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アニメ「氷菓」+小説「古典部」シリーズ

2012-10-03 00:28:31 | ほんとかてれびとか
やっとじっくり書ける。

いい歳をして?最近アニメにハマるようになった、という事は時々書いている。
夏クールでほぼリアルタイムで見ていたのは「TARITARI」と何故か「織田信奈の野望」だったりする。
その前は‥「ちはやふる」の後半と「夏色キセキ」か。
なんだか脈絡無いな(苦笑)

「氷菓」は、何となく気になっていたので、春から録画だけはしていたのだ。
(他にも録画だけしているアニメはあるが、多分見ずに消す物もあるだろう)
最初だけは見たのだが、なかなか時間が取れずにそのままになっていた。

秋口になってから本格的に見だしたが、これが実に面白かった。
あまり面白いので、米沢穂信氏の原作シリーズを先に読み切ってしまったくらいだ。

千反田えるの声を演ずるのが「けいおん!」の律ちゃんと同じ佐藤聡美さんというのには驚いた。
(そのあたりはまだ修行?が足らんのだろうが)

見ていたらかなり心に「ちくちく」と来る。
「やさしいだけじゃない、痛いだけじゃない」というキャッチフレーズがぴったりのストーリー。

個人的に好きなのは「手作りチョコレート事件」の話。
ちょっとこの話をメインに。ええ現実の自分には縁の無い話でしたともorz
最終話の「遠回りする雛」とかも良かったが。

ほぼ原作をトレースしているが、原作では奉太郎の一人称の立場からの描写メインになっていたのを、アニメは千反田さんの視点も少し入れた構成になっている。

(以下若干ネタバレあり)
奉太郎にはチョコレートを盗んだ犯人が誰か、最初に分かっていた。
問題はその場に千反田がいた事。
結局奉太郎は千反田に「犯人は天文部の女子生徒だ」と嘘をつき、この顛末にけりを付ける。
ここまでは原作通り。
まあ奉太郎の一人称で物語が進むのなら、こういう描き方になるだろう。
見えないところで「千反田と伊原も、女同士の話をしているのだろう」が、奉太郎には直接関係のない話。
ちょっとビターテイストだが、これはこれで「アリ」である。
ただこれだと、おそらく文脈を読む力が必要で、アニメとしては見るのが面倒というか重くなる。

アニメでは千反田さんの視点も一部入れて、ちょっと中和している。
これが良い改変になっている。
(見終わった後に「男が書くとあざとくなるな」と思ったが、案の定当該話の脚本は女性だった)

バレンタインデーの夕方に「真相」が伊原摩耶花から直接千反田さんに語られるのだ。
晩に奉太郎から「全て解決した」と連絡があったが、それを「嘘」と分かりながら受け入れる千反田さん。

それから。
「わたしの家では、本当に親しい人にはお歳暮やお中元をお贈りしない事になっている」→「さいですか」云々のくだり。
原作では「何だかうまくごまかされた」みたいな描写になっていてちょっと笑えた?のだが。
アニメではその前に摩耶花のチョコを見繕っているシーンで(台詞はうろ覚え)

摩耶花「そういえばちーちゃん、好きな人いるの?」
千反田「‥!」

の場面を入れた上で

千反田「わたしの家では、本当に親しい人にはお歳暮やお中元をお贈りしない事になっているん‥ですが‥」
奉太郎「‥」

となっている。
いいなあ、この改変。
思わずニヤニヤしながら‥壁をドツキたくなるが、すぐそばは壁で無くガラスサッシだ。止めておく。(笑)
なるほど、米沢穂信氏がツイッターで「小説から残すべきを残し補うべきを補う、良い脚本にしていただきました。」と書かれるのが分かるような気がする。
リップサービスもあるだろうし、ここをどう思われているかは、実際には分からないが。

それから、最終回の最後。
奉太郎「寒くなってきたな」
千反田「いいえ。もう春です」
原作でもきっとお互いの気持ちに気づいているのだろうが、アニメだとよりはっきり分かる。
自分のような四十がらみの朴念仁にも。
こんな気持ちになった事が、あの頃あったかなあ‥あったような気もするけど(遠い目)

原作の残りは単行本「二人の距離の概算」と、短編が一編のみ。
これまでのペースで行くと、二期は厳しいかも。
二期が見たい気もするが、ここは「彼らの人生が良い物になる」事を祈っておく事にする。
奉太郎と千反田さんには、ちょっと厳しいものになるかもしれないんだけどなあ‥
とりあえず「来年」のバレンタインは見てみたい気がするが。


最後。
「神山市」のモデルは、飛騨高山。
最後に出てきた「生き雛祭り」も、カンヤ祭で千反田さんが作った「ぎせ焼き」も「いも餅」も実際にあったりする。
さぞや来年の「生き雛祭り」の時期は、客が増えるだろう。
おそらく場違いな連中が(汗)

‥生き雛祭りはダメでも、一度行こうかな。


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