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職業駐在員のぼやき日記

日本を出て20数年、西回り世界一周の職業駐在員です。ヨーロッパ、アメリカ、アジア各国での経験談を語ります。

各国昼休み事情

2010年10月25日 | 日記

お昼ご飯と昼休みの過ごし方についても、そのお国柄がある。

オランダでは、大概が家から弁当をもってくる。その中身は、焼いていない薄切りの食パンに、チーズかハムを挟んだもの。それにリンゴか梨。牛乳は会社に配達してもらった1リットルの紙パック。
酪農国だけあって、とにかく牛乳はよく飲む。 チーズもよく食べる。しかし、チーズとハムを一緒に挟むことはない。薄いチーズを挟むか薄いハムを挟むのかのどちらかである。どちらも薄く切る。けちなのである。

オランダ人は男女ともにその背丈は欧州一である。低地に住む人たちなので、山が恋しくて背伸びしている内に大きくなったという説もあるが、ほんとのところは、乳牛に与える干し草の中に成長を促すホルモンを加えており、その牛乳を飲むので影響を受けているということらしい。その証拠には一昔前のオランダ人は、それほど大きな人々ではなかった。

その大きな人たちが、上記のごとくの昼食である。かと言って、イギリス人のように豪華な、(日本人にとってはごく普通であるが)の朝食を摂るわけではない。朝ご飯もコーヒーに食パンだけである。火を使った料理をするのは夜だけである。しかも一皿料理である。肉じゃがに天ぷら、大根の煮付けに味噌汁なんてことは絶対にない。一皿である。

オランダ人は、焼かない薄切りの食パン(厚いことはない)を食す時、手でちぎったりはしない。ちゃんとお皿に載せてナイフとフォークで食べる。薄切りの食パンもちゃんとしたごちそうなのである。

オランダ人の昼食を見て、「毎日同じでよく飽きないね」と言ったところ、「昨日はリンゴで、今日は梨。チーズとハムも日を変えるから飽きないよ」との返事。

余談だが、日本へ出張が決まったオランダ人に、いつものパンとコーヒーぐらいの朝食ならば、ホテルよりも外の方が安くておいしいところがあると教えたところ、「朝飯は一日の活力源だからしっかり食べる」と宣う。ほんとは、いつもちゃんとしたものを食べたいのだけど、家では食べさせてもらえないということらしい。
会社の金ならしっかり食べたい。質素いや、けちなのである。

昼休みは一時間取ってあるが、社員の希望は30分で良いとのこと。パンをかじりながら仕事して、その分、早く家に帰りたいという。昼休みに仲間とボールで遊んだり、将棋をしたり、昼寝するなんてことは絶対にしない。早く家に帰って家族とくつろぎたいのである。自由とリラックスが信条の彼らにとっては、昼休みを無駄に過ごして会社にいる時間が長くなることは耐えられないことらしい。

中国では、いや、広州ではと言うほうが正確かもしれない。中国は広いので食習慣から何から地方によって大分違うので、ステレオタイプに中国ではというのは適当ではないようだ。あらためて広州では、弁当持参が多い。
特別に弁当をつくるのではなく、昨夜の残り物、あるいは多めに作って弁当に振り分けるのである。二日連続して同じ物を食べたら飽きるなどと贅沢なことは言わない。かくいう私も、週末はたいてい自炊するので、月曜日は弁当持参である。工場の廃油から作った油を使われたり、髪の毛から作った醤油を使うという食毒の心配もなく一番安心して食べられるからである。

社員の弁当を覗くと、やたらに米の飯が多く、おかずは少ない。我が社の給料が安すぎるのか。そうでもあるまい。昨今、食べることよりも、車やマンションのために金を貯めているのであろう。何しろ世界第二のGDPを誇る国である。日本製品を中心に買いたい物はたくさんあるに違いない。

食べたら寝る。これはもう幼稚園の習慣をそのまま会社にまで引きずっている。大学にも昼寝の時間があるらしく、生理学的にはよいことで、午後の仕事の効率アップにもなる。
しかし、始業のベルがなっても机にうつぶせのままで、起こすと頬のあたりに寝皺がついたまま仕事をする小姐の顔はいくら美人顔でもいただけない。

会社によっては、折りたたみの簡易ベットを広げて寝ている者までいる。

欧州にもどると、スペインでも寝る。特に南のアンダルシア地方では昼休みも長く、皆家に帰って家族一緒に食事を取って寝るという。我が家は子作りタイムだよと言う者もいたが、それにはちょっと短いような気がしないでもない。

洋の東西を問わず、暑い国の人たちに昼寝は必要なことなのだろう。

しかし、タイは南国でありながら昼寝をしない。タイは一回の食事量が少なく、二時間おきくらいにおやつを食べるので、あまり腹がくちくなく、昼寝の必要がないのかも知れない。昼飯はほとんどが屋台で買った麺か飯であり、家から弁当はもってこない。(タイの中級アパートにはキッチンがないのもあたりまえ。私のアパートにもキッチンはない。3食とも屋台で食べる。したがって、弁当は作れない。)

このように昼飯と言っても、世界様々である。

オランダのことを揶揄することが多い小生であるが、本心からではない。ほんとはオランダが好きなのである。
日・蘭間には領土問題もないし、中国よりは何倍も好きなのである、