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2021/01/10

2021-01-10 02:54:31 | 日記
 アメリカのジャーナリスト、ニール・シーハン氏死去。ベトナム戦争の真相を明らかにした極秘文書「ペンタゴン・ペーパーズ」をすっぱ抜いた特ダネ記者であり、ベトナム戦争を描いた長編ドキュメンタリー「輝ける闇」(開高健・名訳)の著者。
 「大統領の陰謀」のボブ・ウッドワード、ダニエル・バーンスタイン、「ベスト&ブライテスト」のデビッド・ハルバースタムと並ぶ、アメリカンジャーナリズムの旗手です。報道を志した私にとっては、神様のような存在でした。
 「ベスト&ブライテスト」は、“最善で最も聡明な”はずのケネディ政権が如何に、愚かなベトナム戦争にはまり込んでいったのか、国内政治の内実が克明に記録された作品。これに対して、「ペンタゴンペーパーズ」や「輝ける闇」は、ベトナムという戦地に軸足を置き、目の前で悲惨な戦争が繰り広げられていることを徹底的にえぐりだした。戦争特派員だったニール・シーハンでなければできない仕事だったと思います。ニューヨークタイムズの追悼記事には、彼がベトナムで物乞いする戦争孤児らを目の当たりにしたことが記されています。おそらく、こうした体験が彼の原点なのでしょう。
 ペンタゴン・ペーパーズに関しては、ニール・シーハンが米国務省にあった極秘中の極秘文書を入手したということがスゴイのはもちろん、その新聞記事の差止を求めたニクソン政権に対して、連邦最高裁が「『国家的危機』などという、漠然とした理由では新聞記事の事前差し止めは認められない」とつっぱねた。それこそが、「freedom of press」の国・アメリカの真骨頂であったと今、改めて思います。
 現在の混乱した「ポスト・トルース」の時代、ニール・シーハンという真のジャーナリストが亡くなったことは、エポックメイキングな出来事であるようにも感じます。
 Rest in peace and Thank you, Mr. Niel Sheehan.

2021/01/08

2021-01-08 03:24:32 | 日記
 コロナで緊急事態宣言という日本も大変な事態ですが、アメリカは一体どうしたことでしょうか?
 議事堂に乱入、射殺……。アメリカという国から、自由、平等、正義、夢や明るさを教わってきた者の一人として、胸が痛みます。
 世の中がぐちゃぐちゃになって、救いがないと思えれば思えるほど、「What a wonderful world」(この素晴らしき世界)という曲のメッセージが、輝きを増すように感じます。それほど有名な曲ではなかったのですが、ベトナム戦争をテーマにした映画「グッドモーニング・ベトナム」(ロビン・ウイリアムズ主演)で使われてから、だれもが知る曲になったと思います。歌詞の次のくだりが、私は一番好きです。
 <私には、赤ん坊の泣き声が聞こえる。子供たちの成長を見守る。この子たちは、私が学んだことよりも、ずっと多くのことを学ぶだろう>
 この曲、あえてサッチモでなく、ジャズギターの「芸術家」、ケニー・バレルの独奏をご推薦します。心に、深く静かに響きます。