と思っていたら、帰宅して風呂からあがった夫が仕事でやらかしたのに今頃気付いたらしく各所へ電話をかけて大慌て。激しく落ち込んでいた。
ということで私の失敗は大した事ないけど…と告白したら、息子も「俺もバイトでやらかした(笑)」と懺悔大会になった。傷を舐め合う家族だわ。
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『複眼人』は32%(110ページくらい)まで。少しずつしか読めないけど、哀しく繊細で美しい、ファンタジー寄りの物語だなあと感嘆する。
台湾で大学教授だったアリスと、一人で海に出た少数民族の少年アトレの物語。それぞれ別の場所で海と闘っていて、孤独で喪失感を抱えている。アリスを見守る居酒屋の女店主ハファイは、そういうつながりかたをするんだなあと驚き。
文章が、さいしょは誰が何のことを語っているのかはっきりしないんだけど、読んでいるうちにだんだん理解できていく書き方になっている。
映画だったら風景や部屋の様子から映ってだんだん人物に焦点があって行くようなイメージ。物語が渦を巻いて少しずつ中心に向かうかのような紡がれ方というか。
結論からぶちかますネット記事と違って、いかにも小説を読んでいるという感じがする。