紫苑館

等身大の私。独り言やつぶやき。

過去の恋人

2009-11-12 00:04:48 | 日常
私が娘さんだった頃、はじめて付き合った人。
ちょっと古いけど、冬ソナのチュンさんのように
少し影のある、幸せ薄い人だった。
夢中になったが、その恋は叶わなかった。
彼は、私と別れてすぐに結婚し、
私もまた別の人と結婚したが、結局、人生の大半をその人を
思って過ごした。

何十年も彼を思っていた私には、
愛の無い結婚は、苦痛であり相手にも
とても悪いことをしたように思っていた。

仮面夫婦、家庭内別居。

そして、彼との再会。でも、婚外恋愛は
苦痛を増すばかりで、長続きしなかった。

2回目のさよなら。二度と会う事も無い。
そう思った。

古い恋を捨てない限り、新しい恋はこない。

私はその後、幾度も恋をした。
今の時代恋人探しなど、ネットでいとも簡単にできる。
それは恋とはいえない、擬似恋愛的なものであっても。

そして、そんな恋に人生を翻弄され
体を壊し、心を壊した。

それでも、恋はした。

恋は、何だろう、自分が自分に戻れる唯一の瞬間だから。

そんな私に、元彼から届いたメール。
彼は、癌にかかっていた。
手術もできないし、抗がん剤も効かない。

もう別れて会う事も無いと思っていたのに
ただ、心が痛かった。

まだ50歳にもなっていないのに、死ぬかもしれないのだ。
「元気になったら、逢おうね。」
そう返信したものの、怖くてメールすら出来なかった。

この前、その彼からメールが来た。
癌は、転移しているが、放射線療法が効いたらしい。
良かった、そう思った。

人の人生は、いつどうなるかも分らない。

だからこそ、私は毎日を精一杯
明るく生きたいと思うのだ。

彼の回復を心より祈りながら。