今日も平戸で庭ぐらし

登録文化財大曲家住宅
武家屋敷の庭 ギャラリー エル・ハルディン

今日も平戸で庭ぐらし 油屋吉之助さん

2010年07月11日 | 日記
油屋吉之助さんが亡くなられました。

油屋さんは、油屋元平戸市長の弟さんですが、
政治には全く関わらず、生涯植物の専門家としてたくさんの業績を残されました。

若いころは、「平戸つつじ」を体系化された熊澤三郎先生と共に、
「平戸つつじ」の銘花選抜に関わられましたので、
「平戸つつじ」には大変造詣の深い方でした。

その後、諫早の農業試験場に移られ、
園芸植物、農業植物の専門家として、
県内外で沢山の業績を残しておられます。

退職後は、樹木医として活躍されましたが、
晩年「長崎県美しいまちづくり」のアドバイザーになられ、
平戸に残る古い庭の保存維持について
技術面から沢山の御支援をいただきました。

諫早のお宅から平戸まで決して近くはない道のりでしたが、
アドバイザーとしてお出でになる時は、
平戸にお着きになるとすぐに、お茶を召し上がる間もなく実地講義が始まり、
お昼ごはんもそこそこに6時間もの時間、
惜しむことなく、ツツジや樹木の剪定のしかた、肥料のやり方など教えていただきました。
当時、80歳が間近という年齢でした。

平戸に残る古いバラに注目されたのも油屋さんでした。
「平戸には中国渡来と思われるバラが沢山あるようだから、調べてみたら?」と。
それが、いま調査を続けている平戸ミステリーローズの発端でした。

今、私たちが平戸で古い庭を守っていく上で
油屋さんの助言を基に、庭の手入れをしています。
それ以前は、見よう見まねで手入れをしていたものの、
きちんとした手入れの道筋が見えていませんでした。
それを示して下さったのが、油屋さんでした。

バラは、それまで全く気にも掛けていませんでしたが、
ご指摘いただいたことで、古い平戸の歴史に関わる植物にも思いを馳せるようになりました。

私などの努力では、到底お返しをすることが叶わぬほどの御恩をいただいたことにに感謝をし、
ご冥福をお祈りしたいと思います。

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1 コメント

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御礼 (油屋孝生)
2010-07-24 18:23:48
父の事を記載していただき、ありがとうございます。ざんねんながら私は父と同じ道を進んでいませんが、弟が父と同じ研究者として長崎ラベンダーなど県の農業発展に頑張っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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