わくわく!バンジージャンプするっ!

好きなものや気になることについていろいろ語ってみようと思います。

しろいろの街の、その骨の体温の

2014-09-30 18:37:37 | 読書録
以前は児玉清さんのブックレビューに
心を踊らせたものですが、
最近は「王様のブランチ」の読書コーナーに頼りっぱなしです。

先日の
作家対談企画は面白かったです。

朝井リョウ
西加奈子
川上未映子
中村文則
和田竜

当代の売れっ子作家が
話す話す。
それぞれのキャラ立ちも
絶妙なバランスで
何とも贅沢な対談でした。

そんな中
皆さんのお勧め本は?
との質問に

朝井さん、西さん、川上さんが
挙って上げたのが
この本

しろいろの街の、その骨の体温の

著:村田沙耶香

特に西さんの
「この本に出会えていたら中学時代生きやすかっただろうと思う」
という感想を聞き、
一体何が書かれているのか
興味が湧いたので
読んでみました。

これがこれが。

一体どうしたらいいんだ
この何ともいたたまれない感じはっ!

主人公は小学校4年生の女の子。

まっしろな開発途中の
ニュータウンを舞台に

小学生時代の

学校での人間関係
友人との関わり
性への好奇心
制御不能の溢れ出る感情を持て余し
爆発する様子

そして中学生になって
少し成長してからの「それら」を

成長し続ける街と
成長途中の主人公たちと
遠くに延びるであろう道路と
延びるであろうそれぞれの未来と

巧く照らし合わせながら
瑞々しい表現で綴った作品です。

瑞々しい分、
彼女の持て余した感情を
大切なものに無理やりぶつける様は
痛々しく
生々しく
血だらけというか
傷だらけというか
何ともいたたまれず。
まさに
成長痛?
な感じです。

あまりに我が人生
この時代から時間が経過してしまい
自分に都合のよい
綺麗な過去しか記憶に
残ってないので
主人公にはうっすらとしか
共感は出来なかったのですが。

彼らの母の気持ちになり
更にいたたまれず。
こんな身を削る思いを
毎日してるのか?
本当に。
そして
主人公の彼女の
やり場のない激情を
一手に身体を張って
引き受けることになる
少年、伊吹君に
君のお母さんはどんな人なの?
と聞いてみたい。

こんな子に育てたいと
思うような
心配過ぎて
思わないような。

とりあえず
我が家は高校まで卒業していて
正直ホッとした感あり。

停滞していた街の開発が
改めて進み出すのと同じ頃
彼女も
激しい痛みを経て
一皮向けるというか
何かを「突き破り」
自分の熱情をコントロールする術を
身につけ
空気ではなく
人の体温を感じられるようになる姿は
真っ暗なトンネルを抜けた感が
あり、希望が持てる結末となっています。

読んでいない方には
ピンと来ないと思いますが
これ、すぐ読めますから
是非お勧めです。






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