ゴヨウツツジの会

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【東宮ご一家News2017_12】12月に行われた3つの重要な祭祀について

2018-01-08 16:15:57 | 皇室ニュース
昨日アップした記事--【東宮ご一家News2018_01】元旦未明から続く祭祀や儀式--について、
ペリドット様が興味深いコメントを書いて下さったので、昨年12月に行われた祭祀についても調べてみました。
皇太子さまはこの月、重要な3つの祭祀(賢所御神楽、天長祭、大正天皇祭)を務めておられます。
両陛下と秋篠宮家の取り組み方も参照しつつ、これらの祭祀がどのように行われたかを見てみます。

■皇太子殿下の祭祀


■両陛下の祭祀


■秋篠宮家の祭祀


★「賢所御神楽(かしこどころみかぐら)の儀」について

例年12月15日に行われるこの祭祀は、天照大神のご神霊を慰め、ご加護を祈り奉る神楽ということで、
夕刻から深夜まで、長時間に及ぶものだそうです。

上掲の表に示す通り、天皇陛下は最初、賢所で祭祀に臨まれていますが、途中から御所に移動されたようで、
「賢所御神楽の儀ご終了までお慎み」と記載されています。
皇后陛下については、最初から御所にて「ご遙拝」「お慎み」と記載されています。

秋篠宮家はといえば、皇太子殿下と同じく「賢所御神楽の儀(賢所)」とのみ記載されています。
しかし、東宮と宮家が同じ所作であるはずがありません。
所功氏の著書(『天皇のまつりごと-象徴としての祭祀と公務』)には次のように書かれています。

夕方5時、黄櫨染の御袍をお召しになった天皇が、掌典長の先導で賢所の内陣へ進み、
御玉串を奉って拝礼される。ついで、皇后・皇太子・同妃が、順に殿内で玉串を奉っ
て拝礼され、さらに皇族方、参列者も前庭階下より拝礼する。

そのあと六時から、何と六時間(午前零時ころまで)に及ぶ御神楽が奉奏される。
それが行われるのは、賢所の南庭に建つ神楽舎の中であるが、この建物には床も
戸もなく、白砂が敷きつめられている。その北側の神前だけ開けて、三方に白黒
の班幔(まんまく)を張り廻らす。
(引用ここまで)

つまり、天皇と皇太子は賢所の内陣で拝礼し、そのほかの皇族方は前庭階下より拝礼されるわけです。
厳寒のなか、賢所の内陣であれ前庭であれ、6時間も楽曲を聴き祈り続けるのは大変なことでしょう。
所氏の前掲書には次のようにあり、一定時間の後、退出されるのは間違いないようです。

そのころ、すでに夜半の零時を過ぎているが、輪榊はいったん賢所の神前に奉られ
てから、掌典が吹上御所へ参り侍従を介して献上する。それまで六時間余り、天皇・
皇后はじめ各皇族方は、それぞれの御所で静かに神威を仰がれ、「御榊献上」の連
絡を受けてから就寝されるという。明治天皇も御製につぎのごとく詠まれている。
すめがみの広葉樹照らす月かげに 神楽の声もすみまさりつゝ
(引用ここまで)

天皇陛下と皇太子殿下が何時まで賢所にとどまっておられたのか、
他の皇族方が何時まで前庭で拝礼されていたのか、
宮内庁HPからは知る由もありませんが、
2017年12月15日のこの日、Twitterには、次のような写真とコメントがアップされていました。



この写真は夕方らしい空模様で、今から半蔵門に入るところですね。
その後、皇太子さまの退出は真っ暗になってからということで、遅くまで祭祀に取り組んでおられたことがわかります。
厳寒の中、何時間も待っておられた奉迎者へ、優しい微笑みとお手ふりで応えられる皇太子さま、素敵です!

★「天長祭の儀」について

「天長祭」は陛下のお誕生日(天長節)を祝う祭祀で、現在は12月23日に行われます。
上掲の表を見ると、同日の皇太子さまの日程には「天長祭の儀(宮中三殿)」とあり、
両陛下の日程には、「天長祭の儀ご終了までお慎み(御所)」とあります。
秋篠宮家の日程には「天長祭の儀」の記載が見当たりません。
つまり、「天長祭の儀」は皇太子さまがおひとりで行われ、
両陛下はその間、御所でお慎みになっていた、ということになります。
秋篠宮家は参列されていないようです。他の宮家はどうだったのでしょう?
前掲の所氏の著書を確認したところ、
天長祭については「9時~」「御代拝」とのみあり(P195)、
詳しいことは書かれていません。

さて、この日のTwitterには、次のツイートがありました。
皇太子さまはやはりこの日の朝、一足先に半蔵門に入っておられ、
お一人で「天長祭の儀」を務められたと推測できます。


このように陛下の代行も含めて誠実に祭祀に取り組んでいらっしゃる皇太子さまについて、
「祭祀をしていない」「祭祀をないがしろにしている」等と言い募る人たちは一体何を見ているのでしょうか。
また、雅子さまが祭祀をしていないというバッシングがネットで目に付きますが、
そもそも祭祀は天皇陛下または皇太子殿下がなさるもので(それが困難な場合は代拝もあり)、
皇后や皇太子妃が担うものではありません。
宮家も「参列」して、天皇陛下または皇太子殿下の祭祀を見守ることができるだけで、
一子相伝で伝えられる祭祀の主体者としての役割を果たせるわけではありません。
また、ご病気の場合は祭祀への「参列」もできない(してはいけない)はずで、
祭祀に関する東宮ご夫妻への批判は、難癖としかいいようがないものです。

「大正天皇例祭の儀」については、明日以降にまとめたいと思います。
気づいたことなど、コメント欄で教えていただけると有難いです。
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2 コメント

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ありがとうございます。 (ペリドット)
2018-01-09 11:37:24
粛々と宮中奥深くで行われている神事に、皇太子様がかなり昔から粛々と心をこめてたずさわっておられることがよくわかり、有り難かったです。

少し言加えますと、神事をなさるから尊い、有り難い、と敬愛の心が生まれるのではありません。
大切なのは神事を行う心で、それが殿下の場合、曇りなくひたむきなものだと推察されるのは、奉迎する方のツィートから窺える殿下のたたずまいや、もっと言えば常日ごろのお言葉、妃殿下や敬宮殿下に注がれるまなざし、その全体的な雰囲気から感じ取るものです。そしてそれが一番大切で、それゆえに敬意も生まれるのです。

いえ、すみません、時々神事だけに妙に心酔している方が、神事を何回行うか、行い得るかこそに意味があるみたいに書かれるのがいやなもので。
回数が大事なのじゃないし、極論すれば年に一回だけだって、良いように思うのです。そこに心があれば。


あと、「天長祭の儀」は、その趣旨を推定するに、陛下のご誕生をお祝いするものであるなら、陛下ご自身がなさるというよりは、その継承者がなさるものなのではないかという気がします。
(その意味で、次の御世をどうするつもりなのか、宮内庁の出方が気になるところ)
まあ、陛下ご自身が神に自身の誕生と安寧に対し、感謝の祈りを捧げる祭り、という趣旨もあり得そうな気もしますが。

いずれにしても、この種の皇統に関わっての神事は、明治になってから整えたもののように思います。四方拝や歳旦祭、新嘗祭、神楽などとは違うような。
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祭祀について (index)
2018-01-09 16:57:57
ペリドットさま

こちらこそ、的確なフォローを頂き、ありがとうございます。

祭祀に関する「心が大切」とするお考え、全面同意でございます。

また、祭祀のほとんどが明治期に整備されたものだということ、記事をまとめつつ、大いに気になっていたことでした。

>この種の皇統に関わっての神事は、明治になってから整えたもののように思います。四方拝や歳旦祭、新嘗祭、神楽などとは違うような。

四方拝や神楽にしましても、途絶えていたり衰退していたものを復活させ、仰々しくしたという感想をもってしまいました。

明治政府の目的は、天皇という存在を絶対的なものとして人心を掌握し、富国強兵を進めることにあったわけで、天皇の神格化のために祭祀の整備や重装が必要だったのだと思います。

これら肥大化した祭祀は、戦後に整理されるはずだったのが、責任者不在のまま放置され、いつの間にか仰々しい形で復活していたということのようです。
利権がからんでいるかもしれません。

新嘗祭など、弥生時代に淵源するような、本当の意味での日本古来の意味をもつ大事な祭祀は残し、
大陸由来の仰々しい祭祀は見直し、すっきりさせるのがよいと個人的には思います。

皇后や皇太子妃は十二単を着て祭祀をしなければならず、その負担は相当なもの。年に数回ならまだしも、頻繁にあるとすると、無駄で重い負担にしかならないのではないでしょうか。


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