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ゴヨウツツジの会

愛子さまを敬愛しつつ皇室について学ぶ市民の集い

特集 敬宮愛子さま立太子・女性天皇への道(国会動向、参考記事)-(2)

2024-06-13 01:11:33 | ニュース特集
特集 敬宮愛子さま立太子・女性天皇への道(国会動向、参考記事)(1)続編

敬宮愛子内親王殿下の立太子実現に向けて、国会動向と参考記事をレポートします。詳細はコメント欄をご覧ください。

■れいわ新選組たがや亮議員、男系男子限定の議論は不可解として「質問主意書」提出(6/17)

 れいわ新選組のたがや亮議員は今国会中の6月17日、「皇室典範改正に向けての議論に関する質問主意書」を、額賀福志郎衆議院議長に提出した。質問主意書とは国会開会中に衆参の国会議員が各院の議長を経由して内閣に対して質問する文書で、内閣からは原則として文書で回答される。
 たがや氏は同文書において、今国会会期中に額賀氏が招集した皇位継承に関する「全体会議」は、あらかじめ男系男子継承を前提とした論点に絞られ、国民世論とはあまりに乖離したものになっていると指摘。「なぜ、"国民の総意に基づく"皇位継承問題の議論で、国民から示された多数意見を論点にすら取り上げようとしないのか、誠に不可解としか言いようがない」として、岸田総理に次の4件の質問を投げかけている(同文書のPDF版から質問部分を抜粋)。同議員HPによると、内閣からの回答は6月28日が予定されているという。


▲岸田総理に投げかけられた4件の質問
画像出所:衆議院HP掲載「質問主意書」PDF版から該当部分を抜粋(URL下記)


▲たがや亮議員
画像出所:衆議院内閣委員会(2023年2月10日)の動画より

◎質問主意書全文[PDF] (衆議院HP)
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon_pdf_s.nsf/html/shitsumon/pdfS/a213174.pdf/$File/a213174.pdf
◎質問主意書全文[テキスト](たがや亮氏ホームぺージ)
https://www.ryotagaya.jp/questionnaire
◎質問答弁経過情報(衆議院HP)
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/213174.htm

■自民・石破氏、女系容認の議論を立憲・野田氏に促す(6/18)




▲「BSフジ プライムニュース」で、自民・石破氏は女系天皇の議論が必要と立憲・野田氏に語りかけた
画像出所:BSフジの動画(URL下記)より

 6月18日放送の「BSフジ プライムニュース」で、自民党の石破茂氏と立憲民主党の野田佳彦氏が女系天皇について言葉を交わした。同番組はYouTubeで公開されており、「後編」の後半、約3分半ほどの対話である。以下、該当部分を当編集部で文字起こししたものを示す。

<該当部分の文字起こし>
 野田氏が「国家経営3原則」として掲げる「外交の基軸は日米」「官僚の知恵もつかう」「皇室を大切にする」のうち、3番めのテーマで言及。( )内は当編集部による注、発言者名の「後藤」は同番組で同席したジャーナリストの後藤謙次氏。

 野田:「外交の基軸は日米」に反対する人はいないと思いますよ。
 司会:なるほど。「皇室を大切にする」とかこの辺のお話については?
 野田:これも皇室典範特例法の時に一致結束して対応していますから。
 司会:なるほど。ではそこは特に問題になることではないと?
 野田:ええ。
 司会:石破さん、この3原則についてどう思いますか。
 石破:それでいいんですよ。(以下、外交と官僚の話を省略)「皇室を大切にする」というのは、女性天皇まではいいんでしょう。女系になったらどうするんですかという議論を突き詰めていないんですね。これは反対の方は絶対反対。だけど私たちはこんなことやっていると皇室なくなりますよと思っているわけです。もちろん男系優先に決まっているが、女系も完璧に否定していいんですかと。それは私、皇室を大切にするということと少しずれていると思うんです。だから野田さんがそういったことのさらに先を議論するというのは、今の日本にとってすごく大切なことだと思うんですね。

 司会:今の女系の話、どうですか? 野田さんは女系天皇を認めるお立場なんですか?
 野田:私は男系男子が基本だと思っています。ただし少なくとも男系女子(の天皇)はつくれるようにしないと。女性天皇ですね。そのために女性皇族は婚姻後も皇族で残れるように。そうすると配偶者やお子さんが(自民党案のように皇籍に入れず一般国民のままでいいのかと)。
 だって、その女性皇族は摂政になったりするわけです。職務代行もする。女性天皇になりうる。そのときに(配偶者やお子さんが)国民でいいのかと。ということを今、自民党と調整しなけりゃいけないと思っているんで。少なくとも男系女子までは(可能とする道筋を)つくれるようにしたい。

 後藤:そのもう一歩先です、石破さんが言っているのは。
 野田:その一歩先は、有識者会議(が出した報告書)は逃げている。(有識者会議が)逃げているテーマをいきなり政党間で大議論では決まらないんで。その枠の中で丁寧な議論をしていきたいということです。
 後藤:3つ目の皇室の話、野田さんが総理時代にやり残したことですね。野田政権で意見書まで纏めながら結局安倍さんに反故にされたというか棚ざらしにされた。これをもう一度、自分がやりたいんだということで。隠された意欲が滲み出ていると感じます。

<文字起こしここまで>

■有識者会議の「逃げ」を理由に自らも逃げる野田氏

 女性天皇から一歩進めて女系天皇について論じるべきという石破氏に対し、野田氏は「有識者会議が逃げているから」を理由に、自らも逃げている。共産党や社民党のように有識者会議報告書の欺瞞を堂々と指摘し、「皇位継承を男系男子に限定するのは憲法違反」「皇族数の確保ではなく、今ある皇統の危機について、女性女系天皇について論じるべき」と、なぜ主張できないのだろう。

 男系男子派は「女性天皇は女系天皇に繋がる」「女性皇族の配偶者や子をも皇族とすれば女系天皇に繋がる」として、野田氏が道筋をつけようとしている「男系の女性天皇」「女性皇族は結婚後も皇室に残り、配偶者も子も皇族とする」という案に絶対反対の立場だ。
 自民党は、そうした頑迷な男系男子派(日本会議、旧統一教会)の牙城なのであるから、立憲・野田氏の案を飲むことは決してない。結局のところ、石破氏が言うように「女系天皇について詰める」ことなしには、危機に瀕している皇統問題は解決せず、時間を浪費するだけだ。野田氏はなぜ、その現実を見ようとしないのだろう。

■"ほんものの有識者"を招き「女系天皇を詰める」努力を

 野田氏の弱腰の原因は「私は男系男子が基本だと思っています」という言葉に端的に表れている。野田氏だけでなく、立憲民主党には女系天皇は認め難いという議員が少なからずいるという。そんな人たちが、頑迷な男系男子派の思い込みを解き、「男系女性天皇」「女性皇族が当主となる女性宮家」の必要を認めさせることはとうてい無理だろう。

 頑迷な男系派の代表である八木秀次氏が女系容認の石破氏を叩く記事がさっそく出ているが(記事URL下記)、彼らが言う「皇統は初代から例外なく男系で続いてきた」「男系でなければ皇統ではない」などという主張は、史実を無視した誤りだ。それこそ"ほんものの有識者"を招いて、男系派の嘘を明らかにする勉強会を開いてはどうか。"ほんものの有識者"による新たな報告書を作成してはどうか。2005年の有識者会議報告書のバージョンアップ版が欲しい。

 戦後の古代史が明らかにしている男系派の嘘を、国会の場でも明らかにしていただきたい。石破氏が言う「女系天皇について詰める」、つまり女系天皇でまったく問題がないことを理解して認識を改め、弱腰を正さなければ、世論調査ではつねに2割以下の男系派に、9割の女性天皇賛成派が負けてしまう。日本会議が多数を占める国会では、国民の意識とかけ離れた、頑迷な男系派が残念ながら多数派なのだから。

 番組の最後に「私の提言」として、石破氏は「国民の共感を得る努力」、野田氏は「政権交代」を挙げた。女性女系天皇を求める圧倒的多数の国民の共感を得る政治を、そこに向けた努力を、石破氏は必要と考えるのだろう。野田氏も本気で政権交代を望むなら、弱腰や欺瞞は捨てて、女性女系天皇を望む国民の声に真摯に向き合う努力を、その姿勢を、示していただきたい。
(ゴヨウツツジの会「皇室ニュース」編集部)

◎【自民総裁選と立憲代表選】戦略と両氏への待望論など徹底議論 石破茂×野田佳彦 BSフジ プライムニュース2024/6/18放送<後編>
https://www.youtube.com/watch?v=3tAyBxE07os&t=1558s
◎石破氏、女系天皇に含み 「完璧に否定でいいのか」 共同通信 6/18(火) 23:28配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/5c2353668cffac925cfb8685370d5680c2344a81
◎石破茂氏が〝女系天皇容認〟発言で波紋、総裁選に影響か 八木秀次氏「立憲民主党の一部や共産党の考えに近い」 夕刊フジ 6/19(水) 17:00配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/d53eccb7209076c6407dd6b832e13dbec01e8bad

■今国会中の「皇族数確保」意見集約断念。政府は2005年報告書に戻って仕切り直しを(6/11)


▲今国会中の意見集約断念を伝えるTVニュース。
画像出所:日テレNEWS 6/11(火) 配信動画より(URL下記)

 5月23日に突如方針が変更され、毎週開催予定だった全体会議が停止となって半月以上経過した6月11日、今国会中の意見集約断念との速報が流れた。今国会が終わる23日までに立法府の総意を取りまとめたいとしていた額賀福志郎衆院議長の目途は頓挫した。
 全体会議中止の代わりに進めるとしていた各党派の個別聴取は今週後半から始め、終わらない場合は閉会中も継続を検討するという。だが、皇室問題の専門家や識者が論外とする現在の2案(2021年有識者会議報告書を根拠に、男系男子に限定した継承を前提としている)に拘泥していては、まっとうな議論は望めない。本来の目的である「皇位継承の安定化」から離れ、「皇族数の確保」に目をそらした現在の2案は破棄し、2005年の小泉政権時にまとめられた有識者会議報告書(女性女系容認)に立ち返るべきである。
 男系男子継承という明治の幻想にしがみついていては、皇統問題は永遠に解決しない。幻想を手放して女性天皇賛成90%という国民世論に真摯に向き合い、「静謐な環境」という密室から出て「風通しのいい環境」を整え、現実に立脚した実のある議論を早急にスタートしていただきたい。

◎皇族確保策、今国会の集約断念 自・立、個別論点で溝埋まらず  共同通信、2024年6月11日 19時26分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/332878
◎皇族の数の確保方策、今国会中の意見とりまとめ困難に 日テレNEWS 6/11(火) 22:59
https://news.yahoo.co.jp/articles/cf3aaf3eab27718746ff896a3f0b1d065c33ad62

【参考記事】北原みのり氏:「愛子天皇」「女性天皇」支持する国民の声は雅子さまの30年を知る私たちの実感(6/06)

 女性問題に詳しい北原みのり氏は、雅子さまが皇室に入られてから30年の苦難の日々を国民が見てきたことが、愛子天皇を望む世論を後押ししていると推測する。雅子さまが耐え忍ばれた苦しみを二度と繰り返してはならないと、私たちは確かに心の奥に固く思うものがある。

◎「愛子天皇」「女性天皇」を支持する国民の声は雅子さまの30年を知る私たちの実感だと思う AERA 6/6(木) 16:46配信
https://dot.asahi.com/articles/-/224539?page=1

【参考記事】山田順氏:「愛子天皇」熱望の国民世論を無視、「根拠なき伝統」で天皇制もてあそぶ保守派(6/01)

 「憲法と国民世論に照らし愛子天皇を認めるべき。そうしないと日本は衰退する一方だ」という非常にまっとうな記事であるが、いくつか疑問点があり、本記事コメント欄に、anima mea氏が以下のポストをしている。

>すでに秋篠宮文仁さま(58歳)は皇位継承順位1位の「皇嗣」(こうそ)となり、「立皇嗣の礼」も終えているからだ。これにより、秋篠宮さまの長男・悠仁さま(17歳)の皇位継承順位2位も確定している
 秋篠宮と悠仁様の継承順位1位2位は「確定」までには至っていません。立皇嗣の礼を行おうがそこは変わらず「暫定」のままです。また「皇嗣」の読みは「こうし」では。

>2006年、皇室に41年ぶりの親王となる悠仁・親王が誕生すると、この改正案はあっという間にたち消えになった
 小泉政権下の典範改正議論が立ち消えになったのは「悠仁様誕生後」ではなく「秋篠宮夫妻に第三子懐妊が発覚した時」です。まだお腹の子の性別も分からない時期なのに典範改正議論を封じたので「お腹の子の性別が既に男子と分かっていたのでは?」という疑惑が当初から持ち上がっていました。

>皇位継承権は、次男の文仁・親王の秋篠宮家に移ったのである
 まだ令和の御世なのに「秋篠宮家に皇位継承権が移った」と断じるのは誤りでは。

>女性皇族が皇族以外の男性と結婚して、生まれた子どもが皇位を継ぐという女系天皇の前例はない
 過去の歴史上、本当に「皇族以外の男性の子が皇位を継いだ例はない」と言い切れるのでしょうか。DNA鑑定など無かった時代、天皇や皇族以外の男性と通じて子をもうけた例が絶対に無かったとは言い切れない。夫以外の男性の子をまるで夫の子のように育てるという所謂「托卵」は、男系に拘る方が危険性が増すと思います。

>当時の女帝は、生涯独身を通さなければならなかった。そうしないと、子どもが皇位を継いだ場合、王朝交代が起こるからだ
 この「王朝交代」というワードは男系男子派が好んで使うものですが、「女性天皇の子が皇位を継ぐと王朝が変わる」という概念に非常に違和感を抱きます。母娘で皇位継承した例もあるのですし、そもそも王朝交代という概念は日本という国を揺るがすほどの重大事項だったのでしょうか?

◎「愛子天皇」を熱望する国民世論は無視。天皇制をもてあそぶ保守の“根拠なき伝統”と“時代錯誤” Yahoo!Japanニュース
6/1(土) 0:41 山田順(ヤフーエキスパート記事)
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/765462b61f459ba824e4bbdcff735b3cd1894ab8

【参考記事】森暢平氏:闊達な「140年前の女性天皇議論」紹介、現在の停滞ぶり浮き彫りに(5/27)

 成城大教授の森暢平氏は、明治時代に活発に行われた女性女系天皇議論を紹介し、「現在の国会における皇位継承議論では、女性天皇・女系天皇がタブーとなっている」ことの奇妙さ、お粗末さを浮き彫りにした。
 「国会をつくった明治の先人たちができた女性天皇・女系天皇議論が今はできない。異常な時代となった」。

◎140年前より後退したニッポンの女性天皇議論 エコノミストOnline 2024年5月27日
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20240527/se1/00m/020/001000d

【参考記事】安冨歩氏:女性女系天皇先送り国会を痛烈批判「もはや政権交代しかない」(5/24)

 元東大教授の安冨 歩氏は、自民党とその雷同保守が「女性天皇賛成90%」という国民世論を無視し、男系男子を死守する案を推し進めようとしていることを取り上げ、このまま保守政治に皇室改造を任せていては象徴天皇制は滅んでしまうと痛烈に批判した。以下はその一部要約。

 小泉内閣時の2005年に女性女系天皇を認める報告書が出ており、これを実施しないと皇室は存続できないことは明らか。しかし小泉後の安倍政権がこの報告書を凍結し、放置し続けたため、皇室は今非常に危機的状況にある。
 現在、女系天皇容認を明確に掲げているのは共産党と社民党だけで、自民党、公明党、維新はもちろん、立憲民主党さえ女性女系天皇を認める議論は躊躇している。国民世論と国会の乖離はすさまじい。なぜこのような事態が起きているのか。
 皇室と国民は、戦前の「軍隊や国民を盾として"守られる王"としての天皇」ではなく、戦後の「国民の安寧を祈る王、"国民を守る王”としての天皇」へと天皇認識を変えた。しかし、国家機構はそうではなく、戦前の"守られる天皇"を引き継いでいる。国会議員をやっているような人の大半は、そういう世界観から離れられていない。このまま保守政治に皇統問題を任せていては象徴天皇制は滅んでしまう。国を救うためにはもはや政権交代しかない。



▲小泉政権時の有識者会議報告(女性女系天皇容認)から現在の2つの愚案(男系男子継承死守)に至るまで、痛恨の放置が行われた経緯について解説する安富氏
画像出所:下記動画より

◎象徴天皇制の危機。自民党が国民世論無視で進める改造・・・もはや政権交代しかない!国会はもはや国民の総意を代表せず! 「一月万冊」2024年5月24日
https://www.youtube.com/watch?v=ZNXLh1T8_MQ

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皇位継承 結論見送りへ…参院選後に 自民・立民 隔たり (anima mea)
2025-06-03 20:37:28
◎皇位継承 結論見送りへ…参院選後に 自民・立民 隔たり
2025/06/03 05:00 読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20250603-OYT1T50036/

安定的な皇位継承に関する与野党協議を巡り、衆参両院の正副議長が目指していた夏の参院選までのとりまとめを見送る方向で調整に入ったことが2日、わかった。自民党と立憲民主党が非公式協議を重ねてきたが、双方の立場の隔たりが埋まらず、さらに時間が必要と判断した。
複数の与野党関係者が2日、明らかにした。与野党協議は主に、①女性皇族の身分を結婚後も保持する②旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える―の2案が議論され、①については各党・各会派がおおむね賛同していた。
ただ、結婚後の女性皇族の夫と子に皇族の身分を付与するかどうかについては、自民が、母方のみが天皇の血を引く「女系天皇」につながりかねないとの懸念から付与に反対し、立民は前向きな姿勢を示していた。
両党が歩み寄れる案を探るため、自民の麻生太郎最高顧問と立民の野田代表が非公式協議を重ねてきたが、麻生氏は、夫と子に皇族の身分を付与するのは戦後に皇籍を離脱した旧11宮家の男系男子と結婚した場合に限るべきだと主張。野田氏は身分付与の可否を皇室会議で判断する案を示し、平行線をたどっていた。
①に関し、結婚後も皇族の身分を保持するかどうかを女性皇族が選べるようにすることは与野党がおおむね賛同した。この方策だけを先行し、まとめるべきだとの意見もあったが、額賀衆院議長らは、「夫と子への身分付与と一緒に結論を出すべきだ」との慎重論を踏まえ、先送りに傾いた。
返信する
このままでは手遅れになる「愛子天皇」。「男系男子」にこだわると皇統は行き詰まる (anima mea)
2025-06-03 19:29:37
◎このままでは手遅れになる「愛子天皇」。「男系男子」にこだわると皇統は行き詰まる!
6/2(月) 15:26 山田順(ヤフーエキスパート記事)
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/497f6e4e395308ed39e01db2be585b3e1f695350

■国会審議は皇位継承問題の本筋を逸脱
不思議なことに、敬宮愛子内親王を次期天皇にするという議論は、今国会でまったくなされていない。議論されているのは、皇族数の減少への対応策として、(1)女性皇族を結婚後も皇室に残す(2)旧皇族の男系男子を養子に迎える、の2点だけである。
(1)に関しては、ほぼ全政党間で合意ができているが、その場合、配偶者と子どもも皇族とすべきかどうかについて、与野党で考え方に隔たりがある。自民党は皇族としないとし、立憲民主党は皇族とすることも検討すべきとしている。
自民が皇族としないとしているのは、それが「女系天皇」につながりかねないからだ。共産党は「女性天皇も女系天皇も認められるべき」という立場である。
(2)に関しても、いちおうの合意ができているが、養子となった男性の皇位継承資格に関して見解がまとまっていない。その後に生まれた男子が継承資格を持つことを適切としても、養子男性自身は資格なしというのが自民と公明で、立憲民主は結論を保留。まずは、養子の対象となる男性がいるのかどうか、そして、その候補者の意思も確認すべきだと主張している。日本維新の会も同様だ。

■合意できるところだけを取りまとめて先送り
このように、国会の皇位継承のあり方をめぐる審議は、ただ単に皇族数を増やす。そのためにどうするかという議論に終始し、意見も別れている。そのため、「合意できるところだけをまとめるしかない」という話が伝えられている。
というのは、参議院選挙前、つまり今月中(6月いっぱい)に、衆参両院の正副議長が立法府としての取りまとめ案を提示するとしてきたからだ。
となると、「女性皇族は結婚後も皇族として残ることができる」「旧皇族の男系男子を養子に迎えることができる」ということだけが、決まることになる。そして、その具体的な処遇については先送りされてしまう。
しかし、これは皇位継承問題の本筋ではなく、小手先だけの改正にすぎない。それでも、この案が取りまとめられると、どうなるだろうか?
女性天皇、女系天皇への道はほぼ閉ざされてしまうのは間違いない。具体的に言うと、国民の8割が望む愛子天皇は誕生せず、愛子さまは結婚後に皇籍降下せずに皇族として残ることだけが認められることになる。

■保守派の主張は“男尊女卑の国”を守ることに!
(略)

■国連勧告に反論しカネを差し止めた政府
(略)
 
■男系男子天皇への「中継ぎ」は女性蔑視
日本の歴史には、8人の女性天皇が存在している。そのうち、奈良時代の第44代元正天皇を、先代がやはり女性の元明天皇だったことから、前回記事で私は「過去に女系天皇は存在した」「女系天皇と言えるのではないか」と述べた。しかし、これはやはり無理筋で、保守派から徹底して、“無知”と非難された。
元正天皇の父は天武天皇と持統天皇の子の草壁皇子。草壁皇子は天皇として即位をしていないとはいえ、元正天皇はその血をついでいるので、立派な「男系」であるからだ。
ただ、元正天皇は史上初めて未婚のまま即位した女性天皇であり、草壁皇子の男系の血を守るため意図的に婚姻を回避させられたことは疑いようがない。
つまり、次の男系男子天皇への「中継ぎ」に過ぎなかったのである。これは古代だから当然だが、いまで言えば間違いなく男尊女卑、女性蔑視である。なのに、いまこの時代においても、この伝統を守るべきなのだろうか。
保守派には、「女性差別などしていない」とし、女性天皇を容認する人間もいる。しかし、女系だけは絶対に認めない。となると、もし女性天皇が誕生したとしても、生涯独身を貫くという“暗黙のプレッシャー”を受けることになる。それを乗り越えて結婚して子を授かっても、その子は男子女子に関わらず、皇位を継げない。

■女性天皇、女系天皇を認めようとした小泉政権
かつて、小泉純一郎内閣に設置された「皇室典範に関する有識者会議」は、女性天皇、女系天皇を容認する報告書を出した。
具体的には、「伝統的な男系継承を安定的に維持することは極めて困難で、女性天皇、女系天皇への道を開くことは不可欠」「皇位継承順位は天皇の直系子孫を優先し、男女を区別せず、年齢順にして長子優先とすべき」という内容だった。
また、現在、議論されている旧皇族男子の養子問題も、「旧皇族はすでに60年近く(当時)一般国民として過ごしており、これらの方々を皇族として受け入れることは、国民の理解と支持を得ることが難しい」とした。
この報告書に基づいて国会決議で皇室典範が改正されれば、当時3歳だった愛子さまに、将来の天皇となる道が開かれるはずだった。しかし、2006年9月に秋篠宮家に悠仁親王が誕生すると、すべては立ち消えになった。
有識者報告書を、保守派はいったんは受け入れていた。それが、悠仁親王誕生で一変した。となると、保守派は、日本の伝統を守るのが保守の本道であるなどと、本当に言えるのだろうか? 皇室を敬い、その伝統を守る気概が、本当にあるのだろうか?

■欧州の王室は性別に関係なく長子優先
(略)
 
■皇位継承順位は決まっているので無理では?
愛子天皇待望論に釘を差すのが、すでに次期天皇は秋篠宮さま、その次は悠仁さまと決まっている、いまさら、皇位継承順位を変更することなどできるのか?という反論だ。
しかし、結論から言えば、それは可能だろう。なぜなら、皇位を正式に継ぐ皇太子が、現在、存在しないからだ。秋篠宮さまも悠仁さまも、皇位継承順位として1位、2位であるということで、正式な意味での皇位継承者として決まっているわけではない。
2020年11月に秋篠宮さまの「立皇嗣の礼」が行われたが、これは皇位継承順位の第1位を確認する儀式である。この儀式によって、次期天皇が確定したとは言い切れないのだ。
したがって、早急に皇室典範の改正が行われ、「男系男子」が「直系長子」と改定されれば、敬宮愛子内親王が皇太子となり、正式に皇位を継ぐことが可能になる。

■皇室典範の改正で愛子天皇は誕生する
日本国憲法は、第1条で「天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」と定め、第2条で「皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」とある。
憲法には、男性優先の規定はない。したがって、まず、皇室典範の第1条の「男系男子」を「直系長子」に変え、それに伴って他の条文を改正すれば、愛子天皇は誕生する。ただし、その改正は早ければ早いほどいい。そうでないと問題が生じる。
たとえば、現在の国会審議のように、結論を先送りし続けると、次期天皇に秋篠宮さまが即位する日が訪れる。そして、皇統は傍系に移ることになる。
すると、それ以後に女性天皇を認める改正を行った場合、その次の天皇は秋篠宮家の長子の眞子さまは結婚して皇籍離脱されているので、次女の佳子さまということになる。もちろん、改正しなければ悠仁さまになる。

■華々しい報道により日本の伝統が世界に理解される
いずれにせよ、国民が愛子天皇誕生を強く望むいまが、改正すべきときである。このタイミングを逃すと、日本に女性天皇は永遠に誕生せず、皇統はいずれ行き詰まる。もし、後継の悠仁天皇に男子が誕生しなかったら、それが現実化する。
愛子さまが皇太子になられる立太子の礼と、天皇即位式典は、内外に華々しく報道され、日本のイメージは大きく変わるだろう。愛子さまが、長い歴史のなかで9人目の女性天皇になられることで、日本が女神である天照大神を皇祖神とし、古代から女性を尊重していたということが広く世界に知れ渡る。
これこそが、本当に皇室の伝統を守ることではないだろうか? 男系だろうと、女系だろうと、皇統はつながっていく。

※割愛した「略」部分はURLからご覧ください。
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敬宮愛子様は29日、皇宮警察のランチコンサートをお忍びで鑑賞された後、天皇陛下とともにウィーン少年合唱団の演奏会もご鑑賞されました♪ (anima mea)
2025-05-29 22:27:22
♪愛子さまがお忍び鑑賞で笑顔 皇宮警察音楽隊のランチコンサート
5/29(木) 15:05配信 朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/AST5Y1G6KT5YUTIL014M.html

皇宮警察音楽隊のランチタイムコンサートが29日、皇居・東御苑で開かれた。天皇、皇后両陛下の長女愛子さまもお忍びで鑑賞した。
コンサートは定期的に開かれており、この日は六甲おろしや大阪・関西万博のテーマソング「この地球(ほし)の続きを」が演奏され、サンバ・デ・ジャネイロでは観客がリズムにあわせて拍手を送った。愛子さまは離れた場所から演奏を見守り、楽しそうに笑みを浮かべていた。
司会を担当した坂下護衛署の吉田萌香さん(23)は高校でアナウンス部に所属。この日が司会デビューといい、吉田さんは「かまないように練習しました。たくさんの方に楽しんでいただけていたらうれしいです」と話していた。
皇宮警察音楽隊は春と秋の園遊会や、皇居での行事で演奏を披露している。
(以下略)

♪陛下と愛子さま “天使の歌声”「ウィーン少年合唱団」を鑑賞 時折手拍子をするなど熱心に
5/29(木) 16:09配信 TBS
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1944559?display=1

天皇陛下と長女の愛子さまは、“天使の歌声”の愛称で知られる「ウィーン少年合唱団」のコンサートを都内で鑑賞されました。
陛下と愛子さまは午後1時半ごろ、「ウィーン少年合唱団」の公演を鑑賞するため、東京・新宿区にあるコンサートホールを訪れ、来場者からの大きな拍手と歓声に会釈をして応えられました。
ウィーン少年合唱団はユネスコ無形文化遺産にも登録されている合唱団で、今年、初来日から70周年を迎えて、日本でツアーを行っています。
陛下と愛子さまは駐日オーストリア臨時代理大使らと会話しながら、時折、曲に合わせて手拍子をするなど熱心に鑑賞されました。

♪天皇陛下と愛子さま「天使の歌声」鑑賞 ウィーン少年合唱団 「ふるさと」の歌詞口ずさまれる
5/29(木) 16:32配信 FNN
https://www.fnn.jp/articles/-/879523

天皇陛下と長女の愛子さまは、「天使の歌声」として知られるウィーン少年合唱団の来日公演を鑑賞されました。
午後1時半ごろ、陛下と愛子さまは都内のホールを訪れ、観客からの拍手と歓声に笑顔で会釈をされました。
ウィーン少年合唱団は、500年以上の歴史を持つ世界有数の少年合唱団で、陛下は先週面会したオーストリアの大統領に、合唱団の来日公演を楽しみにしていると伝えられるなど、皇室とも深いつながりがあります。
今年は初来日から70年の節目にあたり、陛下と愛子さまはお二人で時折手拍子を取りながら「天使の歌声」に聴き入り、唱歌「ふるさと」では観客と共に歌詞を口ずさまれました。
先週末の埼玉訪問を取り止めた皇后さまは出席を控えられました。

♪天皇陛下と愛子さま、合唱団公演に
5/29(木) 18:15配信 時事通信
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025052900939&g=soc

天皇陛下と長女愛子さまは29日、東京オペラシティコンサートホール(東京都新宿区)で開かれたウィーン少年合唱団の公演を鑑賞された。
陛下と愛子さまは「美しく青きドナウ」などの合唱に耳を傾け、曲が終わるたびに拍手を送った。「ふるさと」で観客が一緒に歌い出すと、合わせる形で口ずさんだ。
鑑賞後は指揮者らと懇談。陛下は「コロナで大変だったでしょう」と気遣い、愛子さまは「美しいハーモニーに感銘を受けました」と話したという。 

♪天皇陛下と愛子さま、ウィーン少年合唱団ご鑑賞 「ふるさと」歌詞を口ずさむご様子も
5/29(木) 18:54配信 産経新聞
https://www.sankei.com/article/20250529-MWOK4WN6NRMCDAXEPN5TPSFC6A/

天皇陛下と長女の敬宮(としのみや)愛子さまは29日、東京都新宿区のコンサートホールを訪れ、ウィーン少年合唱団の公演を鑑賞された。
天皇陛下は合唱団の歌声に耳を傾け、盛んに拍手を送られていた。愛子さまは鑑賞中は眼鏡をかけ、熱心にご覧に。童謡「ふるさと」が披露された際は、お二方は観客とともに歌詞を口ずさまれていた。
愛子さまは同席した関係者に「ハーモニーが美しいですね」と話されたという。また、陛下は終演後、合唱団関係者から新型コロナウイルス禍で活動が制限された時期があったことを伝えられ、「大変でしたね」とねぎらわれたという。

♪天皇陛下、愛子さまと「天使の歌声」鑑賞 東京・新宿
5/29(木) 20:23配信 朝日新聞
https://www.asahi.com/koshitsu/?iref=pc_gnavi

天皇陛下と長女愛子さまは29日、東京都新宿区の東京オペラシティコンサートホールで、ウィーン少年合唱団の公演を鑑賞した。
今年で来日公演開始から70周年を迎えた同合唱団の公演には、天皇ご一家も度々足を運んでいる。この日は、ヨハン・シュトラウス2世作曲「美しく青きドナウ」や、黒澤明監督の「生きる」で使われた「ゴンドラの唄」などが披露された。高野辰之作詞、岡野貞一作曲の「故郷(ふるさと)」では、観客も一緒に歌詞を口ずさみ、お二人も加わるなどして「天使の歌声」を楽しんだ。
お二人は終演後に合唱団の指揮者兼指導者らと懇談。愛子さまは「美しいハーモニーに感銘を受けました」と英語で伝えたという。
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なぜ「愛子天皇」ではいけないのか? 保守派の「男系継承による万世一系」はフィクションに過ぎない (anima mea)
2025-05-29 22:14:40
◎なぜ「愛子天皇」ではいけないのか? 保守派の「男系継承による万世一系」はフィクションに過ぎない!
5/27(火) 15:42 山田順(yahooエキスパート記事)
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/7abec7158e834d5a029354e7b197a1f843c31acc

■皇位継承を議論する国会審議の見当外れ

参議院選挙前までに、衆参の正副議長が取りまとめ案を示すとされる「皇位継承」問題の与野党協議が大詰めを迎えている。本来なら、女性天皇、女系天皇誕生への道を開くために、「皇室典範」の改正を議論すべきなのに、それは棚上げ。
皇位継承者を確保するため、女性皇族を結婚後も皇室に残す案、旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える案などが、話し合われているだけ。まったくの見当外れと言っていい。
これでは、国民の8割が望む愛子天皇は誕生しない。
敬宮愛子内親王もすでに24歳。立派に公務を果たされているのに、いつまでも宙ぶらりんな状況に置かれては、ご本人も国民も気が休まらない。

■読売の「女系天皇」容認の提言に保守派が大反発

5月21日に開かれた自民党の「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」(会長・麻生太郎最高顧問)では、従来の方針が確認された。それは、改めて言うまでもない「男系継承による万世一系」を維持・尊重するということ。
この方針に、公明党、日本維新の会、国民民主党はおおむね賛同しているから、このままいけば愛子天皇は誕生しない。
こんな状況に危機感を持ったのか、5月15日、読売新聞は、保守派のメディアとしては画期的な皇室特集記事を掲載した。その中の最大の注目は、社説。
読売の社説は、女性宮家の創設と、女性皇族の夫と子も皇族にするように要望したうえで、女性天皇はもとより、女系天皇の可能性を排除しないようにと提言していた。
この提言に、多くの自民党議員が反発した。
その筆頭は、“コバホーク”こと小林鷹之前経済安保相。彼は、「X」で、「女系天皇などありえない」というひと言で、読売の提言を切って捨てたのである。
もし、読売の提言が実現すると、皇統は現天皇の徳仁陛下の1人娘、愛子さまが継ぐことになり、女性天皇が誕生する。そして、その先に、愛子天皇の子息が天皇になる道が開ける。

■「男系継承」を天皇制の根幹とする理由

(略)

■女系では神武天皇由来のY染色体が継承されない

(略)

■「万世一系」には根拠がないと思う4つの理由

(略)

■遺伝子から見たY染色体継承への疑問

(略)

■歴代天皇のDNA解析ができない宮内庁の壁

(略)

■遺伝子解析できたとしても継承は確認できない

(略)

■遺伝子解析による「日本人3系統説」

(略)

■いないとする「女系天皇」はかつて存在した

「男系継承による万世一系」を正当化するために、日本では女系天皇は1人も存在しないと、保守派は言ってきた。
女帝(女性天皇)はいたが、それは「中継ぎ」とされてきた。しかし、歴史を振り返ると、女帝の母から皇位を継いだ女性天皇(つまり女系とも言える天皇)は存在した。
天皇家は近親婚が多かったので、その面から見れば、母方、父方、両方の血統を受けた「両系継承」があった。
たとえば、奈良時代の女帝、第44代元正天皇の母は元明天皇(天智天皇の4女)で、父は天武天皇(天智天皇の弟)と持統天皇の子の草壁皇子。草壁皇子は天皇として即位していないので、女系による天皇即位とも言えるのである。
元正天皇は、もちろん男系の血を引いている。しかし、母親の血筋のほうが重視されて内親王となっていたので、女系による継承だったとも言えるのだ。
近親婚があった昔と現代は違うが、保守派が男系にこだわることは、こうした歴史もあるので、あまりに頑迷すぎないだろうか。

■女性は天皇になれない皇室典範の時代錯誤

皇室典範の規定では、女性は女性であることだけを理由に天皇になれない。皇室典範第1条「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」とあり、天皇の血筋を父方から受け継いだ男系の男子のみが天皇になることを定めているからだ。
これは、いくらなんでも時代錯誤である。愛子さま待望論があろうとなかろうと関係ない。
男女の格差を示す「ジェンダー・ギャップ指数」(2024年)で、日本は146か国中118位。G7で最下位である。つまり、日本は女性の地位が諸外国に比べ圧倒的に低く、男尊女卑の国と見られているわけで、皇室典範の規定はこうした日本のイメージを助長している。

■男性、女性であることよりも大事なことがある

国会審議は少なくとも、皇室典範第1条を変えることを優先すべきではなかろうか。そうして、愛子天皇を誕生させる。この方向に持っていくべきではないか。
そうすれば、この老いたる国は明るさを取り戻す。愛子天皇誕生により、日本は長期低迷から脱するだろう。
男系であることがそんなに大事だろうか。男性、女性という性別よりも、どんな方が天皇になられるかのほうが、国民にとってはるかに大事である。
最後に書かせてもらえば、母から生まれた子どもは、間違いなくその母の子どもであり、出自を確かめる必要などない。天皇が男系であろうと、女系であろうと、この事実は変わらない。こちらのほうが、男系遺伝子の継承より、より尊重されるべきことではないだろうか。
世界で唯一の日本の皇統の伝統は、これからは女性が繋いでいけばいい。

※割愛した「(略)」箇所はURLからご覧ください。
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毎日新聞の最新世論調査でも、女性天皇賛成が7割という高い数値が出ました。 (anima mea)
2025-05-24 19:28:14
◎「皇室に関心あり」は6割、女性天皇賛成は7割 毎日新聞世論調査
2025/5/22 14:00 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20250522/k00/00m/040/080000c

毎日新聞は17、18日に全国世論調査を実施し、皇室への関心の有無を聞いた。「今の皇室に関心がある」は「大いに」と「ある程度」を合わせて66%で、「あまり」と「全く」を合わせた「関心がない」の33%の2倍に達した。ただ、年齢層別にみると、18~29歳では「ない」が50%で、「ある」の49%をわずかに上回った。年齢層によって関心度合いは違い、年齢層が上がるほど関心も高くなる傾向があった。女性天皇容認は70%だった。

◇30代以降は「関心あり」多数
「ない」が上回ったのは18~29歳のみで、30代以降は関心ありが多数派だった。30代が54%、40代が57%。50代になると68%と7割近くに高まり、60代で76%、70歳以上は82%と最も高かった。
全年齢層でみると「ある」の回答の内訳は「大いに」が19%、「ある程度」が47%で、「ない」の内訳は「あまり」が23%で「全く」が10%だった。積極的な関心は2割にとどまっており、皇室への関心が皇位継承を巡る制度の議論にまで及んでいるかは不透明だ。
現在の皇室は、天皇陛下より若い次世代の6人の皇族のうち、5人を女性が占める。皇位継承権のある男性は秋篠宮ご夫妻の長男悠仁さま(18)しかいない。安定的な皇位継承策の議論は、早期決着に向けた世論の盛り上がりが乏しいまま、長年結論が出ない状態が続いている。

◇女性天皇反対は6%
また、今回の調査では「女性が天皇になること」への賛否も尋ねた。賛成は70%で反対が6%だった。「どちらとも言えない」が23%に上り、無回答は1%だった。
調査方法が異なるため単純に比較できないが、同様の質問をした2024年5月調査では賛成は81%、反対は10%だった。女性天皇容認はこの約20年間の毎日新聞の調査では7割弱~9割弱で推移している。小泉純一郎政権が女性天皇実現を視野に有識者会議を設置した後の05年2月調査では87%、悠仁さまが生まれた直後の06年9月調査では72%だった。
24年5月の調査は、天皇、皇后両陛下の長女愛子さまが日本赤十字社に就職し、公務を本格化させた時期で、今回の調査は悠仁さまの成年の記者会見や大学進学を経てから初めての調査だった。こうした事情も数値の推移の背景にあるとみられる。

女性天皇容認を支持政党別で見ると、自民党72%▽立憲民主党78%▽日本維新の会76%▽国民民主党67%▽れいわ新選組80%▽公明党と共産党はいずれも8割弱、「支持政党はない」と答えた無党派層は69%だった。

調査は、スマートフォンを対象とした調査方式「dサーベイ」で実施した。全国の18歳以上約7400万人から調査対象者を無作為に抽出。2045人から有効回答を得た。

(皇室の先細りが進む中、皇室制度の今後は重要な課題です。毎日新聞は世論調査で、皇室への関心の有無など国民意識の定期的な観測を続けます。)
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皇統の存続を最優先に…憲法の「世襲」大原則[読売新聞社提言] ② (anima mea)
2025-05-16 14:54:14
◎皇統の存続を最優先に…憲法の「世襲」大原則[読売新聞社提言] 
2025/05/15 05:05 読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/koushitsu/20250514-OYT1T50239/

◇負担減 持続可能に 

〇男系男子

現在最も若い皇位継承資格者である秋篠宮家の長男悠仁さまは、秋篠宮さま以来41年ぶりに皇室に誕生した男子だ。その間も9人の女子が誕生したが、皇室典範で皇位継承資格は「男系男子」に限られ、女性皇族にはない。悠仁さまに男子が生まれない限り、126代を数える天皇の系譜が途絶える危機的な状況にある。
政府は小泉政権で、皇統を安定的に維持する方策の検討に着手した。2005年の有識者会議で母方のみが天皇の血を引く「女系」を容認する案をまとめたが、06年の悠仁さまご誕生で皇室典範の改正は見送られた。12年に野田政権、21年に菅、岸田両政権でも検討したものの「男系維持」「女系容認」の対立で方策の実現には至っていない。

〇16人に減少

皇室の危機は現在の活動にも及んでいる。この20年間で女性皇族4人が「結婚したら皇族の身分を離れる」という皇室典範の規定に従い、皇籍離脱した。また4人の皇族方が逝去し、05年に23人いた皇室の構成人員は16人にまで減少した。
現在、未婚女性5人はいずれも20歳以上で、いつ結婚してもおかしくない。70歳以上は6人で、上皇ご夫妻は公務を退かれた。皇室の維持そのものが課題であり、現実的な方策を速やかに講じる必要がある。

〇与野党で知恵を

この20年の議論に共通する最大のポイントは「制度的な安定」にある。その実現のためには、日本国憲法に明記されている「皇位は世襲」という大原則に立った議論が最優先になる。
世襲の皇位をさらに「男系男子」と限定している皇室典範は、我が国の最高法規・憲法の下位法で、国会の議決で改正することが可能だ。主張が割れる「男系か女系か」の前に「世襲をいかに維持していくか」を優先し、それを実現するための最良の知恵を与野党の協議で示してほしい。
悠仁さまは昨年9月に成年になられた。いずれ結婚されると考えると、将来のお 妃きさき 候補に男児出産の期待が過度にかかる状況は、結婚自体の妨げにもなる。天皇陛下と結婚した皇后さまが、こうしたプレッシャーを受ける立場に置かれ、体調を崩されたことを忘れてはならない。皇室の方々も生身の人間であり、精神的・肉体的な負担のかからない、持続可能な方策とする努力も求められる。
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皇統の安定 現実策を…皇族減 典範改正が急務[読売新聞社提言]① (anima mea)
2025-05-16 00:54:06
◎皇統の安定 現実策を…皇族減 典範改正が急務[読売新聞社提言]
2025/05/15 05:06 読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/koushitsu/20250515-OYT1T50012/

皇族数の減少が深刻だ。皇位継承権を持つ皇族は3人となり、皇統の存続が不安視される状態が続いている。安定的な皇位継承の確保は先送りできない政治課題となっており、与野党は衆参両院議長の下で行われている協議で今国会中に結論を得なければならない。読売新聞社は4項目の対策を提言する。

1 皇統の存続を最優先に―安定的な皇位継承を先送りするな
2 象徴天皇制維持すべき―国民の支持に沿った方策を
3 女性宮家の創設を―皇室支える皇族数が必要
4 夫・子も皇族に―与野党は合意形成に努めよ

30年前に26人だった皇室の方々は現在、天皇陛下(65)を含めて16人となっている。皇位継承権を持つのは、秋篠宮さま(59)と長男の悠仁さま(18)、上皇さまの弟の常陸宮さま(89)の3人しかいない。
悠仁さま以外の未婚の皇族は、天皇、皇后両陛下の長女愛子さま(23)や秋篠宮家の次女佳子さま(30)ら5人で、全員女性だ。
与野党の協議では主に、〈1〉女性皇族の身分を結婚後も保持する〈2〉旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える――の2案が議論され、夏の参院選前の取りまとめを目指している。
このうち、〈1〉については各党・各会派がおおむね賛同しているが、女性皇族の夫と子に皇族の身分を付与するかどうかで意見が対立し、議論は現段階で行き詰まっている。
特に自民党は、夫や子に皇族の身分を与えると、将来的に母方のみが天皇の血を引く女系天皇につながり、父方が天皇の血を引く男系で126代継承してきた皇室の伝統を覆しかねないと懸念している。夫や子への皇族身分の付与は、女性皇族が旧宮家の男系男子と結婚した場合に限るべきだとの立場だ。
ただ、皇統の存続を最優先に考えれば、女性皇族が当主となる「女性宮家」の創設を可能にし、夫や子にも皇族の身分を付与することで、皇族数の安定を図ることが妥当だろう。皇室のあり方を定めた法律である皇室典範は女性皇族が結婚した場合、皇族の身分を離れるとしているが、早急に改正する必要がある。
象徴天皇制は戦後、国民に定着し、太平洋戦争の戦地を訪れて慰霊したり、災害現場で被災者に寄り添ったりする皇室の活動は深く敬愛されている。皇室典範は、天皇の地位は「男系の男子である皇族」が継承すると定めているが、男系男子にこだわった結果、皇室を危うくさせてはならない。
日本の歴史上には8人の女性天皇が存在している。皇統を安定的に存続させるため、女性天皇に加え、将来的には女系天皇の可能性も排除することなく、現実的な方策を検討すべきではないか。憲法には、象徴天皇制と天皇の地位の世襲制が規定されているだけだ。
〈2〉の旧宮家の男系男子を皇室に迎える案については、これまで一般人として生活してきた人が皇族になることへの国民の理解が得られるかどうかなど、不安視する声も少なくない。慎重に検討する必要がある。

◇責任を持って結論を…社会部長・竹原興

皇位継承の安定維持を巡っては、皇太子妃だった皇后雅子さまのご懐妊のタイミングで議論が始まった。しかし、この20年間、政府・国会の検討は先送りされ、成案は得られていない。
皇位継承の資格は3人がお持ちだが、最も若い秋篠宮家の長男悠仁さま(18)も成人になられた。現行制度のままでは、悠仁さまに男児が生まれなければ、皇統が途絶えてしまうのは明らかだ。
また、結婚に伴って女性皇族が皇室を離れたり、逝去される方がいたりと、天皇陛下を支える皇室の方々も15人にまで減少した。
上皇さまはかつて、「女性皇族の存在は、その場の空気に優しさと温かさを与え、人々の善意や勇気に働きかけてくれる」と述べられた。女性皇族の離脱を食い止めなければ、国民の幸せを祈る 祭祀さいし や海外訪問を通じた国際親善などを担う方もいなくなってしまう。
相次ぐ自然災害や感染症拡大などの危機において、天皇を中心とした皇室は常に国民を思い、国民に寄り添って社会の安寧を祈ってこられた。
こうしたお姿は国民に支持されている。読売新聞社が3~4月に実施した全国世論調査で、将来、皇位継承が難しくなることに不安を「感じる」と回答した人が71%に上ったのも、皇室を将来にわたって維持してもらいたいという国民の願いの裏返しだ。
国会では、皇位継承のあり方に関する与野党の協議が進んでいる。国家と国民統合の象徴を巡る危機に際し、今こそ責任を持って結論を出さなければならない。
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ついに国連が「男系男子限定」に勧告…宗教学者が断言「皇室典範改正→愛子天皇実現への初手はこれしかない」 そもそも皇統を男系男子に限る根拠は極めて薄弱である (anima mea)
2024-11-13 19:51:35
◎ついに国連が「男系男子限定」に勧告…宗教学者が断言「皇室典範改正→愛子天皇実現への初手はこれしかない」 そもそも皇統を男系男子に限る根拠は極めて薄弱である(島田 裕巳)
2024/11/13 8:00 PRESIDENT Online
https://president.jp/articles/-/88043

10月末、国連による民法改正勧告がなされた。「皇位継承」についても含まれ、「皇位は男系男子が継承する」とする皇室典範の改正も求められている。宗教学者の島田裕巳さんは「保守層、あるいは男系固執派には、いまだに旧皇室典範の考え方が受け継がれているように見える」という――。

◇愛子天皇実現に連なる国連の勧告

思わぬ形で、日本は愛子天皇実現の方向にむかわざるを得なくなった。
10月29日、国連の女性差別撤廃委員会は日本政府に対する勧告を含めた最終見解を公表した。
その勧告では、夫婦が希望すれば結婚前の姓を名乗ることができる「選択的夫婦別姓」を可能にするよう民法改正を進めるとともに、皇位継承における男女平等を保障するため、皇位は男系男子が継承すると定めた皇室典範を改正することが求められている。
現在の皇室典範では、第一条で、「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と規定されている。この規定が女性差別にあたるというのである。
国連が選択的夫婦別姓導入のための民法改正を勧告するのはこれが4回目である。皇位継承のことについては初めてになる。2016年にも、そのことを勧告に盛り込もうとする動きがあったものの、日本政府が抗議することで、それは削除された。しかし、今回は勧告に含まれることとなった。

◇女系天皇容認論への強い反対

これに対して、林芳正官房長官は同月30日の記者会見で、勧告において「皇位継承にかかる記述がされたことは大変遺憾だ」と述べ、同委員会に強く抗議し、削除を申し入れたことを明らかにした。
政府は勧告が出る前にも、同委員会において、皇室の問題をそうした形で取り上げることは適切ではないと反論していた。
また、「皇統を守る国民連合の会」の会長である葛城奈海なみ氏は、同委員会でスピーチを行い、「天皇は祭祀さいし王だ。ローマ教皇やイスラムの聖職者、チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ法王はみな男性なのに、国連はこれを女性差別だとはいわない。なぜ日本にだけそのように言うのか」と発言した。この会は任意団体で、女系天皇容認論に強く反対し、戦後に臣籍降下した11宮家の皇族復帰を求めている。
勧告は法的拘束力を持つものではないので、ただちに日本が皇室典範の改正を行う必要はない。だが、その方向にむかわなければ、同委員会は、次の機会にも同じ勧告を行うはずである。それは、一定の圧力になる。
勧告が出た後、葛城氏は、産経新聞の取材に対して、「毅然と『国家の基本』を継承していく姿勢を貫くべき。勧告はスルーして構わない」と述べている。

◇ローマ教皇を引き合いに出すのは妥当か

しかし、彼女の反論については、それが有効なものなのかどうか、そこに大きな疑問をいだかざるを得ない面がある。
葛城氏は、ローマ教皇やダライ・ラマ法王のことを反論の材料にあげている。たしかに、ローマ教皇はこれまですべて男性である。しかも、カトリック教会では、女性が神父になることを認めていない。それは、プロテスタントとの決定的な違いで、プロテスタントでは女性の牧師がいくらでもいる。
ダライ・ラマも、現在で14世になるが、こちらもすべて男性である。チベット仏教では尼僧もいるが、女性がその最高位につくことはない。
その点で、葛城氏の反論はもっともなものに思えるかもしれない。けれども、国連の委員会が、この二つのケースを女性差別の実例として問題視することは考えられない。というか、制度的にあり得ないのだ。
というのも、勧告の対象となるのは、「女性差別撤廃条約」を批准している国連の加盟国にかぎられるからだ。日本はその対象になっているが、ローマ教皇の居住するバチカン市国は国連の非加盟国である。常任のオブザーバーの地位にはあるが、投票権は認められていない。それに、カトリック教会は世界に広がった宗教組織であり、国連と直接に関係を持っているわけではない。

◇皇室を政治の問題として扱う国連の立場

ダライ・ラマの場合には、かつてはチベット政府の元首であったものの、現在ではチベットから追い出され、亡命政権となっている。チベット亡命政権は国連には加盟していないし、チベットは中華人民共和国の領土となっている。
したがって、国連の委員会が、ローマ教皇やダライ・ラマが男性ばかりである点をとらえて、それを女性差別として、その是正を勧告することは、そもそもあり得ないのである。
果たして葛城氏は、その点を理解しているのだろうか。
日本の天皇をローマ教皇やダライ・ラマと並べて論じることは、葛城氏が、それを宗教の問題として扱っているという印象を他の国に対して与える可能性がある。
国連は、それをあくまでそれぞれの国の政治の問題として扱っているのであり、そこにはどうしてもズレが生じてくる。それは、複数の委員から「国連は他の王室がある国にも言ってきたので、日本にも言っているだけ」という声があがったところに示されている。皇室も、王室一般ととらえられているのだ。
ヨーロッパの王室でも、かつては男性しか国王になれないところが多かった。ところが、第2次世界大戦後、男女同権の考え方が広まることで、第1子が男女を問わず王位を継ぐ「長子相続制」をとる国が増えてきた。今なお、女性の王位継承を認めないのはリヒテンシュタインだけになった(朝日新聞2024年10月30日)。国連の委員の念頭には、こうしたことがあるわけである。

◇天皇を男性に限定したのは明治時代

それに、カトリック教会もチベット仏教も宗教であり、いくらその組織の規模が大きくても、それは民間の団体である。そうした宗教団体に対して、国連という政治組織が介入することは、近代社会で確立された政教分離の原則に反することになる。
そうした点で、葛城氏の国連に対する批判は的を射たものにはなっておらず、かえって日本側の認識の誤りを露呈する形になってしまった。日本政府の反論も、国連の勧告を軽視するものとしか、他の加盟国には受け取られないだろう。
しかも、日本の歴史を振り返れば、飛鳥時代から奈良時代にかけては、多くの女性の天皇があらわれ、江戸時代にも女性が天皇に即位している。天皇を男性に限定したのは、明治時代になってからで、法的には旧皇室典範からである。その点で、皇統は男性男系に限るという考え方は、近代に生まれたものである。果たしてそれをもって「伝統」と言えるのかどうか、そこがどうしても疑問になってくる。
もし皇室典範の改正がなされなかったとしたら、国連の委員会は、ふたたび同じ勧告を行うだろう。選択的夫婦別姓に対する勧告が4回に及んでいるわけだから、事態が変わらなければ、勧告はくり返されるはずだ。

◇女性宮家創設で生まれる新たな女性差別

懸念されるのは、その間に、今、皇族の確保のために模索されている女性宮家が実現されたときである。
女性も宮家の当主になれるという点では、女性差別の解消に一歩前進したように受け取られるかもしれない。ただそこで問題になってくるのが、宮家となった皇族女性と結婚した配偶者や、その間に生まれた子どもの扱いである。
現在のところでは、女性宮家の配偶者や子どもは皇族とはしないという考え方が有力である。仮に愛子内親王が結婚した後、女性宮家に皇族として残っても、その夫や子どもは皇族ではなく、一般国民にとどまることになる。
となると、男性宮家の妻や子どもとの間に格差が生まれる。男性宮家の妻や子どもは、そのまま皇族になるからである。
これは新たな女性差別ではないか。
国連の委員会はそれを問題にするだろう。となると、さらに勧告は厳しいものになるかもしれない。
そうなれば、政府も勧告に対して反論することが、今以上に難しくなっていく。そもそも、皇統を男系男子に限定した明治以降の考え方は、家父長制を基盤においており、現代の感覚からすれば、完全に時代遅れのものなのだ。

◇女性・女系天皇実現に必要な初手とは

なぜ皇統は男系男子に限るのか。その根拠は極めて薄弱である。
日本の歴史のなかで、多くの女帝が誕生してきたことを踏まえるならば、その根拠は、明治時代に「そのように決めた」というところにしか求められない。
しかも、それを規定している皇室典範は、現在では一般の法律とかわらないもので、国会の議決でいつでも改正が可能である。
戦前の旧皇室典範は、皇室にのみかかわる「家憲かけん」とされ、官報にも掲載されず、発表も非公式のものであった。その一方で、「典憲てんけん」ということばがあり、大日本帝国憲法と同格と見なされた。
したがって、帝国議会によって改正ができないものであった。そこが、戦後の新しい皇室典範とは決定的に違うのだ。
保守層、あるいは男系固執派には、いまだに旧皇室典範の考え方が受け継がれているように見える。本来なら、戦後に今の皇室典範が生まれたとき、「皇室法」と改称すべきだった。そうなっていれば、いつでも改正が可能な法律のイメージが生まれていたことだろう。
皇室典範を皇室法と改称する。手初めに必要なのは、その着手かもしれない。
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国連は「女性差別的な皇室典範改正」を最終勧告を公表しました。 (anima mea)
2024-10-29 23:54:18
◎皇室典範改正を勧告 選択的夫婦別姓導入を 国連委
10/29(火) 21:42配信 時事通信
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024102901245&g=soc

【パリ時事】国連女性差別撤廃委員会は29日、8年ぶりに行った対日審査の「最終見解」を公表し、女性皇族による皇位継承を認めていない皇室典範の改正を勧告した。
選択的夫婦別姓の導入に向けた法改正も求めた。最終見解に法的拘束力はない。
皇室典範は「皇位は皇統に属する男系男子が継承する」と定めてある。国連委は前回2016年の審査時、最終見解案に見直しを求める記述を盛り込んだが、日本政府が手続き上の問題などを理由に反論し、削除された経緯がある。
今月17日にスイス・ジュネーブで行われた審査で日本政府は「皇室制度は歴史や伝統を背景に、国民の支持を得て今日に至っている」と強調。皇位継承の在り方は「国家の基本に関わる事項で、委員会が取り上げることは適当ではない」と主張した。
これに対し最終見解は、皇室典範の規定が女性差別撤廃条約の「目的・趣旨に反する」と指摘。他の条約締約国を参考にしながら「皇室典範を改正し、皇位継承における男女平等を保証するよう勧告する」とした。
一方、同委は03年、09年、16年と過去3回の審査で、夫婦同姓を義務付けた民法の規定が「差別的」だと繰り返し指摘。前回16年は法改正に「遅滞なく取り組む」ことを促していた。
ただ、日本政府は今回も、選択的夫婦別姓を巡り「国民の意見は分かれている」として、導入には「幅広い国民の理解を得る必要がある」と慎重姿勢を崩さなかった。このため同委は、今後2年以内に勧告の実施に向けて講じた措置を報告するよう日本に求めている。 

◎国連女性差別撤廃委、日本に夫婦別姓の導入を勧告 皇室典範の改正も
10/29(火) 21:53配信 朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASSBY4417SBYUTIL01DM.html?iref=comtop_7_01

女性差別撤廃条約の実施状況を審査する国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)は29日、日本政府に対する勧告を含む「最終見解」を公表した。選択的夫婦別姓の導入や、個人通報制度を定めた選択議定書の批准を求めたほか、「男系男子」が皇位を継承することを定める皇室典範の改正を勧告した。
スイス・ジュネーブの国連欧州本部で今月17日、8年ぶりの日本政府の対面審査が行われた。NGOからの情報提供も踏まえ、委員会が最終見解をまとめた。
最終見解では前回2016年の勧告以降の、結婚年齢の格差解消や、女性の再婚禁止期間廃止を実現する法改正などを評価する一方、幅広い分野で改善を勧告した。
委員会は2003年、09年、16年と過去3度、「夫婦同姓」を定める民法改正の必要性を指摘している。17日の審査で委員が「女性のほとんどが夫の姓を名乗っており、アイデンティティーや雇用に悪影響を及ぼしている」と指摘。政府側は「国民の間で意見が分かれている」などとして選択的夫婦別姓の推進方針を明示しなかった。
委員会は最終見解で民法改正を求め、前回16年に続いて、最も重要な「フォローアップ項目」に指定した。
勧告では人権侵害された個人が国内で救済されない場合に国際機関に訴えられる個人通報制度を定める「選択議定書」の批准も求めた。条約の実効性を高める狙いがあり、条約の締約国189カ国のうち115カ国が批准している。
また、中絶に配偶者の同意が必要だとしている母体保護法の要件削除を求めた。審査で委員は「日本が近代国家、経済大国であることを考えると驚くべきことだ」と述べていた。
「男系男子」が皇位を継承することを定める皇室典範についても、最終見解は「委員会の権限の範囲外であるとする締約国の立場に留意する」としつつ、「男系の男子のみの皇位継承を認めることは、条約の目的や趣旨に反すると考える」と指摘。「皇位継承における男女平等を保障するため」、他国の事例を参照しながら改正するよう勧告した。政府側は17日の審査で、「皇位継承のあり方は国家の基本に関わる事項であり、女性差別撤廃条約に照らし、取り上げることは適当でない」と反論していた。
このほか、性的少数者の人権をめぐって、同性婚を認めるよう求めた。昨秋の最高裁判決で違憲・無効となった性同一性障害特例法の生殖不能要件のもと、不妊手術を受けた人への賠償も要請。沖縄の女性への性暴力を防止し、加害者を適切に処罰することなども求めた。
各国政府は、男女差別の解消と平等の実現を求めた女性差別撤廃条約に基づいて、取り組みを報告する。審査は数年ごとに行われ、日本は16年に続き6回目。勧告に法的拘束力はない。ただ、批准する条約の理念の実現に向けて尊重が求められている。
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立憲民主党代表選候補者4人のうち、泉氏を除く3人が「女性天皇」に言及しました。 (anima mea)
2024-09-17 00:24:03
◎立民代表選3氏、女性天皇を容認 泉代表は明言避ける
9/15(日) 19:12配信 共同通信・東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/354399

立憲民主党の野田佳彦元首相、枝野幸男前代表、吉田晴美衆院議員の3氏は15日、仙台市の党代表選討論会で女性天皇を容認する考えを示した。歴史上、前例があることや皇族数の減少を理由に挙げた。泉健太代表は「衆参両院議長の下、超党派で議論している最中であり、党代表として最も答えにくい」と述べ、明言を避けた。
野田氏は、推古、持統両天皇の例を挙げ「歴史と伝統を踏まえてもあってしかるべきで、各党間でまとめられるはずだ」と語った。
吉田氏は「女性天皇は歓迎する立場だ」と説明した。
枝野氏は「国民的合意はほぼできている。早期に認めるべきだ」と強調。女系天皇については「時間をかける余地がある」と指摘した。

◎立民代表選発言動画文字起こし(東北で9月15日に行われた討論会の場面)
https://x.com/shimejiro2/status/1835349319869993237

枝野氏:女性天皇については早期に結論を出さないといけない所に迫られています。私は女性天皇賛成です。女系の方については国民的な合意が天皇制については重要だと思いますので、少し時間をかける余地があると思いますので、時間をかけて議論をする。でも女性天皇は早く決めないと間に合わないということもありますので、早期に女性天皇を認めるというかですね、昔もあったんですから女性天皇は。私はある意味で必然で、過去に女性の天皇がいなかったわけじゃないんですから、歴史と伝統にも何も反しないと。国民的合意もほぼできてると思いますので、私は女性天皇は早期に決めるべきだと思っています。

吉田氏:立権民主党の党で、野田候補もご一緒させていただきましたけれども、安定的皇位継承を考える会のメンバーの一人として、私も参加させていただきました。一番大事なことは、皇位を継承していくために、何が必要なのかということを冷静に考えるべきではないかなというふうに思います。私自身は女性天皇の容認というか、歓迎の立場であります。一方で先ほど、泉候補からもご指摘ありましたが、その配偶者の方の皇室に皇位があるのか、それとも一般人なのか、一般人ということはその方は自由人ですので選挙にも出られる。これでいいのか?っていう議論ですとか、逆に男性の所に嫁いでいった場合はその女性は皇位をもらう皇族になるわけですが、女性の所に女性と男性が民間から入った場合、その男性は例えば皇族でないとすると、憲法上の問題がないのか?とか、様々な論点があると思っています。ここは本当に丁寧に日本国憲法に定められています「天皇は国民の象徴である」「国民の総意に基づく存在である」という所を丁寧に、そして、落ち着いた環境で、しっかり話をしていくということが大事だと思います。私は皇位が続いていっていただきたい、そのための議論をしたいというふうに思っています。

野田氏:私は党の意見を取りまとめる責任者であり、各党と交渉する当事者ですので、個人的な意見を申し上げるのは控えたいと思います。現状だけ申し上げますとね、皇位の安定的な継承、一番本質的な問題は、女系でもいいのかどうか、男系か女系か。これが決着をつける決勝戦です。まだそこまで行きません。じゃあ次は女性天皇は良いのかどうか。これ準決勝です。男系の人達でも、男系女性ですから女性天皇と。過去には推古天皇も持統天皇もいたわけで、歴史と伝統と踏まえてもこれはあってしかるべき。ここは本当はまとめるはず、まとまられるはず。それ以前の段階で今は皇族の減少にどう歯止めをかけるかという準々決勝をやってるんですね。その準々決勝はどんなことかというと、今までお話があった通り、女性皇族がご結婚された場合にはこれまでは民間人にならなきゃいけない。皇室典範で決まってるわけで。それでも留められるようにすることが、我々が言ってる女性宮家なんです。そこの論点としては配偶者やお子さん達が国民のままというのが各党の意見です。我々は配偶者やお子さんも皇族にすべきであるということ。なぜならば憲法が衝突するのですね。女性皇族は制限があります、色んなことが。でも国民は制限ないでしょ?選挙権を持っているだけはなく、皇族、投票権持っていませんよ?でもご家族が投票権を持っていて、被選挙権を持っていて、政党を作れることもできる。そんな家庭ってありますか?SNSで色々発信できる、言論の自由もあるんですよ。お子さんが街歩いててタレントにスカウトされて職業選択の自由だって。タレントになってもいいんですか?そういう皇族はあり得ないじゃないですか。だから配偶者もお子さんも皇族として認めるように、これ残念ながら今少数なんです。この闘いをやっています。ほかの政党みんな言ってるのは「旧宮家の復活」、そこから養子をもらおうと。これは各党全部OKです。ただこれは色んな論点がある、慎重に議論していきましょうと言ってるのが今の現状ということで終了マークが出ましたので、もっと言いたいですけどやめときます。ありがとうございました。

※泉氏の文字起こしは割愛しましたが、上記アカウントの方のURLから見られます。
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皇室研究家が断言…「皇位継承の安定化を本気で願うなら道は『愛子天皇』しかない」シンプルな理由 (anima mea)
2024-07-30 20:03:24
◎皇室研究家が断言…「皇位継承の安定化を本気で願うなら道は『愛子天皇』しかない」シンプルな理由(高森明勅)
7/26(金) 9:17配信 プレジデントオンライン
https://president.jp/articles/-/84041

先の国会で始まりそうだった、安定的な皇位継承の在り方の本格的な議論は、あっという間に暗礁に乗り上げた。神道学者で皇室研究家の高森明勅さんは「政治の迷走が続いているが、皇位継承の安定化を本気で願うならば、女性天皇を認めて敬宮殿下が次の天皇として即位できるように制度を改正するという選択肢しかない」という――。

■実はシンプルな話のはずなのに

皇位位継承の将来をめぐって政治の迷走が続いている。これは、敬宮(としのみや)(愛子内親王)殿下をはじめとする女性皇族方の人生にも関わる、大切な問題だ。
しかし、普通に考えると至ってシンプルな話ではあるまいか。

ポイントは2つだけ。
1つは、国民の多くが素直に敬愛の気持ちを抱いている天皇・皇后両陛下とのご血縁が最も近く、そのお気持ちをまっすぐに受け継いでおられる方こそ、次の天皇として誰よりもふさわしいということ。
もう1つは、皇位継承の行き詰まりが予想される現在の困難な状況を踏まえ、より安定的な皇位継承を可能にするルールを探るべきこと。それだけだ。

前者に当てはまるのは、言うまでもなく両陛下のご長女、敬宮殿下に他ならない。
殿下が「女性だから」という“だけ”の理由で皇位継承資格を認めない今のルールは、およそ時代錯誤も甚だしい。実際、各種の世論調査でも、現在の皇室典範で排除されている「女性天皇」を認める声が、圧倒的に多い。たとえば共同通信が4月27日に発表した調査結果では90%、毎日新聞が5月19日に発表した調査結果では81%という数字だ。
後者について言えば、一夫一婦制のもとで少子化が進んでいるにもかかわらず、側室制度を前提とした女性天皇排除の「男系男子」限定ルールを、今もなお維持している“ミスマッチ”こそが、皇位継承の不安定化の最大の要因だ。

■唯一の突破口は「女性天皇」

したがって、迷路からの出口もシンプル。
国会が国民からの負託に応え、皇室典範を改正して女性天皇を可能にし、敬宮殿下が現在は不在の「皇太子」(=天皇のお子様で皇位継承順位が第1位の皇族)になられ、“次の天皇”として即位される道を拓くこと。それこそが問題解決への唯一の突破口だ。
秋篠宮殿下におかれても、「皇太弟」という、次の天皇であることが確定しているのかのような称号をあえて避けられた。あくまでも“傍系”の皇嗣として、「秋篠宮」の宮号をそのまま維持されている。
この目の前の事実を直視すれば、自ら即位を辞退されるお考えであることは、とても分かりやすいはずだ。そもそも、ご年齢が天皇陛下よりわずかに5歳お若いだけ。なので、客観的にも即位の可能性は想定しにくい。
念のために付け加えると、皇室典範第3条には「皇嗣」の継承順序を変更できることが規定されている。
にもかかわらず、国会を構成する各政党・会派の協議の土台になっている政府提案のプランでは、女性天皇の可能性があらかじめ除外されている。これは不可解だ。

■男系男子は日本の伝統ではない

これからの日本において、ことさら「男系男子」に固執しなければならない理由は何か。この点について、残念ながらこれまでに説得力のある根拠が示されたことはない。
(中略)
・・・皇位継承資格を男系男子という狭い条件に限定したのは、「伝統」でも何でもない。明治の皇室典範で初めて、前近代以来の側室制度とセットで採用された、まったく新しいルールにすぎない。

■女性天皇は「日本らしさ」の表れ

よく知られているように、前近代には江戸時代まで10代・8方の女性天皇がおられた(2代の天皇は退位後に重ねて即位)。それらの方々を一律に「中継ぎ」などと軽視できないことは、近年の歴史学の研究成果によってすでに明らかになっている(『論点・日本史学』令和4年[2022年]刊など)。
その上、女性天皇と皇族男性の間に生まれたお子様を男性皇族ではなく女性天皇の血筋=女系と位置付け、皇位継承資格も認める法的なルール(「継嗣令」)が存在した。
これらの事実は、「男尊女卑」の風潮が根強かった東アジアの他の国々には見られない、“日本らしさ”の表れと言える。

■側室制度あっての男系男子

過去の天皇を振り返ると、その約半数は側室のお子様だった。当たり前ながら、皇后がついに男子に恵まれなかったケースは数多くある。
傍系の宮家でも事情はもちろん同様だった。
それでも「続いてきた」のはなぜか。側室制度の貢献による。だから、もしどうしても「伝統」という言葉を使いたいなら、“側室とセット”で伝統だったと言わねばならない。
しかし改めて言うまでもなく、側室制度はとっくに過去のものになっている。側室なき(非嫡出子・非嫡系子孫の継承資格を認めない)男系男子限定など、今の皇室典範になって“初めて”採用した不安定極まる前代未聞のルールだ。
要するに、皇位継承を行き詰まらせる「男系男子」限定にこだわる理由も根拠もない、ということだ。

■ほかに現実的な対案はあるのか

(中略)・・・よって、皇位継承の安定化を本気で願うならば道は1つだけ。女性天皇を認めて、“直系長子”でいらっしゃる敬宮殿下が次の天皇として即位できるように制度を改正する、という選択肢しかない。

■能登半島地震被災地でのサプライズ
(略)
 
■「国民の中に入っていく皇室」
(略)

■小学生に声をかけられた愛子さま
(略)

■天皇ご一家の「黙祷」
(略)・・・一方、秋篠宮殿下におかれては、時代が令和に移り、皇位継承順位が第一位の「皇嗣」になられてからも、この日にご家族で黙祷を行われているという事実は公表されていない。
秋篠宮殿下の場合、現時点で継承順位が第一位という点では皇太子と共通するものの、“傍系”の皇嗣なので必ず次の天皇として即位されることが確定しているわけではない、という違いがある。このような黙祷の有無は、おそらくそうしたお立場の違いによるものだろう。・・・(以下略)

■愛子さまの前向きな覚悟

さらに敬宮殿下は、日本赤十字社へのご就職にあたり記者の質問への文書回答の中で、以下のように述べておられた。

「私は、天皇皇后両陛下や上皇上皇后両陛下をはじめ、皇室の皆様が、国民に寄り添われながらご公務に取り組んでいらっしゃるお姿をこれまでお側で拝見しながら、皇室の役目の基本は『国民と苦楽を共にしながら務めを果たす』ことであり、それはすなわち『困難な道を歩まれている方々に心を寄せる』ことでもあると認識するに至りました」。

殿下はここで「国民と苦楽を共にしながら……」をさらに一歩深められて、「困難な道を歩まれている方々に心を寄せる」というご自身の皇室像を示されている。かつて若き日の天皇陛下が、「国民とともにある皇室」から「国民の中に入っていく皇室」へと自らの皇室像を掘り下げられたのを想起させる。
進んで「皇室の役目」を背負おうとされる、敬宮殿下の前向きなご覚悟が伝わる。
敬宮殿下こそ次の天皇に最もふさわしい、と受け止めている国民は多い。それは、皇位継承の安定化のために欠かせない第一歩でもある。
このことを現実化するために必要なのは何か。「女性天皇」を可能にする皇室典範の改正だ。このところ国民から不信の目を向けられがちな国会は、新しい時代を切り開くために、今こそ勇気ある決断が求められている。

※全文は上記URLからご覧ください。
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国会の議論はあっという間に行き詰まった…皇位継承問題の解決をこじらせている最大の阻害要因(高森明勅) (anima mea)
2024-06-30 01:23:17
◎国会の議論はあっという間に行き詰まった…皇位継承問題の解決をこじらせている最大の阻害要因(高森明勅)
6/28(金) 8:17配信 プレジデントオンライン
https://president.jp/articles/-/82845

長く先送りにされてきた、安定的な皇位継承の在り方の議論が、今国会でようやく本格化しそうな気配を見せたものの、早々に暗礁に乗り上げ、会期中の決着は先送りにされた。神道学者で皇室研究家の高森明勅さんは「皇室継承問題をこじらせている最大の要因は、政府が、今の皇室典範が抱える『構造的な欠陥』に手をつけず、天皇陛下から秋篠宮殿下、さらに悠仁親王殿下へという今の皇位継承順序が“変更されない”範囲内で、事態の打開策を探ろうとしているからだ」という――。

■先送りされ続けてきた皇室典範改正
安定的な皇位継承を可能にする皇室典範の改正は、政治が責任を持って速やかに解決すべき最優先の課題だ。にもかかわらず、これまでいたずらに先送りされ続けてきた。
平成29年(2017年)6月、上皇陛下のご退位を可能にした皇室典範特例法が制定された時に、国会では政府に対してこの問題への速やかな取り組みを求める附帯決議が、全会一致でなされた。
その決議では、「安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家等について」と検討課題が明記されていた。
しかし政府が設置した有識者会議の報告書が提出されたのは、特例法が施行されてから3年も経過した令和3年(2021年)12月。しかも驚いたことに、その報告書は附帯決議が求めていた「安定的な皇位継承」「女性宮家」についてまったく“白紙回答”だった。
その上、勝手に論点をすり替えて“目先だけ”の皇族数の確保策を提案する内容で、提案された皇族数確保策の中身も問題だらけというお粗末さ。

■行き詰った国会の全党協議
しかし国会では自民党などの主導により、問題を抱えた報告書をベースにした協議が開始されることになった。額賀福志郎衆院議長が前のめりな姿勢を見せ、通常国会の会期中での決着が目指された。これはおそらく岸田文雄首相の意向を受けてのことだろう。
しかし、衆参正副議長の呼びかけという形で、全政党・会派が一堂に会して毎週1回のペースで協議を行う全体会議が5月17日にスタートしたものの、翌週の会議でいきなり中断することになった。今後はしばらく、衆参正副議長が各党派の意見を個別に聴く方式に、転換する。
これによって、当初もくろまれていた通常国会中での拙速な決着は、不可能になった。リーダーシップを取ろうとしていた額賀氏としては、とんだ汚点を残したことになる。なぜこんなつまずきが生じたのか。

■前代未聞の「家庭」が生まれてしまう
つまずきの理由は、報告書で提案されていた皇族数確保策の中身があまりにも荒唐無稽なために、立憲民主党などがそのまま受け入れにくいためだ。
そこで提案されている方策の1つは、内親王・女王がご結婚とともに皇族の身分を離れられるこれまでのルールの変更だ。従来のルールままだと、皇室には秋篠宮家のご長男、悠仁親王殿下お一人だけしか残らなくなってしまう。なので、それらの女性皇族方がご結婚後も皇室に残られるルールに変更する。
ただし、女性皇族の配偶者とお子様は、男性皇族の場合と違って「国民」と位置付ける、という内容だ。
これだと、一つの家庭の中に憲法第1章(天皇)が優先的に適用される皇族と第3章(国民の権利及び義務)が全面的に適用される国民が混在する、という極めて不自然な制度になる。附帯決議にあった「女性宮家」とはほど遠く、家族は“同じ身分”が原則となった近代以降、まったく前代未聞の家庭が生まれる。
この点について、立憲民主党の野田佳彦元首相は以下のように問題点を指摘している(『文藝春秋』4月号)。
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「女性皇族の配偶者は一般国民のままですから、あらゆる自由が認められることになります。たとえば配偶者は政治活動を自由に行うことができますし、投票権もある。『私はこの党に票を入れました』なんてSNSに投稿することだってできる。職業選択の自由がありますから、タレントにもなれるし、表現の自由も認められているので、自分の政治的な主義主張を発信することもできます。二人の間に生まれた子供たちにも、(国民であれば)そうした憲法上の自由が保障されなければいけません」
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■皇族と国民の夫婦・親子が抱えるリスク
社会通念上、夫婦や親子など家族は“一体”と見られがちだ。そうであれば、内親王・女王の配偶者やお子様の国民としての自由な振る舞いは、そのまま内親王・女王の振る舞い、さらに皇室そのものの振る舞いと受け取られかねない。
しかし制度上は一般国民である以上、憲法によって保障された自由や権利が恣意(しい)的に制約されることがあってはならない。もし法的根拠もない勝手な扱いが許されると、他の国民にも同じやり方が拡大される危険性をはらむ。
そうすると先のプランは、憲法が天皇の地位について公正中立・不偏不党が期待される「日本国の象徴」「日本国民統合の象徴」と規定し、政治への関与を禁止することとも、明らかに抵触する。

■女性皇族も国事行為を代行する可能性が
しばしば見逃されがちながら、内親王・女王も制度上、天皇の国事行為の委任を受けたり、それを全面的に代行する摂政に就いたりする可能性がある(「国事行為の臨時代行に関する法律」第2条、皇室典範第17条)。皇室の高齢化、少子化の趨勢の中で、その可能性はより高まるはずだ。
内閣総理大臣を任命したり国会を召集したりするなど、天皇の代行に当たる可能性がある女性皇族の配偶者やお子様が一般国民という制度は、無理で無茶というほかない。
したがって普通の感覚に立てば、立憲民主党などがそのようなプランにたやすく同意できないのも当然だろう。
国民民主党の玉木雄一郎代表は先頃、衆参両院議長から各政党・会派への個別の意見聴取を受けた際に、女性皇族の配偶者やお子様を「準皇族」とする新しい身分を設ける提案を行っている(6月19日)。しかし、憲法自体が「国民平等」原則の例外枠とする皇族で“ない”以上、そのような身分は憲法第14条が禁止する「貴族」(第2項)に当たるし、「社会的身分」による差別(第1項)を持ち込む制度だから当然、認められない。

■疑問だらけの旧宮家養子縁組プラン
政府提案のもう一つは、皇室を離れてすでに80年近くになるいわゆる「旧宮家」系の子孫男性に対して、今の皇族との養子縁組によって、新しく皇族の身分を与えようというプラン。しかし、これも問題が山積みだ。
そもそも、女性皇族とのご結婚という心情的な結びつきもなく、いずれ皇室にふさわしい国民女性と結婚して男子(!)に恵まれることが“至上命令”とされる厳しい条件下で、自ら国民としての自由や権利を手放して皇籍を取得しようとする該当者が果たして現れるか、どうか。また、そのような養子を迎え入れて「養親」になろうとする皇族がおられるか、どうか。
もっぱら“男子確保”の目的によって、不自然な形で皇族になった男性(プランでは皇位継承資格なし)に対して、幅広い国民が素直に敬愛の気持ちを抱けるか、どうか。率直にいって疑問だらけだ。
さらに、国民平等の例外枠である皇室の方々(皇統譜に登録)ではなく、“国民の中”から旧宮家系という特定の家柄・血筋=門地の者(戸籍に登録)だけが、他の国民には禁止されている養子縁組(皇室典範第9条)を例外的・特権的に認められるプランは、憲法が禁じる「門地による差別」(第14条)に当たる疑いが、いまだに払拭されていない。
その上、旧宮家系子孫男性は広い意味では「皇統に属する男系の男子」であっても、歴史上の源氏や平家などと同じく、すでに“国民の血筋”となっている。何より当事者自身も「皇統に属さない」という自覚を持っている(竹田恒泰氏『伝統と革新』創刊号、平成22年[2010年])。
その旧宮家系子孫から将来、もしも天皇に即位する事態になれば、これまでの皇統はそこで断絶する。旧宮家系という国民出身の“新しい王朝”に交替する結果になる。とても危ないプランだ。
だから、このような提案に対しても即座に同意できない党派が国会に存在するのは、当たり前だろう。

■政府が欠陥を抱えたプランを持ち出してきた理由
皇位継承問題をめぐる国会での合意づくりが難航している。その原因は、ここで述べたように自民党などが議論の土台にしようとしているプラン自体が、あまりにも大きな欠陥を抱えているからにほかならない。
では、政府がこのような疑問だらけのプランを持ち出してきた理由は何か。
そもそも皇位継承の未来が不安定化している背景は、今の皇室典範が抱える「構造的な欠陥」による。その構造的な欠陥とは、とっくに排除された側室制度があってこそ持続可能性を期待できた明治以来の「男系男子」限定ルールを、“一夫一婦制”の下でも見直さずに維持しているミスマッチだ。しかも、しばらく前から“少子化”というトレンドが加わっている。これでは行き詰まるのは当然だ。
京都大学准教授の川端祐一郎氏は、今後も「男系男子」限定ルールをそのまま維持した場合、生まれる子供数の平均を現在の合計特殊出生率の1.20より多めの1.5人と仮定しても、平均寿命を81歳と見て皇室の現状を踏まえると、早くも西暦2086年に皇統が途絶える可能性が最も高い、とシミュレーションしている(『表現者クライテリオン』令和4年[2022年]3月号)。
にもかかわらず、政府はその欠陥ルールをあたかも不動の前提のように扱って手をつけず、それによって規定された天皇陛下から秋篠宮殿下、さらに悠仁親王殿下へという今の皇位継承順序が“変更されない”範囲内で、事態の打開策を探ろうとしている。これでは、まともなプランを導けるはずがない。

■皇太子と傍系「皇嗣」の違い
一部に誤解があるようだが、秋篠宮殿下はあくまでも傍系の「皇嗣」であって、「直系」の皇嗣=皇太子・皇太孫ではない。
皇嗣とは皇位継承順位が第1位の皇族を指す。しかし同じ皇嗣でも、傍系の皇嗣と天皇のお子様で皇嗣いらっしゃる「皇太子」や、皇太子が不在の場合に皇嗣たるお孫様がおられた場合の「皇太孫」などとは、お立場が異なる。
その違いを簡単に列挙すると以下の通り。
----------
① 皇太子は次の天皇として即位されることが確定したお立場。これに対して、傍系の皇嗣は“その時点”で皇位継承順位が第1位であるお立場にすぎない。
実際、過去にしばらく昭和天皇の弟宮の秩父宮が傍系の皇嗣だったものの、皇太子(上皇陛下)がお生まれになったために、その地位が変更された実例がある。
理論的・一般的に考えても、直系の男子が誕生すれば当然、これまでの制度のままでも、傍系の皇嗣は“皇嗣”でなくなる。
目の前の現実を見ても、秋篠宮殿下は天皇陛下よりわずか5歳お若いだけ。なので不測の事態でも起きないかぎり、次の天皇として即位されることはリアルに想定しにくい。

② 皇室典範の規定では、傍系の皇嗣について「やむを得ない特別の事由があるときは」皇籍離脱の可能性を認めている。これに対して、皇太子・皇太孫の場合はもちろん、そのような可能性はいっさい排除されている(第11条第2項)。これは大きな違いだ。

③ 同じく皇室典範の規定では、本人に「故障」があって他の皇族が先に摂政に就任した場合、傍系の皇嗣ならその故障が解消されても、他の皇族がそのまま摂政を続ける。しかし、皇太子・皇太孫なら直ちに摂政に就く(第19条)。これも見逃せない違いだ。
----------
②③のような重大な違いがあるので、先の特例法では「皇室典範に定める事項については、皇太子の例による」(第5条)との規定によってカバーしている。

④ 傍系の皇嗣のお住まいは...
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たがや亮議員の質問主意書を全文書き起こしました。2 (anima mea)
2024-06-20 23:05:25
(1からの続きです)

岸田文雄内閣総理大臣が総裁を務める自由民主党は、全体会議にあたって「安定的な皇位継承の在り方に関する所見」を明らかにしているが、ここに示されている意見は「皇族数の確保は正に喫緊の課題」「まずは、皇位継承の問題とは切り離して速やかに皇族数確保のための方策を講じ、その先に安定的な皇位継承の道を見出していくべき」「秋篠宮皇嗣殿下、悠仁親王殿下という皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない」などとして、男系男子継承を当面維持することを前提に「女性皇族の皇籍維持」「男系男子の養子受け入れ」等に言及しているが、前記のとおり例えば後述の質問で取り上げるような4月下旬公表の共同通信世論調査に示されたような国民の意見は全く無視されたものになっている。
なぜ、「国民の総意に基く」皇位継承問題の議論で国民から示された多数意見を論点にすら取り上げようとしないのか、誠に不可解としか言いようがない。
以上を踏まえて、岸田文雄内閣総理大臣に質問する。

一 4月下旬に公表された共同通信世論調査では、設問「あなたは女性皇族も皇位を継ぐ「女性天皇」を認めることに賛成ですか、反対ですか」に対して「賛成」52%、「どちらかといえば賛成」38%で賛成意見が合計90%に達している。この意見をどう受けとめているか。

二 同じ調査の設問にある「女性天皇を認めた場合、あなたは女性天皇が皇族以外の男性と結婚して生まれた子が皇位を継ぐ「女系天皇」」についても、「賛成」38%、「どちらかといえば賛成」46%で賛成意見が合計84%に達している。この意見をどう受けとめているか。

三 同じ調査の設問にある「戦後の1947年に皇室を離れた旧宮家の男性子孫を皇族にし、「男系・男子」の天皇を維持する考えがあります。あなたはこの考えに賛成ですか、反対ですか」との問いに「賛成」7%、「どちらかといえば賛成」18%で賛成意見が合計25%に対し、「反対」19%、「どちらかといえば反対」55%と反対意見は合計74%に達している。この意見をどう受けとめているか。

四 この度、全体会議で論点に挙げられている「女性皇族の婚姻後の皇籍維持」や「男系男子の養子受け入れ」「法律による皇族編入」については、皇族数を増やすことにより皇室関係費の増額が見込まれる。これらについて、どのような見通しを具体的に持っているか。現状の皇室関係予算がどのような内容と規模で変化し、増大するのか現状での予測を示されたい。

右質問する。

(書き起こしここまで)

※たがや議員は共同通信世論調査の結果を踏まえ、これが「憲法上の“国民の総意”」になりうるとし、国民の総意をまるで無視するかのような全体会議の進み方について疑問を呈しています。そして今の稚拙な議論を改めて慎重に、場合によっては国民投票にかける等の措置が必要だとも述べています。
返信する
たがや亮議員の質問主意書を全文書き起こしました。1 (anima mea)
2024-06-20 22:55:14
◎皇室典範改正に向けての議論に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

令和6年6月17日

提出者 たがや 亮

衆議院議長 額賀 福志郎 殿

皇室典範改正に向けての議論に関する質問主意書

額賀福志郎衆議院議長のよびかけで、5月17日、同23日の2回にわたり、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議に基づく政府における検討結果の報告を受けた立法府の対応に関する全体会議」が開かれた。
額賀議長は、「今国会での意見のとりまとめ」への意欲を当初語っていたが、会期末が6月23日に迫る中、2回にわたる全体会議の中でも各党各会派代表から示された意見項目には乖離の大きなものがあり、その後、各党各会派別に額賀議長ら全体会議の主催者側が再度の意見聴取を行うことになっている。
全体会議で、れいわ新選組は、「「裏金問題」や国民生活の復旧が最優先で議論されるべき」と表明し、こうした喫緊の議題がある中で「静かな環境で皇位継承問題などを議論していくことは無理」であると述べた。この度の全体会議の進め方が額賀議長が提起した「毎週開催して協議」という方向に出来なかったことが、れいわ新選組の述べた主張の正しさを裏付けているものと考える。
また、この間、世論調査で皇位継承の安定問題で国民の意識動向が新たに示されているのに、全体会議での議論の方向が主催者側から「論点」として示されたものにも、そして参加した各党各会派の大多数(れいわ新選組、日本共産党、社民党、沖縄の風を除く)の意見からもこれらが全く反映されていなかったことも特徴だった。従来の「男系男子継承」の継続を前提とした「女性皇族の婚姻後の皇籍維持」「旧宮家を含む皇統に属する男系男子の養子受け入れ」「男系男子を法律によって皇族に編入」などの策に限った議論が指向されたことは、国民の代表たる国会議員と所属党派・会派の多くが国民世論の動向とあまりに乖離した異常な状態を露わにするものとなったと考える。
皇位継承の安定や女性皇族の位置づけなどの議論は、時間をかけて慎重に行うべきであり、れいわ新選組が指摘したように国民の多くに不信を広げた「裏金問題」解明や国民生活の復旧といった喫緊の課題を最優先にしつつも、議論では国民の世論動向を正しくふまえ、論点もしっかりと準備しつつ行うべきである。
また、憲法第一条で定められている「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」とされている以上、適切な形で国民の意見、意思が反映する形での議論や必要とされる場合の皇室典範改正につながる措置への国民の参与(公述や国民投票等)が必要とも考える。

(2に続きます)
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れいわ新選組のたがや亮議員が、皇室典範改正の件で質問趣意書を提出したという情報が入りました。 (anima mea)
2024-06-20 19:12:38
◎第213回国会 174 皇室典範改正に向けての議論に関する質問主意書
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/213174.htm
(衆議院HP)

質問名「皇室典範改正に向けての議論に関する質問主意書」の経過情報

国会回次 213
国会区別 常会
質問番号 174
質問件名 皇室典範改正に向けての議論に関する質問主意書
提出者名 たがや 亮君
会派名 れいわ新選組
質問主意書提出年月日 令和 6年 6月17日
経過状況  質問受理

※時間を見つけて何回かに分けて、たがや議員の上記質問趣意書の内容の書き起こしをしていきたいと思っています。
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石破茂議員が女系天皇について言及しました。 (anima mea)
2024-06-19 19:51:23
◎石破氏、女系天皇に含み 「完璧に否定でいいのか」
6/18(火) 23:28配信 共同通信
https://news.yahoo.co.jp/articles/5c2353668cffac925cfb8685370d5680c2344a81

自民党の石破茂元幹事長は18日のBSフジ番組で、安定的な皇位継承を巡り女系天皇の検討に含みを持たせた。「男系優先に決まっているが、女系を完璧に否定していいのかというと、皇室を大切にするということから少しずれていると思う」と述べた。
皇室典範は「皇位は皇統に属する男系男子が継承する」と規定し、女性・女系天皇を認めていない。
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「愛子天皇」「女性天皇」を支持する国民の声は雅子さまの30年を知る私たちの実感だと思う(北原みのり) (anima mea)
2024-06-14 06:26:14
初回投稿日時>2024-06-06 20:08:15
◎「愛子天皇」「女性天皇」を支持する国民の声は雅子さまの30年を知る私たちの実感だと思う 北原みのり
6/6(木) 16:46配信 AERA
https://dot.asahi.com/articles/-/224539?page=1

先月ロンドンを旅したときのこと。
ロンドンのお土産屋にはたいていロイヤルファミリー関係のグッズが売られているのだけど(Tシャツとかマグカップとか缶バッジとかマグネットとか)、目についたのは、どこのお店でもチャールズ国王グッズが売れ残っていたことだった。半額セールになっているのに、ずらりとチャールズ国王のマグカップにはホコリが被っていたりする。一緒に旅をしていた友人(←イギリス王室好き)などは、チャールズ国王の顔が入った貯金箱を見て「お金、貯まらなそう」と不吉なものを見るようにつぶやきながら、故エリザベス女王のタンブラーなどを物色している。チャールズさん、国内海外ともに、あまり人気がないようです。
それにしても王室の人気がマグカップの在庫であからさまになる現実は、なかなかシビアである。
もし、これ、日本の皇室でやったらどうなるのだろう……とついつい考えてしまう。愛子内親王のマグカップとかあったら売れるのだろうな、とか。売れ残ってしまったときにディスカウントはさすがにできなさそう、とか。誰のマグカップが売れ残ってしまうのかな、とか。

先月、衆参両院の議長と各党の代表者らが安定的な皇位継承のあり方について協議を始めた。とはいっても、19年前に小泉元首相が先導した女性天皇を認めるか否かのドラスティックな議論ではなく、男系男子しか皇位継承できないことを大前提にしたもので、基本的には「どう現状維持するか」の話である。
各党への聴取による論点整理に変更されたが、意見がまとまれば、皇族の女性は結婚しても皇族でいられる方向に、旧宮家の男系男子は養子として皇族に復帰する方向に。これによって皇族が増えていくという計画だ。とはいっても皇族の女性の夫と子には皇位継承資格は与えられず、養子となった旧宮家男子にも皇位継承資格は与えられないだろう。ただただ、「外から来た女」に「男の子を産む」を求め続ける制度である。それはやっぱり……モヤモヤするではないか。
なぜなら、これがいかに皇室を生きる女性たちにとって残酷な制度であるのかを、私たちはこの30年、皇后になった雅子さまの姿を通して知ってきたのだから。

今、愛子内親王を天皇に……という声が大きくなっている。今年の共同通信の世論調査では、女性天皇を認めることに賛同する人は90%にもあがったという。まさに、右も左も中道も……思想信条関係なく、私たちは女性天皇を求めているのである。それは恐らく、「男女平等」思想からきているというよりは、雅子さまのこの30年を知っている者としての実感ではないかと私は思う。少なくとも私はそうだ。
憲法で男女平等が定められていても、夫婦同姓強制をはじめとする民法レベルでも、性犯罪に関する刑法レベルでも、女性にとってはまだまだ……という社会である。そういう中で、現在の天皇・皇后が背負ってきたものは、「実はまだまだ日本社会って……」というものが凝縮された矛盾のようにみえる。
思えばお二人が結婚された当初、現代的な家庭教育を受けた新しい皇太子と、国際感覚を持ち皇太子の隣で堂々と自分の言葉で語るエリート女性の組み合わせに、「きっと皇室を変える」と期待する声は大きかった。それでも私たちが目撃したのは、皇室が変わる様ではなく、雅子さまの体調が悪くなり、自らの言葉を制限されていくように見える姿だった。皇太子だった天皇陛下が「雅子の人格を否定するような動きがあったことも事実」と自ら強い言葉で公言し強い批判にさらされたときは、たとえ将来の天皇であっても、身内批判は許されないのかと衝撃を受けた。戦前の男尊女卑的家族制度は、たとえ憲法が変わろうと、民法が変わろうと、時代が変わろうと、私たちを縛り続けている。
37歳での高齢出産をした雅子さまの運命は、この国を生きるある世代の女性たちにはどこかトゲのように突き刺さってきた。外交官という仕事を辞めたからには皇室外交をもっともっとしたかったのではないか。男子を産むプレッシャーはどれほどのものだったか。産むまでにどれほどの体験をされてきたのか。だからこそ、雅子さまが産んだ大切な女の子であった愛子さまの成長は、私たちの奥底に突き刺さったトゲの傷を癒やすような力を持つ。もし世論の声がさらに大きくなり、女性天皇論への道が開かれるならば、それこそ、雅子さまが人生をかけてこの国の皇室を「変えた」ことになるだろう。雅子さまが大きな意味で報われる、大きな意味でこの国の皇室を変える、そういう「結末」を私たちは見たいのかもしれない。
皇室典範の書き換えに向けて、どのような結末を迎えるだろう。イギリスのポップなマグカップ感に比べ、日本の皇室の重たさの根にある男尊女卑。「これは性差別ではない、伝統だ」という人は多いが、性差別とはそもそもそのように言われ、肯定されてきたものである。その結末によっては、この国に様々なレベルで残る男尊女卑の意識にやはり影響を与えるのだろう。せめて女性天皇を認める方向での合意を望みたい。
返信する
山田順氏の記事について補足 (anima mea)
2024-06-14 06:25:19
初回投稿日時>2024-06-01 23:46:20
先ほど、山田順氏のヤフー記事をコメント投稿させていただきましたが、所々「その認識は間違っているのでは」と感じる箇所があります。

>すでに秋篠宮文仁さま(58歳)は皇位継承順位1位の「皇嗣」(こうそ)となり、「立皇嗣の礼」も終えているからだ。これにより、秋篠宮さまの長男・悠仁さま(17歳)の皇位継承順位2位も確定している

この部分ですが、秋篠宮と悠仁様の継承順位1位2位は「確定」までには至っていません。立皇嗣の礼を行おうがそこは変わらず、「暫定」のままです。高森明勅氏もそう指摘しています。あと「皇嗣」の読みは「こうし」であり「こうそ」ではないのでは?

>2006年、皇室に41年ぶりの親王となる悠仁・親王が誕生すると、この改正案はあっという間にたち消えになった

小泉政権下の典範改正議論が立ち消えになったのは「悠仁様誕生後」ではなく「秋篠宮夫妻に第三子懐妊が発覚した時」ではなかったでしょうか?まだお腹の子の性別も分からない時期なのに典範改正議論を封じたので「お腹の子の性別が既に男子と分かっていたのでは?」という疑惑が当初から持ち上がっていたと記憶しています。

>皇位継承権は、次男の文仁・親王の秋篠宮家に移ったのである

まだ令和の御世なのに「秋篠宮家に皇位継承権が移った」と断じるのは誤りではないでしょうか。

>女性皇族が皇族以外の男性と結婚して、生まれた子どもが皇位を継ぐという女系天皇の前例はない

この点についてですが、過去の歴史上、本当に「皇族以外の男性の子が皇位を継いだ例はない」と言い切れるのでしょうか。DNA鑑定など無かった時代、天皇や皇族以外の男性と通じて子をもうけた例が絶対に無かったとは言い切れないでしょう。夫以外の男性の子をまるで夫の子のように育てるという所謂「托卵」は男系に拘る方が危険性が増すと思います。

>当時の女帝は、生涯独身を通さなければならなかった。そうしないと、子どもが皇位を継いだ場合、王朝交代が起こるからだ

この「王朝交代」というワードは男系男子派が好んで使うものですが、「女性天皇の子が皇位を継ぐと王朝が変わる」という概念に非常に違和感を抱きます。母娘で皇位継承した例もあるのですし、そもそも王朝交代という概念は日本という国を揺るがすほどの重大事項だったのでしょうか?

以上、山田氏の記事には所々疑問はあるものの、全体として「憲法と国民世論に照らし愛子天皇を認めるべき。そうしないと日本は衰退する一方だ」という趣旨の内容には賛同できるので、こちらに投稿させていただきました。
返信する
「愛子天皇」を熱望する国民世論は無視。天皇制をもてあそぶ保守の“根拠なき伝統”と“時代錯誤” (anima mea)
2024-06-14 06:24:11
初回投稿日時>2024-06-01 23:24:38
◎「愛子天皇」を熱望する国民世論は無視。天皇制をもてあそぶ保守の“根拠なき伝統”と“時代錯誤”
6/1(土) 0:41 山田順(ヤフーエキスパート記事)
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/765462b61f459ba824e4bbdcff735b3cd1894ab8

■皇位の安定継承に向けた皇族数の確保

6月末の国会会期末に向けて、皇室をめぐる与野党間の協議が続いている。裏金問題に端を発する政治改革も重要だが、こちらは日本という国(象徴天皇制を持つ立憲民主国家)の根幹を規定するだけにより重要である。
しかし、これまでの協議は、もっぱら皇位の安定継承に向けた皇族数の確保に絞られ、「女性・女系天皇」につながる議論は封じ込められたままだ。ここにきて、「愛子天皇」を熱望する国民の声が高まっているというのに、ほぼ無視されていると言っていい。
このままでは国民が望む天皇は誕生せず、日本は衰退する経済とともに輝きを失っていくだけになるのではなかろうか。

■世論調査では女性天皇容認が圧倒的多数

これまでの各種世論調査でわかるのは、国民の大多数が女性天皇を容認していること。そればかりか、「愛子さまに天皇になって欲しい」という「愛子天皇熱望論」が日毎に高まっていることだ。
4月27日に発表された共同通信の全国郵送世論調査(18歳以上の男女3000人が対象)では、女性天皇を認めるという意見がなんと90%に達した。
また、5月 18、19の両日に毎日新聞が実施した世論調査でも、女性天皇に賛成が81%に上り、反対はわずか10%にすぎなかった。
しかし、国会での与野党協議は、有識者会議によって自民党がまとめた所見に基づく「政府案」に関してだけ、意見集約する方向になっている。

■単に皇族、皇位継承者を増やすだけの政府案

政府案は皇族数の確保をどうするかに絞られ、次の3点が示されている。

(1)女性皇族は婚姻後も皇族に残る。
(2)旧皇族の男系男子が養子として皇族に復帰する。
(3)(1)(2)が十分でなければ旧皇族男系男子を直接皇族に復帰する。
ただし、(1)については夫や子は皇族とはせず、(2)では復帰後に生まれた男子は皇位継承資格を有することが適切とされている。
(1)(2)に関して、もっと具体的、現実的に踏み込むと、(1)が決まれば、愛子さまや佳子さまが結婚後も皇室に残れることなり、公務を続けられるとことになる。(2)に関しては、もし、いずれ皇位に就く悠仁さまに男子が生まれない、あるいは子どもができなくとも、旧皇族の男子を養子とすれば皇統は絶えないということになる。
しかし、どう見ても政府案は(1)に関しては、公務をする皇族の数を確保するだけ。(2)に関しては、無理やりでもいいから男子の皇位継承者をつくるという方策にすぎない。

■すでに皇位継承順位は確定している

額賀福志郎議長は、今国会の会期中での合意を目指す意向を示している。しかし、実際のところ、どうなるかは見通せない。
(1)(2)については、自民・公明・維新・国民民主の4党が「妥当」と判断しているので、まとまるかもしれない。ただ、立憲民主、共産などは、論点をこれだけに絞ることに難色を示している。とはいえ、「女性・女系天皇」問題が、棚上げされたまま終わるのは間違いない。
なぜなら、すでに秋篠宮文仁さま(58歳)は皇位継承順位1位の「皇嗣」(こうそ)となり、「立皇嗣の礼」も終えているからだ。これにより、秋篠宮さまの長男・悠仁さま(17歳)の皇位継承順位2位も確定している。
そのため、有識者会議は2021年末、皇位継承の見直しをする必要はないとした。

■男系男子が継承という規定が危機を招く

それでは、今回の与野党協議にいたるまでの経緯と、なぜ、女性・女系天皇論が封印されたのかを振り返ってみたい。
まず、この問題の根本にあるのは、天皇家に長い間、男子の皇位継承者が誕生しなかったことである。明治時代に定められた『皇室典範』は、皇位は男系男子が継承し、皇族女子は一般男性と結婚すれば皇籍を離れると定められているからだ。
現在、皇室は17人で構成され、皇位継承資格を持つ男性皇族は3人だけである。皇位継承順位は、前記したように、1位が秋篠宮文仁・親王、2位が秋篠宮さまの長男の悠仁・親王、3位が上皇陛下の弟の常陸宮正仁・親王(87歳)で、次世代に限れば、悠仁さまだけである。
未婚の女性皇族は、今上天皇・徳仁陛下(64歳)の長女・敬宮愛子・内親王(22歳)と秋篠宮佳子・内親王(29歳)を含むわずか5人で、結婚すればみな皇籍を離れることになる。
つまり、悠仁さままではつなげるとしても、もし、悠仁さまに男子が誕生しなければ、男系男子の皇統は途切れることになる。また、女性皇族は結婚すれば皇籍を離れるので、近いうちに1人もいなくなってしまう可能性がある。

■悠仁さまの誕生で女性天皇はたち消えに!

この皇位継承と皇族数の減少問題は深刻で、小泉純一郎政権時に設置された有識者会議は、天皇および女性天皇の第一子は性別にかかわらず皇位を継承すべきという改正案をまとめた。
「男系継承を安定的に維持することは極めて困難で、女性・女系天皇への道を開くことは不可欠」、皇位継承順位は「天皇の直系子孫を優先し、男女を区別せず年齢順の長子優先」としたのだ。
ところが、2006年、皇室に41年ぶりの親王となる悠仁・親王が誕生すると、この改正案はあっという間にたち消えになった。
そればかりか、安倍晋三政権時代になると、首相本人および保守派が、男系男子へのこだわりが強かったため、女性・女系天皇容認論は議論すらされなくなった。
こうして、2019年、現上皇である繼宮明仁・陛下は85歳で、当時皇太子だった長男の徳仁・親王に天皇を譲位した。これに伴い、前記したように、皇位継承権は、次男の文仁・親王の秋篠宮家に移ったのである。

■愛子天皇誕生で日本に明るさと希望が戻る

ここで、私見を述べると、次期天皇は愛子さまであるべきだと思っている。女性天皇の誕生が、時代性から言っても、国民世論から考えても、歴史的に見ても、もっとも「いい選択」に違いないからだ。
さらにもう一つ加えれば、この後、秋篠宮文仁・親王、その子の悠仁・親王と続いていく天皇では、現在の日本の衰退・停滞の雰囲気は変わりそうもないからだ。「失われた30年」は永遠に続いてしまうだろう。
もはや、人口減、経済停滞、先進国転落は止めようがないが、それでも「愛子天皇誕生」となれば、ムードは変わる。日本と日本国民に明るさと希望が戻るのではないだろうか。
男系男子にこだわる保守派が言うように、女性皇族が皇族以外の男性と結婚して、生まれた子どもが皇位を継ぐという女系天皇の前例はない。しかし、日本の歴史上には10代8人の女性天皇がいる。
それから見れば、男系のプリンセスである愛子さまが即位することは、まったく不自然ではない。

■欧州の王室は性別に関係なく長子優先

女性・女系天皇をめぐっては、これまでさまざまな議論があった。とくに、女系天皇に対しては根強い反対論があった。しかし、男系男子にこだわって万世一系を続けることに、大きな意義があるとは思えない。
というのは、そんな考え方は、現代のジェンダー平等社会では通用しないうえ、天皇家に無理難題を強いることになるからだ。天皇家に嫁いだ女性は、男子を産まなければならないというプレッシャーのなかで生きなければならない。
女系はともかく、女性天皇に関しては、認めるというか、反対する理由が見当たらない。欧州の王室を見ても、どこもいまの時代に適した王位継承を行っている。

英国王室:2012年改正、男女の性別を問わずに長子優先。
スウェーデン王室:1979年改正、男女の性別を問わずに長子優先。
オランダ王室:1983年改正、男子優先を廃止し性別に関係なく長子優先。
ノルウェー王室:1990年改正、男子優先を廃止し性別に関係なく長子を優先。
ペルギー王室=1991年改正、男系男子に限定する規定を無効とし男女の性別を問わずに長子優先。

■男系男子は側室がなければ維持できない

それにしても、なぜ、保守派は男系男子にこだわるのだろうか? 女性天皇はなんとか認めるとしても、女系天皇は絶対認めないとするのだろうか? その根拠は、「それが皇室の伝統、日本の伝統」というのだが、この伝統が明文化されたのは明治に制定された『皇室典範』によってである。
しかも、歴代天皇がすべて男系だったかどうかは、検証しようがない。
さらに言えば、男系男子が続けられたのは、天皇が側室を設けることができたからとも言える。明治天皇は美子皇后(昭憲皇太后)との間に子はなく、5人の側室との間に15人の皇子女が生まれたが、無事に成人したのは皇子1人と皇女4人だけだった。その皇子1人が、大正天皇である。
この状況を見れば、側室なしの男系継承というのは、かなりの無理がある。
昭和天皇からは側室をやめ、天皇家も一夫一婦制となった。これは、昭和天皇の意思でもあったという。ならば、いまのこの時代に、万世一系と男系男子を金科玉条にすることは「時代錯誤」ではないだろうか。また、天皇家の意思を無視してはいないか。

■5代もさかのぼることに意味があるのか?

万世一系とは、天皇につながる男系の血が途切れなく続いてきたということで、血がつながっていれば、傍系の譲位でも構わないということである。
たとえば、25代武烈天皇には、子ども兄弟も従兄弟もいなかった。そのため、応神天皇5世の来孫を越前から連れて来て、武烈天皇の姉にあたる手白香皇女(仁賢天皇皇女・雄略天皇外孫)と結婚させて継体天皇として即位させている。先帝とは4親等以上離れていた。
また、45代聖武天皇には男子がなく、娘が称徳天皇として即位したが、その後は血筋を五代さかのぼって、38代天智天皇の孫を光仁天皇として即位させた。当時の女帝は、生涯独身を通さなければならなかった。そうしないと、子どもが皇位を継いだ場合、王朝交代が起こるからだ。
保守派と自民党の改正案は、このようなことを現代でも行わさせようとするものだ。
継体天皇の場合は、5代までさかのぼらなければ先帝に行き着かない。5代ということは、1代30年として年数にして少なくとも150年はある。

■保守派が主張する天皇制は明治生まれ

皇位継承を巡って議論が百出するのは、天皇制と天皇は、私たち日本の国のかたちそのものだからだ。いくら民主国家とはいえ、これをなくしたら日本は日本でなくなる。
それは、いくつかの欧州国家がそうしているのと同じだ。英国王室がなければ英国は英国とは言えない。
日本の保守派が誇るように、天皇制は、王朝としては世界でもっとも長く続いてきた王朝である。これを続けていくのは言うまでもないが、保守派が主張するような天皇制は、明治になって新しく強化されたということを、はっきりさせておく必要があるだろう。
それともう一つ、万世一系とされる天皇は、長い日本の歴史のなかで常に政治権力の中心にいたのではないことも、認識すべきだ。

■天皇制はなぜ長く続いてきたのか?

天皇が政治権力を持っていたのは、大和朝廷から7世紀の後半の天智、天武、持統の時代を経て、せいぜい平安中期までである。それ以後は、後白河法皇にしろ、後醍醐天皇にしろ、政治権力を握ろうとすると失敗している。
つまり、天皇制は、天皇が政治権力を持たなかったため、ここまで続いてきたと言える。
天皇としての権威をもっともうまく利用したのが、明治政府をつくった薩長である。彼らは、王制復古から立憲君主国家をつくり、その中心に天皇をもっ...
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