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日々一句

俳句と川柳
    浅見 まさし

2004年7月の句

2007年05月12日 | 俳句
勾玉の月が匂ひて梅雨あける
焼酎はぐいのみが良し梅雨あがる

西瓜真円北極点よりずばり切る
てんと虫飛ぶ丹田に力瘤
肩並べて妻の香水だと気付く

水攻めに地球の亡ぶ未草

2004年5月の句

2007年05月11日 | 俳句
天宇受売のシンクロナイズドスイミング

メーデーの日見上げてゐたり棕櫚の花
日蓮尊新緑なだれ押し返す
万緑に押しつぶされし蛇苦止堂

頭蓋骨々折つくしんぼうの死
盲目のシンガーソングライター朴の花

2004年4月の句

2007年05月10日 | 俳句
ひと枝を揺すり万波の花吹雪

花満開隣家に玉の児が産る
花吹雪背なよぎるとき耀よへり

流れしか流されゐしか花吹雪
真昼間は憂し真円の絮たんぽぽ

2004年3月の句

2007年05月09日 | 俳句
桜咲き鴎にパンを抛り投ぐ
花どきの素顔何んとなくあかるし
夕桜どこかしっとりとして居りぬ

妙法の妙流れ出す花きぶし
小さき社の小さき狛犬梅真白

春の鯉集まって日を持ち上ぐる
うら道よりのぞきて雛の美しき

2004年2月の句

2007年05月08日 | 俳句
へこむべきところでへこみ春の川
凧地をけるときの弾みやう

2004年1月の句

2007年05月07日 | 俳句
ふところから赤児出すよな寒卵
初御籤大吉の臍もぞもぞす

八十に端(はした)加えし初詣

2003年12月の句

2007年05月06日 | 俳句
四角四面宅急便の冬の蟹
百八つ誤植かなかなか無くならず

帆形ビル海へ倒して年行かす
行く年の海を見てゐて海を見ず

突き抜けて天華やぎぬ羽子板市
羽子板市炎のにぎはひのみづみづし
羽子板の射程距離から身をずらす

縮む烏賊伸ばしては焼く年の暮
年つまるほど蒟蒻の押し黙る

2003年11月の句

2007年05月05日 | 俳句
干柿むく婆の溌剌魔術の手
山茶花散る草月流の骨法で
蟷螂の卵塊お婆の拳色

母音に色あればとき色万年青の実

2003年10月の句

2007年05月04日 | 俳句
楷書から行書になりしやうに秋
天のゆがみて清冽の百舌鳥日和
丸善に吸ひ寄せられて秋の暮

2003年9月の句

2007年05月03日 | 俳句
十五夜の月得て句集音読す

2003年8月の句

2007年05月02日 | 俳句
てんと虫死上手とは生き上手
雷に様つけそぞろ水飲みぬ
酔芙蓉紙揉む如くしぼむなり
汗の顔拭くといふより叩くなり

ポプラ大樹のけぞる沼の大西日
蓮田に日当りて沼窯変す
稲は穂に沼は光の槍襖
遊覧船浮葉の平らひた搖らす

2003年7月の句

2007年05月01日 | 俳句
からび音の大暑のとんぼ水叩く

練絹の音たて雨の毬あじさい
サインする手術念書や梅雨の鬱

浦安に雲の峰たつ浅蜊飯

2003年6月の句

2007年04月30日 | 俳句
冷し瓜頭叩けば沈む振り

蘭鋳を美人と思うまで見つむ

2003年4月の句

2007年04月29日 | 俳句
春大根煮え昼の月惚けしまま
退院をはにかむでゐる春の月

2003年2月の句

2007年04月28日 | 俳句
手ほどきを受け樏に一礼す

紅梅の香を強めたる高気圧
繃帯をして蹲る雪女