木曜日の夜、渋谷にあるトルコ料理店「ヒラル」に行ってまいりました。ハラール・フード(イスラーム教徒が食べられる食べ物)を供しているとのことでしたので、知り合いのイスラーム教徒氏と御飯を食べに行ってきたのです。店名の「ヒラル」とは勿論、アラビア語の「ヒラール هلال」、ヒジュラ暦での毎月1日(の前夜)に上る細い月のことです。
しかし、月の形状の名称の和訳には、常日頃、ストレスを感じています。例えばこのヒラールも「新月」とか「三日月」とか訳されていますが、私が小学生のとき、文部省(当時)検定済みの理科の教科書で習ったのは、
1) 新月=月が太陽と同じ方向にあって、光らない状態。
2) 三日月=新月から3日目の月。
ということでした。ヒラールは、1日目の月ですから、上記の定義から行くと、新月の次の日のはずです。三日月に対する、*一日月なんて言葉があれば良いのですが、ありませんので、仕方なく、誤差1日の「新月」を私は使っております。まあ、新しい月には違いないか、と、自分で自分を慰めながら。
ところで、「バドル بدر」も「満月」と訳されますが、日本語で満月と言ったら、十五夜お月さま。しかし、アラビア語のバドルは十四夜のお月さまなのです。
ここまで書いて、The Moon Age Calendar を見てみましたところ、
02月09日07時28分=○新月
02月24日13時54分=●満月
とのこと。朝の7時半くらいに新月ならば、その晩には、月の端がほっそりと輝くことでしょう。というわけで、翌10日はヒジュラ暦1426年の元日となりましょう。
その日から14番目の夜とすると、23日の日没。満月になるのは翌24日の真っ昼間ですから、その日の日没頃に顔を出す月は、やや十六夜に近付いているはず。逆に、24日の未明まで空に輝く月は、十五夜にずいぶん近付くはず。というわけで、十四夜目の月を「満月」扱いするのも、間違いとは言い難いと思います。誤差の範囲内でしょう。
ここで東京天文台の、月の画像の頁に、「満月(月齢14.0)」とあるのを発見。満月はやっぱり十四夜が正しいのでしょうか???
また、「月」の頁に、日本語での月の呼称が載っていました。それによれば、新月の次がもう二日月です。新月(姿は見えない)が太陰暦の一日とされています。つまり、*一日月なんて名詞が存在しないということ。
結局、バドルは満月で良いとして(日本人が「十五」夜を連想してしまうのを諦めるならば)、ヒラールは新月か否か…。少なくとも、三日月とは訳したくない気持ちに、変わりはありません。
しかし、月の形状の名称の和訳には、常日頃、ストレスを感じています。例えばこのヒラールも「新月」とか「三日月」とか訳されていますが、私が小学生のとき、文部省(当時)検定済みの理科の教科書で習ったのは、
1) 新月=月が太陽と同じ方向にあって、光らない状態。
2) 三日月=新月から3日目の月。
ということでした。ヒラールは、1日目の月ですから、上記の定義から行くと、新月の次の日のはずです。三日月に対する、*一日月なんて言葉があれば良いのですが、ありませんので、仕方なく、誤差1日の「新月」を私は使っております。まあ、新しい月には違いないか、と、自分で自分を慰めながら。
ところで、「バドル بدر」も「満月」と訳されますが、日本語で満月と言ったら、十五夜お月さま。しかし、アラビア語のバドルは十四夜のお月さまなのです。
ここまで書いて、The Moon Age Calendar を見てみましたところ、
02月09日07時28分=○新月
02月24日13時54分=●満月
とのこと。朝の7時半くらいに新月ならば、その晩には、月の端がほっそりと輝くことでしょう。というわけで、翌10日はヒジュラ暦1426年の元日となりましょう。
その日から14番目の夜とすると、23日の日没。満月になるのは翌24日の真っ昼間ですから、その日の日没頃に顔を出す月は、やや十六夜に近付いているはず。逆に、24日の未明まで空に輝く月は、十五夜にずいぶん近付くはず。というわけで、十四夜目の月を「満月」扱いするのも、間違いとは言い難いと思います。誤差の範囲内でしょう。
ここで東京天文台の、月の画像の頁に、「満月(月齢14.0)」とあるのを発見。満月はやっぱり十四夜が正しいのでしょうか???
また、「月」の頁に、日本語での月の呼称が載っていました。それによれば、新月の次がもう二日月です。新月(姿は見えない)が太陰暦の一日とされています。つまり、*一日月なんて名詞が存在しないということ。
結局、バドルは満月で良いとして(日本人が「十五」夜を連想してしまうのを諦めるならば)、ヒラールは新月か否か…。少なくとも、三日月とは訳したくない気持ちに、変わりはありません。
赤新月社のマークは新月ないし三日月などではなく、二十六夜か二十七夜の月ではないかと。
(1)一~七夜
(2)二十六夜~月末
と出ていました。
赤新月社のマークは(2)の用法でしょうか。
私は、例えばラマダーンのときなど、「ヒラールが見えたら断食明け」と思っておりましたので、てっきり、ヒラールというのは、1日目の細い月のことなのだとばかり思っていました。月末などもアリなのですか。
ヒラールって、かなり指示対象が広いのですね。
ちなみに、ラ・ルースから出た辞書はアルワシートの孫引きのような感じですし、アルワシートの辞書、各方面の専門家が参画してできたようでもないようで、アラブ世界でも天文学(者)と言語学(者)・辞書編纂(者)との間に、ギャップがありそうですが、この問題をどうかたづけるのでしょうね?
ところで、
>三日月=新月から3日目の月。
というとき、新月の日から起算して3日なのか、新月の翌日起算で3日なのか、どちらでしょうか?
アラビア語の辞書の表現も、どちら起算か不明で、まあ、科学者じゃないからどうでもいいんですが。
三日月も確かにいつから数えて三日目なのか。新月、二日月、三日月かなあと思いながらも、断言できる根拠を持っておりません。
ともあれ、「ヒラール」とぴったり一致する日本語の訳はないので、文脈で適切な訳を選ぶとか、括弧でも付けて注を入れるとか、工夫が必要ですね。