(5)文節の省略
俳句は多くを語ることができないため、単語や文節を極端に省略して表現する。省略しても前後の関係から意味が通じる場合はできる限り省略し、簡潔な文体で定型のリズムに乗せることが必要である。
<例句> 戦禍まぼろし 野に透く夜の 閑古鳥 (飯田龍太)
(6)文節の倒置
①正常な文節の位置
イ.主語文節が上で述語文節が下にくる
ロ.修飾文節が上で修飾される文節が下にくる(修飾文節どうしは上下自由でよい)
ハ.述語文節は文末にくる
②文節の倒置とは正常な文節の位置を逆にする方法である
<例句1> 主語文節の倒置
茗荷汁に うつりて淋し 己が顔 (村上鬼城)
<例句2> 修飾文節の倒置
春の雨 ひびけり いつの寝覚にも (日野草城)
<例句3> 述語文節の倒置
かぞへ来ぬ 屋敷々々の 梅やなぎ (松尾芭蕉)
(7)句の種類
①構造上の分類
イ.単文句:-主語・述語の関係が1回だけ成立する句
<例句>濃かに 弥生の雲の 流れけり (夏目漱石)
ロ.複文句:-最初の主語・述語の関係が句全体の主語・述語・修飾語の関係として成立する
<例句>オホーツクの波 群だてば 暑が 逃ぐる (石原八束)
ハ.重文句:-対等の主語・述語の関係が2回以上成立する句
<例句>椿 落ちて 虻 鳴きいづる 曇りかな (芝不器男)
②内容上の分類
イ.平叙句:-ありのままを描写して述べる句 (肯定、否定、断定、推量、決意)
<例句>ゆく雁の目に見えずしてとどまらず (山口誓子)
ロ.疑問句:-疑問や反語のかたちで叙述した句
<例句>白地着てこの郷愁のどこよりぞ (加藤楸邨)
ハ.命令句:-命令・禁止・注文などをあらわす句
<例句>梅雨の夜の金の折鶴父に呉れよ (中村草田男)
二.簡単句:-詠嘆・感動をあらわす句
<例句>是がまあつひの栖か雪五尺 (小林一茶)
以上
俳句は多くを語ることができないため、単語や文節を極端に省略して表現する。省略しても前後の関係から意味が通じる場合はできる限り省略し、簡潔な文体で定型のリズムに乗せることが必要である。
<例句> 戦禍まぼろし 野に透く夜の 閑古鳥 (飯田龍太)
(6)文節の倒置
①正常な文節の位置
イ.主語文節が上で述語文節が下にくる
ロ.修飾文節が上で修飾される文節が下にくる(修飾文節どうしは上下自由でよい)
ハ.述語文節は文末にくる
②文節の倒置とは正常な文節の位置を逆にする方法である
<例句1> 主語文節の倒置
茗荷汁に うつりて淋し 己が顔 (村上鬼城)
<例句2> 修飾文節の倒置
春の雨 ひびけり いつの寝覚にも (日野草城)
<例句3> 述語文節の倒置
かぞへ来ぬ 屋敷々々の 梅やなぎ (松尾芭蕉)
(7)句の種類
①構造上の分類
イ.単文句:-主語・述語の関係が1回だけ成立する句
<例句>濃かに 弥生の雲の 流れけり (夏目漱石)
ロ.複文句:-最初の主語・述語の関係が句全体の主語・述語・修飾語の関係として成立する
<例句>オホーツクの波 群だてば 暑が 逃ぐる (石原八束)
ハ.重文句:-対等の主語・述語の関係が2回以上成立する句
<例句>椿 落ちて 虻 鳴きいづる 曇りかな (芝不器男)
②内容上の分類
イ.平叙句:-ありのままを描写して述べる句 (肯定、否定、断定、推量、決意)
<例句>ゆく雁の目に見えずしてとどまらず (山口誓子)
ロ.疑問句:-疑問や反語のかたちで叙述した句
<例句>白地着てこの郷愁のどこよりぞ (加藤楸邨)
ハ.命令句:-命令・禁止・注文などをあらわす句
<例句>梅雨の夜の金の折鶴父に呉れよ (中村草田男)
二.簡単句:-詠嘆・感動をあらわす句
<例句>是がまあつひの栖か雪五尺 (小林一茶)
以上