派遣村ブログ

実行委員会解散後、「年越し派遣村の必要ないワンストップ・サービスをつくる会」からの情報発信を行っています。

切るな!切らせるな!春の派遣村アクション 第二弾企画 「春の面談・電話相談村」開催

2009-04-03 10:40:57 | 日記
4/8、9の2日間、日本青年館で開催した「春の面談・電話相談村」の概況
をお知らせします。 来場相談125人、電話相談349人。やはり派遣切りが
多数。雇用保険で救済されない人が圧倒的に多いという印象です。
いくつかの相談事例を紹介します。「2月末に栃木で派遣切り解雇され、
そのまま寮にいたが、収入がないので、4/6、自転車で東京に向かった。
野宿をしているので、離職票を受け取れず、失業給付を受けることができ
ない」(30代・男性)「住まいがないので、ネットカフェに泊まりながら日
雇い派遣で働いている。ここのところ日雇い派遣の仕事もないので、所持
金がなく、ネットカフェに泊まることもできない。もう少し安定した仕事
に就きたいが、面接に行く交通費もない」「自動車工場で働いていた。6月
末まで契約があったのに3月末で切られた。離職理由は自己都合にされた。
所持金がない」(50代・男性)「京都で派遣切りされて寮を追い出され、しば
らく野宿生活をした。
 ハローワークに相談したが、なかなか住まいを確保してもらえず、やっと
雇用促進住宅に入れたが、布団もない。所持金が200円しかなく、生活でき
ないので、ハローワークに再度相談したら、『うちではどうにもならない』
とのことで派遣村を紹介された」(40代・男性)
 今回の派遣村に集まってくれたボランティアの中に、「年越し派遣村」
の元村民たちの姿もありました。「恩返しです」と言って駆けつけてくれま
した。絶望的な相談ばかりでしたが、日比谷公園と厚生労働省講堂で寝食を
ともにした仲間たちの元気な姿を見られて、とてもうれしかったです。
(以上非正規労働通信173号より)



今日(4/8)の「春の面談・電話相談村」の速報です。
来場相談 34人(うち女性1人、平均年齢46歳、所持金1000円以下が多数)
電話相談 171人来場相談は、緊急避難施設に入っているが、つなぎ資金が
おりず、身動きが取れない、これからどうなるのか…という相談が目立ち
ました。生活保護を打ち切られた人もいました。
電話相談は、ほとんどが最近解雇になった人で、雇用保険に加入してい
なかった人が多くいました。
仕事がない、生活保護を申請したいという相談も目立ちました。
来場相談者のうち、今日、生活保護申請に行った人は13人(新宿10・文京2
・渋谷1)。すべて受理され、今晩の居所は確保されました。
仕事探しでハローワークへ向かった人は1人。
 医療相談は8人。うち2人が病院へ。うち1人が心不全で入院しました。
ボランティア登録は129人。以上、1日目のとりあえずの報告です。

 明日(4/9)も同様に「春の面談・電話相談村」を開設します。
来場相談9:00~14:00日本青年館電話相談10:00~20:00(電話0120-833-890)
院内集会17:00~18:00参議院議員会館
(以上非正規労働通信172号より)




 さて、昨年末から不況のあおりを受け三月末での雇い止めや解雇が
急増すると予想されています。
 今回、派遣村実行委員会では、労働相談を中心に、生活・医療・住ま
いの相談を同時に受ける体制を作り、電話と来所の相談会を開催します。
 「年越し派遣村」は年末年始で行政の窓口が閉じている中で、行政
に代わり緊急の宿泊場を提供するのが私たちの大きな役割でありました
が、今回私たちは宿泊をあえて設けず、相談を平日に開催し、行政に
本来の仕事をやっていただくべく、各種雇用対策の情報提供や生活保護
申請などの行動をとって行きたいと考えています。

開催日:4月8日(水)、9日(木)
相談用電話番号:0120-833-890
時 間:電話相談10時~20時
来場相談9時~14時
    ハローワーク同行・生保申請同行:随時
場 所:日本青年館(東京都新宿区霞ヶ丘町7番1号)
○JR中央線・総武線 千駄ヶ谷、信濃町駅より徒歩9分
○地下鉄銀座線 外苑前駅より徒歩7分(3番出口)
○地下鉄大江戸線 国立競技場駅より徒歩9分




090406派遣村声明

関係各位

派遣村のために別の相談者を追い返しているのだとしたら、それは私たち
の要求とはまったく無縁の、弊害しかない“対策”である

派遣村実行委員会
(村長 湯浅 誠)
代表携帯:080-4123-7027

 私たち派遣村実行委員会は、4月8日(水)9日(木)に「春の派遣村ア
クション」として「面接・電話相談村」を開催する。
 私たちは、年越し派遣村の経験に基づき、1月下旬から一貫して、全国に
緊急避難的な宿泊所の開設と総合相談窓口の設置を求めてきた。特に年度末
には、年末年始を上回る人たちが居所を追われる可能性があることから、
早期の対応が本人の生活再建にも、また社会的対応のコスト面からもはるか
に有益であることを訴え続けてきた。
 しかし行政サイドは、文字通り「喉元過ぎれば・・・」という状態で、年明
け以降、国と自治体の縦割り、省庁間の縦割りの壁の前に立ち止まり、具体
的な対策を打たずにきた。結果として、さまざまな施策からこぼれた人たち
が、市民団体・労働組合に押し寄せ続けている(路頭に迷っている人たちが、
日々どのような扱いを受けているか。その一端を【資料1】として添付する)。
 追加経済対策合計何十兆円という傍らで、数十億円規模の対策さえあれば
つないでいける命が放り出され、無視し続けられているのがこの国の現実で
ある。これで「自殺防止」などとは笑止千万である。
 年度末危機にほとんど対応できない国・自治体の無能力が露呈したとき、
私たちは「春の派遣村アクション」の開催を決め、厚労省および東京都に通
告した。すると今度は、8日9日の生活保護の集団申請に向けて、東京都が現
時点での新規相談者の施設入所をストップさせて施設を空けているらしい、
という情報が飛び込んできた。
 これまでの3ヶ月、何の有効な対策もとらず、私たちのような民間団体が小
さなアクションを起こそうとすると、それにさえ対応できずに、今度はその
ためにより弱い諸個人に皺寄せする・・・もし、そんな情けないことが事実だと
したら、私たちはなんと不幸な国に生まれたことか、と悲しくなる。
 社員寮は都内でもがらがらで、現に「即入居可」の状態で賃貸に出されて
いる物件がいくつもある(【資料2】)。所有者は、借り手がつかずに困り
果てている。他方には、住居なく路頭に迷い、就職活動さえできない人たち
がいる。ここまで明確な需要・供給のマッチングさえできずに、雇用のミス
マッチを語るなどとは片腹痛い。
 私たちが望むのは、等しく困窮している人たちを押しのけて、派遣村だけ
に彌縫的・場当たり的に対応することなどではない。経済対策全体の0.1%
でいいから、文字通り捨てられて、潰されていく人々に目を向け、人間を生
かそう、社会の活力を維持しようという姿勢を国・自治体が持つことである。
 もしそのような情けない対応で急場しのぎだけを考えているのならば、そ
のような姑息な手段でより一層人々を路頭に迷わせるようなことは即刻止め、
借り手がいなくて困り果てている社員寮の大家たちに一声かけるべきである。
今からでも遅くない。善処を期待する。
以上

【資料1】
Aさんの事例
沖縄県出身。母親と二人の母子家庭。16歳の時に母親と上京、千代田区に
住む。母親は現在、都内で住込みの仕事をしている。新聞配達をしながら高
校に通っていたが、両立が困難となり、17歳の時に高校中退。以後、18年間
ずっと新聞配達の仕事をしてきた。
 読売新聞の販売店を千代田区(16年間)と千葉で5~6店舗移ってきた。ず
っと寮住まいで、今まで一度もアパートで一人暮らしをした事がない。異動
の理由は常に人間関係。配達・集金・営業の仕事をしてきたが、不着が一度
もなく、働き始めた当初から仕事が出来すぎた事がやっかみを生み、居づら
くなって店舗を移った。最後にいた千葉の販売店では、月給20万前後。この
時も人間関係が悪化し、2008年10月下旬に仕事を辞めた。その時点で10万円
弱の貯蓄あり。カプセルホテル・サウナ・ネットカフェに泊まりながら求職
活動をしていた(ハローワーク、携帯、雑誌)。しかし所持金が尽き、11月
12日に千代田区で相談、千代田寮に入る(この時点まで、自立支援事業の事
も知らなかったし、相談時に生活保護の説明を受けることもなかった)。
 12月25日、中央寮に移り求職活動を再開した。本年1月にはフォークリフト
の免許を取得。始めの一ヶ月は通いの仕事を探したが見つからず、寮職員の
就労指導が厳しかったため、後半の一ヶ月は住み込みの仕事だけを探した。
結果、本人は行きたくないながらも、センター滞在期間中に唯一見つかった
住み込みの仕事に入るしかなく、2月24日、中央寮を自主退寮した。
 仕事は、本社を台東区洗足に置く(株)Bの建築作業。現場・会社寮は神奈
川県横浜市。同会社は、飯田橋ハローワーク担当者からも「Bだけはやめた方
がいい。賃金未払いの苦情が何件か来ている」と忠告されたところ。仕事は
8:00~17:00、日払いで8000円。面接の事務所に日本刀が置いてあったりと、
職場の「やくざ的な雰囲気」に不安になったこと、元々希望しない職種だった
ことが重なり、2月27日に無断退寮した。24日からの給料四日分は支払われて
おり、中央寮退寮時に所持していた金額と合わせて、その時点で四万円手元
にあった。
 その後いったん東京に戻り、サウナ等に泊まりながら、千代田区のハロー
ワークにて仕事を探した。しかし見つからなかったため、横浜へ行ってみよう
と考え、3月6日に移動。ネットカフェに泊まって求職したが所持金が尽き、
3月9日、横浜市役所に相談した。
 9日の朝、大船駅から横浜市役所の生活福祉課に電話。「仕事・住まい・所
持金すべて無いので、保護して下さい」と相談したところ、「大船からだった
ら、戸塚区に電話して」と言われた。戸塚区に電話して同じ相談をすると「大
船は鎌倉市になるので、鎌倉に行って」との返答。そこで鎌倉市役所に電話し、
生活福祉課の相談員(?)の田中・山田両氏から「藤沢のハローワークに行き
なさい。住居がないと言えば、ハローワークで用意してくれる」との説明を受
けた。
 所持金をほとんど使い切って(残金40円)、電車で藤沢市のハローワークへ
向かう。「住宅がなくて困っている」と相談したところ、「派遣切りでないと
入居できない」との返答。鎌倉市役所まで二時間かけて歩き、15時に到着。
「緊急保護施設に入りたい」と生活福祉課で相談したところ、上記の山田さん
から「施設が空いていないので、横浜とか大きいところだったら空いてるかも
しれないので、横浜市に行って下さい」「大船の行政センターに行けば切符を
もらえるので、センターに行って横浜まで行って下さい」と言われる。
 鎌倉市役所から大船まで歩き、行政センターにて切符をもらって横浜駅に到
着。既に役所が閉まった時間だったため、9日夜は横浜駅近くの公園や雑居ビル
の非常階段で休みつつ、寒さをしのぐ為にほとんど夜中歩いていた。「とりあ
えず留置所に入れば寒さもしのげるし、食事も付いてくる」と、犯罪を犯すこ
とも考えたが、思いとどまる。
 3月10日、もやいに電話した。折り返し連絡するはずだったが、もやいから
返答が無いまま、13時に中区役所の生活保護課にて相談、「保護して下さい」
と求めた。受付カウンターで対応に出たのは、川尻相談員。
  川尻:「以前居住していたところの役所に行って下さい」
  A:「鎌倉市役所の人にここ(横浜)に行って下さいと言われた」
  川尻:「では鎌倉市に責任があるので、鎌倉市役所に行って下さい」
 このやり取りの最中に、再度もやいへ電話した。Aさん本人は「申請とか手
続きとかどうでもいいんです。とにかく体を横にしたいんです」と切羽詰まっ
た様子だったが、「保護を受けたい。でも受けさせてくれない」と繰り返して
いた。電話を代わってもらい、もやいスタッフから川尻氏へ、鎌倉市で保護を
求めたが対応してもらえなかった事、Aさんが生活保護を求めている事を伝えた
ところ、「こちらでは鎌倉市のような対応はしませんから」との返事。川尻氏
に申請書をAさんに渡すよう伝え、Aさんにも申請書を提出すること、そして今
夜の宿泊場所・生活費を用意してもらうよう話した。
 しかしその後も受付でのやり取りが続き、川尻氏は「今日お金を出すことは
出来ない。鎌倉に行って下さい」の一点張り。中区役所をいったん離れ、横浜
市役所本庁から厚生労働省の保護課に相談する(担当・小野さん)。川尻氏の
名前と所属も出して、生活保護の申請を拒否された旨相談すると、「違法対応
なので申請できます。指導の電話を入れておきます」とのこと。厚労省から中
区役所へ直接指導することは出来ないそうで、小野さんから横浜市本庁に電話
が入り、本庁から中区役所へ指導が行った。小野さんから携帯に「川尻さんに
伝えましたので、宿泊費用と食事代を受け取って下さい」との連絡を受け、再
び中区役所へ向かった。
 中区役所では再度川尻相談員が対応。「申請をしたいんですけど」と求めた
が、「帰って下さい。今日はお金を出せない。明後日なら施設があるかもしれ
ません」「申請出来ません。Aさんの面倒を見るのは向こうに責任があるの
で、鎌倉に行って下さい」との返答だった。17時まで受付で粘ったが、最後に
は水とクッキーを渡されて「これで帰って下さい」と言われた。
 10日夜も横浜駅近くの公園で休んだり、歩いたりして過ごした。もやいスタ
ッフと再度電話がつながったのは20時過ぎ。自販機に残ったお釣りをかき集め
て、翌日11日の水曜相談に辿り着いた。3月11日、大田区にて生活保護申請、
受理される。大田区には今まで住んだ事はないが、今後フォークリフトの仕事
を希望しており、その分野の仕事は大田・川崎・江東区に集中しているため、
申請場所に選んだ。
 Aさんは今回の神奈川(特に中区役所)での対応に対し、「一矢報いたい。
謝罪してもらい。第二第三の被害者が出る前に、ちゃんと指導してもらいたい」
と話している。
 (09年3月13日、本人からの聞き取りによる)

【資料2】
 空いている社員寮の一例

(割愛)



春の派遣村アクション相談会
取材時の注意点

【 お 願 い 】
1)報道関係者は、受付で取材登録をしてください。
2)報道関係者の表示を受付で受け取り、見やすい場所につけてください。
3)取材にあたっては、ご本人の承諾を丁寧に取ってください。その際、
 顔・氏名・声の公表の可否についても、必ず確認してください。心身とも
 に疲弊して思考力が低下する中で、一時的に承諾したものを後で撤回する
 方もおられるとは思いますが、本人意思の尊重第一でお願いします。
4)雑談の中で相談者の側から取材要請が行われる場合もあるかとは思いま
 すが、取材開始前に報道担当の承諾を得てください。多数の相談者が来場
 します。ご本人が承諾していても周囲に迷惑がかかり、トラブルに発展す
 る場合があります。ご配慮をお願いします。

【取材可能場所・時間帯】
1)電話相談(10:00~19:00)
 電話相談の部屋のみ、概観撮影可とします。日本青年館の要望により、正面
 玄関やロビーでの取材はご遠慮ください。
2)定例記者会見:毎日2回(午前10時~11時頃および午後3時頃)
 中ホール入り口で行います。相談活動の内容などについてお知らせします。
 また、取材を受け入れる当事者の方がいた場合には、同席してもらいます。
 当事者に対する取材申込みは、基本的にこの定例記者会見出席者に対して
 お願いします。
3)来所相談公開
 来場相談を中ホールで行っていますが、取材は原則として不可とします。
 相談活動の頭撮りのみ毎日時間を限定して公開します。報道担当者の指示
 にしたがってください。
4)会場外での取材は控えてください。
 中ホール以外では一般の方々が日本青年館を利用しています。また、報道を
 避けたいと考えている相談者の方も多いです。外での取材も控えていただけ
 ますよう、よろしくお願いします。
5)以下の日程で院内集会を開催します。院内集会は公開です。

「春の派遣村アクション」報告集会
日時:4月8日(水)、9日(木)、17:00~18:00
場所:参議院議員会館会議室
(東京都千代田区永田町2丁目1-1)
東京メトロ有楽町線・半蔵門線・南北線 永田町駅 1番出口より徒歩1分
東京メトロ千代田線・丸の内線 国会議事堂前駅 1番出口より徒歩10分