鎌倉ではめったに雪は積もらない。
必然的に雪の写真は少ないのだが、わけても雪景色のお寺の写真など皆無に近い。
これは雪が降っている最中にフラフラ出歩くことが少ないことと、雪が積もるとむしろ除雪などに時間を取られて雪景色の散歩を楽しもうなどという気持ちにならないせいだと思っている。
しかし今回は山の神が「雪が残っているうちにどこか北鎌倉のお寺に行ってみたい」と誘われ、好きな浄智寺と東慶寺に立ち寄ってみた。
山門をくぐり、階段下から鐘楼門を見上げる 雪は随分少なくなってしまっているが、なかなかの風情
鎌倉には珍しい唐様の鐘楼門で、「山居幽勝」の額が掲げられている 右奥に見える建物が本殿の曇華殿(どんげでん)
茅葺屋根の書院と曇華殿と一部青空
書院前の庭は自然な野原の風情を漂わせる造りで、季節ごとの可憐な花が咲き競う花畑でもあり、東慶寺の庭とともにボクの好む庭である
今回はもちろん雪に覆われていた
切岸と竹林の一角には雪がなかった
ここ浄智寺は臨済宗円覚寺派の禅寺で鎌倉五山の第4位に位置づけられる古刹である
ただし、昨日始まったNHKの大河ドラマの設定は第2代執権の北条義時の時代の事なので、第5代執権時頼の三男宗政の菩提を弔うために1281年ころに創建されたこの寺は当時まだ存在していなかった
ロウバイ
ミツマタのつぼみがだいぶ膨らんできている ♪
歩いて5分足らずの東慶寺 別名駆け込み寺 または縁切寺
現在は円覚寺派の禅寺だが、創建は元寇を打ち払った第8代執権北条時宗の夫人・覚山尼で明治に至るまで独立した尼寺であり、江戸時代までこの寺に駆け込みさえすれば「女性の側からの縁切り」が認められた幕府公認の存在だった
左の建物が本堂、右は書院 この寺は去年から拝観料を徴収しなくなり、拝観の客には本堂の釈迦如来像を拝んでもらい、その際に拝観料相当を払ってくれるよう促す小さな立て札が山門の階段下に出されている
性善説に立つこの寺のやり方は珍しい
松岡宝蔵の白い壁と季節の花が咲き乱れる自然な野原を思い起こさせる広い庭
ロウバイの色合がひときわ白壁に映えている
裏千家ゆかりの茶室・寒雲亭の門
正月飾りがやけに似合っている
奥に見える山懐には本山の円覚寺の大伽藍が広がる
鐘楼脇のウメのツボミがこんなに膨らんでいる
浄智寺のミツマタ然り いよいよ佐保姫様の裳裾の端がつかめるようになってきた♪