麻布六本木学研究会

アカデミーヒルズで発足したメンバーズ・コミュニティ、麻布六本木学研究会の専用ブログです。

6月研究集会のご案内

2008-05-13 13:46:04 | Weblog
 テーマ:『「篤姫の婚礼行列ルート」を映像で楽しもう!』
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今年のNHK大河ドラマは「篤姫」。
前回「篤姫と和宮」を取り上げさせて頂き、ご好評を頂きました。
今回はその続編です。清田先生の婚礼ルートのお写真をご覧頂きながら
地図(現代&切り絵図)で確認してきたいと思います。
港区には鹿児島藩の屋敷が点在し、また篤姫ゆかりの場所も多いので、それらの
お話も併せて進めます。
また、そのルート選択の背景に時代のいろいろな問題が浮かんできます。
(安政の大地震や、外国船来航等江戸湾岸の警備等)
篤姫の婚礼ルートは六本木ヒルズの側を行列しました。
四方山話を盛り込んで幕末明治期をご案内します。


◆日 時:6月16日(月) 19:00~21:00
◆場所:コラボレーションルーム3
◆スピーカー:清田 和美(郷土史家)




六本木ヒルズを舞台にした『親指の恋人』

2008-05-03 21:35:52 | Weblog
小学館のWEB雑誌「きらら」を2年間程購読していた事があります。
最初は嶽本野ばらの作品を読むためでしたが、途中から石田衣良の『親指の恋人』の連載が始まり、
それ緒を読むのを楽しみにしていました。

有名私大に通う澄雄は六本木ヒルズに隣接するレジデンス住まい。
父親は某外資系証券会社日本支社長。
横浜に住むジュリアはパン工場で働きながら、
出会い系サイトのサクラをアルバイトでやっている少女。
本来なら出合うはずの無い二人が、ケータイで偶然にも出合ってしまった!
二人の環境の違いから、どんどん二人は追い込まれて行き、薬物心中という悲劇が起こってしまう。

これだけ書くとかなり無理があるお話ですが、
格差社会がここまで引き起こす可能性がある事を石田衣良は言いたかったのでしょう。
このお話の鍵は澄雄にもジュリアにも母親がいない事です。
澄雄がなぜジュリアに惹かれたかといえば、ジュリアは自殺した母親によく似ていたのです。
そのことに澄雄は全く自覚がありませんでしたが、
父親はそれゆえジュリアを引き離そうと躍起になります。
そしてそれが若い二人の恋に火を付ける結果になってしまいます。

「純愛」ブームですが、現実は純愛すら認められない壁ばかりの社会なのでしょう。
今日的話題満載の小説です。


山口正介の麻布

2008-05-02 15:59:54 | Weblog
今山口正介氏の本をまとめて読んでいます。
最初に読んだのは『南麻布物語』の中の「麻布プリンス物語」でしたが、都会の中の「特別な場所」で過ごした少年の日常の中の異文化体験はすごく面白かったです。
その後『麻布新堀竹谷町』を読みました。
山口瞳の息子、山口正介の小学生時代の麻布体験が短編小説の形で語られています。最後に少年は引っ越す事でこの街と決別するのですが、これは山口瞳が抱えてきた問題と重なるので、今度は山口瞳の小説を読んでみたくなりました。
それでこれの後、『山口瞳の行きつけの店』を読みました。これは父親と息子という微妙な関係の中で、父親の好んだ店を息子が再訪する回顧録です。懐かしさばかりではない、どこか生々しさも含みながらも、もうこの世にいない父親への敬意を感じました。
そして今読んでいるのが『僕の父はこうして死んだー男性自身 外伝ー』です。
しばらく山口正介、瞳親子の作品を、改めて【麻布の地】から読んでみたいと思っています。