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同人作家・はさみのなかまが、これまで読んだ本のなかでも、とくに面白かった! とおもった本を随時ご紹介させていただきます。

読書はアウトプットが99% 藤井孝一(知的生き方文庫/三笠書房)

2017-07-26 09:07:45 | 読書論
タイトルそのままズバリ!
読書はアウトプットが重要だ、と実感させてくれた本です。
本を読む(インプット)だけではなく、書く・話す・内容を実践する(アウトプット)。
そうすることで、本の内容は、真に血肉になります。

では、具体的になにをどう書き・話し・実践するか?
そのアイデアやヒント満載の本です。
当ブログを開設するきっかけになった本でもあります。

そも、ほかの著者による自己啓発本にも書かれておりましたが、「人は忘れるもの」です。
だから、忘れるのをを防ぐため、これぞとおもったことは、人に話したり、感想を書き留めてブログなどで発表したり、本の内容を実践したりすることが有効です。

これはTVの受け売りなのですが、ネタは三人の人間に話すと、自分のほんとうの知識として身につくものだそうです。
おそらく、三人にそれぞれどう面白さを伝えていくか、脳をフル稼働させて「要約」し、「トーク力」を発揮して工夫していくなかで、知識がガッチリ頭に入る、ということなのでしょう。

では、本書の内容は、というと。
知識は溜めない、
循環させる、
知識の出し惜しみをしない、
人の役に立たせる。
たとえば、「こんないいネタ、教えちゃうのはモッタイナイ!」とおもって抱え込まないようにする。
情けは人のためならず、いいかえれば、アウトプットは人のためならず、です。
知識を循環させていくと、やがて自分にもいい具合にもどってくるもの。
世の中には、こんな面白い話があるんだよと伝えていくことで、人を喜ばしつつ、自分を磨いていくわけです。
読書のアウトプットは、世の中の役に立つものなのです。
(ただ、創作のネタや、ビジネスのとっておきアイデアを披露しすぎるのは、ちょっと待った。
果たして、だれかにアイデアをとられても大丈夫なネタなのか? 
そのあたりの加減は、自分で慎重に考えたほうがいいと、ブログ主はかんがえます)

本は読者を鍛えてくれます。
本を読むと、物事の全体を俯瞰する力が身につくと、著者はいいます。
発想が豊かになり、自分がいましている仕事に、どんな意味があるかわかるようになる。
そうすれば、仕事や家事のストレスも軽減されていく。
非常に肯定的な読書論が展開されていきます。

また、どうやって本を読めばいいかのノウハウもあり。
ムリをしないで読み、合わないなと思った本は、読むのを途中でやめても良い。
斜め読みでも、本の内容の要点がつかめればOKと著者は書きます。
ただし、文芸書は精読をおすすめ。

本の選び方に関してもコツを教えてくれます。
著者のプロフィールは信用できるか?
本の内容は使えるか?
まえがきと自分のフィーリングが合うか?
などなど。
これらが合致すれば、まず間違いなく楽しい読書ができるはず。

ここで注意書きをば。
この本は、文芸書以外の本の読み方を教えてくれる本です。
文芸書(小説や詩など)に「役に立つか、立たないか」の観点はいらないものです。
文芸は、日常を少し変えてくれたり、あるいは肯定したりしてくれる分野で、実践的な知識が手に入るものは少ないです。
そもそも、「実践的な知識」はすぐに古びるものなので、このあたり、どう本から学んでいくかも、各自の力にゆだねられるとおもいます。
その判断力、嗅覚も、本を読みこなしていけば、身につくもの。
で、読書のたいせつさをあらためて確認するためにも、本書はおすすめなのです。

書評のコツも書いてありましたが、これは実際に、この本を読んで、みなさま、お役立てくださいませ。

さいごに。
「かっこいい書棚をつくろう」という提案が提示されています。
歴史好きのブログ主の本棚は、歴史書で埋まっております。
ふふん、けっこういい感じだよ、などと己惚れておりましたが、よーくよく本棚をながめていて、気づきました。
以下、わが本棚で、もっとも幅を利かせている歴史上の人物たち。
〇 諸葛孔明
〇 ジャンヌ・ダルク
〇 メアリ・スチュアート
〇 マリー・アントワネット
……やばい。
みごとに全員、悲劇の人だ!
やっぱり、本からの影響力って強いとおもうので、人生の成功者(この場合、安らかに終わりを迎えられた人)の本も集めようとおもいました。


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