りんが飛んだ日

りんが空を飛びました。

あれはある晴れた昼下がりの出来事。

ブランコに乗りたいと言ったりん。

私にブランコを押してとせがんだりん。

「りんはもうおねぇちゃんだから！高くしても怖くないよ！」
と言ったりん。

その言葉を信じて、少しずつブランコを押す腕に力を込めていく私。

すべてはゆっくりとして、それでいて一瞬の出来事。

ブランコの振れ幅が最高潮に達したその瞬間、何故かりんの手はブランコから離れていました。

あ、あ、やばい、やばい…

そう思ってはみたものの、ただなすすべもなく見つめる私。

その視線の先で、りんは文字通りスローモーションで空中に弧を描き、
更にゆっくりと後ろへ反り返って後宙までやってのけると、
そのままドサッという鈍い音と共に芝生へ腹で着地しました。

一瞬の心配の後、泣き出したりんを見て無事を確認すると、
脳裏に焼きついたりんの空飛ぶ姿がおかしくておかしくて…。

馬鹿ウケました。

りんは泣いているので必死で笑いをこらえたけど、そんなことは無駄な抵抗で。
仕方がないのでりんを抱きしめて、笑っているのを悟られないように慰めました。
怖い思いをしたのに母親に爆笑されて、傷ついちゃったらいけないしね。

それにしても、あのりんの空飛ぶ姿…。
録画できなかったことが悔やまれる。

ほんと、馬鹿ウケ。

そんなこんなで、子育ては今日も楽しいです。
こんな母親に育てられて、思春期にりんがグレたりしないといいけどね



　　　　　　　　　　　　　　　　<--たっちゃんとビーチにて-->