goo blog サービス終了のお知らせ 

平八郎のエコロジーな日々?

地球環境保全に対してアツイ昨今。私も社会の末端に連なるものとして何かできないのか?ちょっと真剣に考えました。

久しぶりに自動車が欲しくなった

2006-10-07 22:58:29 | メカ
平八郎は現在軽自動車1台を所有している。
しかし、最近仕事で私有車を使わざるを得ない状況なので(しかも、ほぼ毎日)少し不便を感じている。
現在の車は燃費・居住性など全く不満はない。いや、大変満足している一台であるが、いかんせん女性用を前面に出している車なのでちょっと引いてしまう所もある。

で、最近知り合いがHondaビートを購入した。たしか、ビートは発売から15年位、生産終了からでも既に10年位経過している。しかし、現物を見せてもらうとフロントに小さなえくぼがあるくらいで、非常に程度の良い(幌も雨漏りなし)車であった。
間近で見た瞬間に"欲しい"と思ってしまった。
何よりも、マニュアルミッションなので、車を走らせている、オートマでは味わえない感触がいい。
しかし、少し天邪鬼なところが出て、同じ車を狙うのはちょっと抵抗があり、ならばと、選択したのが、これ。



スズキのカプチーノ。
年式さえ慎重に選べば、アルミブロックのエンジン。ビートにはないターボエンジン(馬力は自主規制の関係で同じ64PSだけど・・・)、4輪独立ダブルウィッシュボーンのサスペンション、しかも社外製品が豊富、とメカ好きがみるとけっこうイケテル車である。デザインに関してはビートに一歩譲る(個人的な感想)が、ビートにはないハードトップになることから、雨漏りもあまり心配しなくても良い。オープンで出発して、急な雨でもトランクに入れておける幌で急場はしのげる自由度の高さは非常にありがたい。
因みに、同時期に発売されていたAZ-1(ビート、カプチーノと共に平成ABCトリオと呼ばれている)は、スズキからもキャラという名前でOEM販売されていたこともある。このあたりはスズキの戦略が見えてこない。

値段は、ピンきりであるが、程度の良い後期型はいまだに100万円を超えている。
しかし、ちょっと妥協すれば50~60万円程度で入手可能であるようだ。
問題は、ヨメさんがこの手の車(オープン・2シータースポーツ)が大嫌いであることと、平八郎の身長が180cmなので頭上の隙間が殆どないことだろうか。
車内の狭さは我慢するとして(できるか?)、ヨメさんの説得が非常に困難であることが予想される。

でも、ちょっとわくわくする車である。

最近のニュースで思うこと

2006-06-20 00:39:51 | メカ
このブログのカテゴリにはあるが、なかなか出番の無い"メカ"ネタを久しぶりに。

最近何かとお騒がせな、シンドラー社のエレベータ事故だが、この一件(無くなった若者には冥福を祈ります)は日本の社会が如何に不安定な状態であるかを明らかにしてくれた。

まず、気になる新聞報道が二点ほど。
①保守点検に必要なサービスマニュアルなどが公開されないこと
②公開されていないのに、保守点検をしようとする業者がいること

どちらも、かなり問題で、利用者と言うか、人の生命の安全などは二の次で、ビジネス(というか、金儲け)優先ということが根本にある。要は、メーカと独立系保守管理会社という立場が異なるだけで、まさに異口同音である。

そもそも、機械を扱うのに最低限必要なサービスマニュアルが少なくともクライアントに手渡されていないことがかなり問題である。メーカ側の言い分は、おそらくメーカ系の保守点検会社以外はサポート対象外となりますということだろう。これに関しては、ある意味正論であり、勝手に部品をいじくられて、故障や事故が起きても責任は取れないという最近流行りの自己責任論になる。しかし、それでもいろいろと文句を言ってくる顧客がいるので、ならばマニュアル自体を非公開にしておけば、まだましである。このロジックは利用者から見ると変に見えるかもしれないが、メーカとしては正論っぽい。平八郎もなんとなくそう思う。特に、安全に関しては、専門知識のある人間がきちんとしたマニュアル通りにメンテナンスすることが最も確実で、自転車にも似たようなことが言える。
しかし、これをいいように利用して、保守点検業務(長年継続すればこちらの方がうまみが多い)を独占しようとする魂胆が透けて見える。

では、メーカ系でない点検会社はどうやって点検しているのかと言うと、所謂ヘッドハンティングである。つまり、メーカ系の点検会社から人材を引き抜き、経験と知識を自社に展開する所謂口伝で業務を行っているようだ。これに関しても、経験者が教えるのだからあまり問題はなさそうだが、引き抜いた人材がその機械の特性を全て把握しているかにかかってくる。
特に、エレベータのように制御盤が各種センサー・スイッチからの情報を元に、昇降用のモータとドア開閉を制御しているのだから、ソフトウェアと言ってもパソコンのプログラムのようなものではない。所謂組み込みのプログラムだから、なかなか素人では手におえないところもある。だいたい、専門のソフトを通して自己診断や点検業務を行っているのではないかと思う。いや、もっとシンプルに、制御版に自己診断モードが隠されており(こういうものはだいたい何かのスイッチを何回か押して次に何かを押すと言うファミコンで懐かしい隠れキャラを出す技に近い)、結果はLEDの2桁くらいの数字でしか分からないかもしれない。つまり、分かる人にしか分からないものである。そんなものを全て把握している人間がいるのか?まぁ、マニュアルごとヘッドハンティングしてしまえば問題ないのだろうが・・・。

しかし、今回の事故があったエレベータを保守管理してている会社は、点検中に異常と思われるところがあっても、どう調整していいかわからず、恐くてさわれなかったと言うことだが、ならば、入札に参加するなよ、と突っ込みを入れたい。

今の日本は人の犠牲がないと、こういう問題が表面化しない社会になっている。これは問題ではないのかな?

因みに、平八郎の会社で扱っている製品はどの部分をどういう風にいじればいいのかまで、懇切丁寧にかかれているものすごく分厚いマニュアルが何冊も(実際にこれを読めと言われるとかなり鬱になる)付いてくるようだ。
ご丁寧に、競合他社にも流れる様になっているらしい。それはそれで困ったものであるが。

当たり前だけど

2006-02-26 01:19:26 | メカ
昨日、R500のハンドルバー・ステムそして、ヘッドパーツ周りをばらしてみて改めて思ったのだが、自転車はかなり精密部品が使われている。
特に、回転部分の部品に多用されている。当たり前の事だが・・・。

使われている精密機器はまずベアリング類が筆頭だろう。
実はこのベアリングというものは、機能(用途)と強度で実に種類が豊富である。代表的なものはボールベアリングである。これは、ヘッドパーツ、ホィールのハブそして、BBに使われているようだ(BBはニードルベアリングも併用しているように見えるが、分解していないのでなんともいえない)。
特に、自転車で使われているベアリングは殆どがアンギュラベアリング(カップアンドコーンといっているのはこのことか?)に分類されると思われる。つまり、ボールの接触部に角度を持たせる構造のものである。これはラジアル(回転)方向はもちろん、スラスト(軸)方向のがたも許容しない。そうして、高いラジアルとスラスト方向の合成を持たせることができる。しかし、万一がたがあれば偏荷重となり各部にダメージを受けることになる。このベアリングの玉あたりを調整するのは、中のボールに偏荷重がかかり、ダメージを受けることを避ける為であると思う。

こうしてみると、やはり機械屋さんとしては自転車という物は興味深いものである。
平八郎はあまりベアリングには詳しくないのだが、一度しっかりと調べてみたい分野のものではある。

そういえば、ベアリングはペダルにも使っていたなぁ。あれは分解できるのだろうか。

久々のプリウスの話

2005-11-24 23:59:41 | メカ
以前、少しだけプリウスの話をしたが、今日も少し考察。

プリウスとはもちろんHitachのパーソナルコンピュータ・・・ではなく、トヨタ自動車のハイブリッドカーのことである。
うちのヨメさんがよく誤解しているのだが、ハイブリッドカーは別にエンジンを積んでいないとか、排気ガスを出さないとか、そういうものではない。当然のように内燃機関たるガソリンエンジンを搭載している、もちろん排気ガスも出す。ただ、通常われわれが運転している自動車と、つまり:エンジン→クラッチ(オートマの場合はトルコン)→減速機(所謂、変速機)→FFならば駆動輪、FRならばドライブシャフト、デフギアを介して駆動輪:のエネルギの流れが根本的に異なる。おそらく、これから不定期でいろいろ薀蓄を語るかもしれないが、あまり自信の無いところもあるので、もし間違えていたらご指摘を・・。

まず、プリウスはエンジンからして異なる。
最新型はどうか分からないが、初代はアトキンソンサイクルエンジンというものを積んでいる。別にエンジンの中で小さなアトキンソン君が自転車に乗っていてその動力を使っているわけではない(なんというつまらない例えか・・・)。

通常4サイクルエンジンはシリンダの上死点から吸気バルブが開き、ガソリンとの混合気を吸気し、下死点に至った時、吸気バルブが閉じてシリンダ内は密閉される。
この後、シリンダは上死点に向かって混合気を圧縮し、上死点でスパークプラグが点火し、混合気は爆発する。そして爆発のエネルギはシリンダを下死点まで押し下げる。その後、排気バルブが開き、再び上死点に向かってシリンダが動くと共に、燃焼後のガスが外に排気される。
この程度の知識ならば、少しメカが好きな男子ならばよく知っているはずである。
何が問題なのかと言われると、意外と熱効率が悪いのだ。
専門的な知識は乏しいが、上記の、吸気→圧縮→爆発→排気、の4サイクルのうち、1回しかエネルギを取り出せていないのである。つまり、1つのエンジンに4本のシリンダがある4気筒エンジンの場合、常に爆発しているシリンダは1本のみ。しかも、その1本の爆発エネルギ(クランクシャフトの慣性エネルギもあるのはあるが・・・)で残りのシリンダを動かさなくてはならない。しかも、1つは密閉したシリンダの圧縮工程である。つまり、針の先を詰まらせた注射器を押すようなもので、結構なパワーが必要なのである。もちろん、吸気・排気にもパワーが必要なので爆発のエネルギ(出力といったほうが正解なのかもしれないが、わかりやすくエネルギを使っている)のうち、かなりの部分が他のシリンダを動かすエネルギに費やされているのである。われわれはそのあまりをエンジン出力と称しているのである。

アトキンソンサイクルエンジンとは、この4サイクルエンジンのうち、吸気工程が長い物を言うはずである。つまり、前述の吸気工程で、シリンダが下死点に達したときに吸気バルブが閉じ、混合ガスが気密される。ここから圧縮する分に関しては必ずある程度のエネルギが必要となる。アトキンソンサイクルエンジンはシリンダが下死点に達した後もしばらく吸気バルブが開いている。つまり、一度すった混合気を少し元に戻しているのである。一見効率が悪いように見えるが、圧縮の為のエネルギは小さくなるはずである。これを利用して全体の損失を抑え、熱効率を良くしているのである。

では、熱効率が良いならばなぜ、今走っている自動車はすべてアトキンソンサイクルにならないのだろう?

ここいらへんから、考察に入り、現実とは異なる部分があるかもしれない。
それは、おそらく燃費が悪いからであると思う。熱効率が良いのに燃費が悪いとは?
と思うが、これは使い勝手が悪いと言うことから来ると考える。
このアトキンソンサイクル、実はエンジン馬力が低いのである。いや、馬力が出る回転数域が狭いようなのである。
今の平八郎の家の自動車は軽四である。とても貧弱なエンジンで、ヨメさんなんかは常にアクセルを踏み込んでいる。だから、意外と燃費はリッターカーとさほど変わらない。
つまり、効率の悪い運転をしているからである。しかし、平八郎は加速時など特にゆっくりアクセルを踏む。すると燃費はびっくりする程向上する。17~8km/Lit位の時がある。その分、加速性能は酷いものであるが。
同じ事がアトキンソンサイクルでも言えるのではないだろうか。


そこで、トヨタの技術者はアトキンソンサイクルエンジンの使い勝手のよさを向上させるためにプリウスを開発したのではなかろうかと考えている。
つまり、ハイブリッドカーはもともとハイブリッドカーを作りたくて作ったのではなく、アトキンソンサイクルエンジンを実用化させるためにハイブリッドシステムを考えたのではないかと思う。または、ハイブリッドシステムに最適なエンジンがアトキンソンサイクルエンジンだったのかもしれないが。

この続きは別の機会に。

一度プリウスを開発した技術者とゆっくりと話をしてみたいものだ。
残念ながら、知り合いはいない・・・。