98円、980円、480円、1980円、39800円など。
100円や500円など「切りのいい値段」から、0以外の数字が現れる最も低い位の数が8となるようにいくらか引いた値段がとても多く、あたかもそうした値段でしか販売してはいけないという法制度でも存在するかのように一般的となっている。
すると、引く前の元値は皆、切りがよかったことになる。100円、500円、1000円、2000円、40000円など。
これはおかしい。元値は原価に利益を足したもの。原価は普通、切りがわるい。ジャガイモもタマネギも、フライパンも炊飯器も、パジャマも布団も、原価に利益を足したら偶然にもちょうど100円や1000円や10000円になる商品ばかりだった、などということはありえない。
切りのわるい数値にどんな数値を足しても、切りのいい数値になる確率は低い。つまり、特定の数値になるように意図的に値段を吊り上げておきながら、「値引きして安くしてますよ。」と思わせるために今度は逆に引いて、切りのわるい値段に変えている。
例えば、元値が927円の商品を47円値下げして880円で売ったら利益が減り過ぎるから、53円値上げして980円にしている。
消費者のためを思うなら、3円値上げして930円で売るか、百歩譲っても23円値上げして950円だろう。本当に優良な値段とは、27円値下げして900円という「切りのいい値段」にすることだ。
つまり、98円とかいう値段は詐欺であり、搾取なのだ。