秋の香りはかなり強く、少し離れた場所にいてもカツラの木があることが分かるほど。カツラの別名には『醤油の木』『コウノキ(香の木)』『抹香の木』などがあり、乾燥させた葉を粉にして抹香を作る」(同)そうな
確かにキャラメルの匂いがするのは経験済みだが、醤油せんべいや綿あめの匂いまでするなんて…
いっそのこと実物も生らないものかねぇ
花は見ての通り花弁もガクもない特異な形をしていて雌雄異株だそうな
雌雄を見分けるのは少し難しいそうだが、わが家の木に実が生ったことがないので、この花は雄花の可能性が高い
そういえば垂れさがっているものを見る限りオシベっぽくて、まるで”オシベだけで咲いてる“って感じがする