比較的新しめの本は、ブックオフや古本市場で、スイスイ見つかって。
でもね、やがて、
パタッ……と「収穫0」の日が訪れるようになったんです。
ブックオフとかは、巡っていると、傾向が分かって来るんですね。
基本、売れ筋の今野敏、東野圭吾、伊坂幸太郎、宮部みゆき。
時代小説では、
佐伯泰英、鈴木英治、上田秀人……など
売れて回転のいい作品を大量に並べる分、それ以外の作品の展示は少ない。
ベストセラーや、直木賞などを受賞したメジャー作品中心。
北上さんは、
「そういう作品は、自分が推さなくても売れる。
自分は、そうではない作品に光を当てる」
……という信条をお持ちだったと、何度か著書で読みました。
だからこそ、メジャー級でない作品は見つからなくなってくるわけです。
そんな時!
頼りになるのが、「ブックセンターいとう」!!
同じ新古書系ですが、
「いとう」は、70~90年代、00年代の古め作品もかなりあるんです!
もちろん50音順だから、探しやすい!
ブックセンターいとうの存在を知ったのは、恥ずかしながら
去年2022年。
夏前だったか。
やはり、ちょい古めの西村寿行とかを探していて、
文庫が大量にある新古書店系はないかなー、とネットを巡っていて、
見つけました。
東中野店へ初めて行った時は、巨大さに魂消たなぁ。
立川駅からモノレールに乗りかえて、大塚・帝京大学で降りてから
しばらく、地味にキツい上り坂をトボトボ。
右手には緑の山。
神社もあって、お参りもしちゃいました。
「こんな所に、古本屋なんてあるの?」
と疑問に思い始めた時、忽然と聳える巨大な『本』の看板!
「うおっ!」
と声が出ましたね。マジで。
そして、中に入って目がキラーン。
2階の文庫コーナーのデカさと言ったら!!
仙台の萬葉堂書店クラス!?
岡山の万歩書店ほどではないかもしれませんが…
(以前、泊りがけで行きました。一日いられました。
翌日は津山店などを巡りましたが、今は、その津山店なども無くなったそうで…
寂しい限り。また行かねば)
何より、2階で真っ先に目についたのは、
ずっと探していたファンタジーシリーズ
「ノーチラス号の冒険」が、ズラッと揃っていたこと!
慌ててカゴを取ってきて大切にゴソッと入れたっけ……
そして、文庫コーナーを見て、さらにシビレた~。
懐かしめの作家が、まあ、あるわあるわ!
片岡義男、勝目梓、志茂田景樹、高橋泰邦、落合信彦、大藪春彦、西村寿行、
門田泰明、南里征典、山村美紗、和久峻三……
嬉しかったなぁ。
ああ、あの頃の作品がまた好きなだけ読める、と。
まさか、1年後、この店が無くなるなんて、思いもしませんでした……
※東中野店は、今年8月31日に閉店してしまいました…
■北上さん解説“ちょい古め作品”の宝庫!
そんな経験もあったので、今回、ブックオフなどで手詰まりになってきた時、
北上さん解説作品の「ちょっと古め系」は
「ブックセンターいとうへ!」
となったわけです。
※その後、元八王子店(23年10/22で閉店! もったいなさすぎる)
立川西砂店、日野店も巡りましたが、規模ではこここがナンバー1!!
そしたら、まあ、見つかること、見つかること!
赤川次郎「ビッグボートα 上下」光文社文庫
「三毛猫ホームズの追跡」光文社文庫
「結婚案内ミステリー風」角川文庫
戸川昌子「夢魔」徳間文庫
勝目梓「処刑のライセンス」光文社文庫(旧版)
藤水名子「涼州賦」集英社文庫
高島俊男「お言葉ですが…」文春文庫
~と一気にGET!
正直、ブックオフなどでは、まず、これだけまとめて古めの文庫作品が
手に入ることは無かったです。
そもそもカバーにバーコード付いてない時代の作品ばかりで、
買い取りしてくれないでしょう?
となれば、誰も売りに行かないから、店に並ばない…
ホント、ブックセンターいとうさんにはお世話になりました。
いや、今もなってます。
これからも、頑張って頂きたい!
そんな、僕の思い出の東中野店は、8月31日で閉店。
北上さん作品の探し漏らしは無いか?
閉店前に行って、そして見つけた話はまた後日。
■思い出話、追加。
実は、ブックセンターいとうは、国分寺店も今年4月で閉店。
こちらは、7~8年前、
ブックセンターいとうのチェーンとは知らず、
国分寺で古書店を巡っている時、立ち寄ってました。
かなり急な坂の下。
膝が高笑いしそうなくらい。
そこに入って、古め文庫の充実度に驚き、
赤城毅「帝都少年探偵団」シリーズがズラ――っと揃っているのを見て
まとめ買い!
帰りの上り坂がつらかったのを、鮮明に覚えてます(笑)
■ちなみに、こちらも23年4月の閉店セール中にお邪魔し、
北上さん解説作品の藤本義一「標的野郎」とか、
椎名誠さんの作品を買いました。
また、群ようこさんの作品が圧巻の品揃えだったので
「あれ、群ようこさんって、確か『本の雑誌』にいた方では?」
と思い、ふと手に取ったのが、
文春文庫「別人群ようこのできるまで」。
パラパラとめくってみたら、
『本の雑誌』時代の思い出や、目黒さんが名付け親だったことなどが
書かれてるじゃありませんか!
これも嬉しい発見でしたねー。
そんなブックセンターいとう国分寺店も……もう、ありません。
東中野店も………ありません。
元八王子店も……10月22日で幕を下ろします。
貴重な店は、無くなってから気づきます。
たくさんの本が並んでいる棚を見て、そこから、予想外な何かを発見するのも
読書なんですよね。
これをお読みになって奇特な方。
きっと本が好きな方だと思います。
まだある内に、ブックセンターいとうで、北上さんの推す解説作品、
探してみませんか?
ぜひ。
まだ、お店がある内に………
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