桜散り曙死す！ハワイアン横綱５４歳の別れ

横綱・曙が桜の散る季節に亡くなった。
心不全、享年５４。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン （ＵＳＪ）オープン前夜祭で、逢ったのが最後。

桜の蕾が膨らむ０１年３月３１日。

引退直後の横綱が式典に招待され、共に参列した。
頭にはまだ大イチョウが残る３２歳の曙。

クリスティーン夫人と幼い長女・ケイトリン麗奈ちゃん同伴でやってきた。

若貴同期の２０４センチ長身力士だった。
横綱昇進は曙が先んじた。

貴乃花との対戦成績は全くの五分。
２５勝２５敗（優勝決定戦も含む）。

巨漢ゆえに両膝の怪我が致命傷になった。

外国人力士初の横綱。
小錦、武蔵丸らと共にハワイアン力士全盛時代を築いた。

間違いなく、大相撲に大きな足跡を残した。

残念なのは協会に残れなかったことだ。
現夫人との結婚を反対する後援会を押し切った。
これが原因で後援会は解散。
年寄り名跡購入の資金不足で角界を去らざるを得なかった。
現役引退後は総合格闘家。

３４歳の０３年秋、格闘技K－1参戦。

とても成功したとはいえなかった。

１７年、蜂窩織炎が悪化、急性心不全で倒れるなど闘病続き。
入退院を繰り返し、車椅子姿を余儀なくさせた。

ライバル花田虎上（元横綱・若乃花）が悲痛なコメント。

「突然のことに送り出す言葉が全く見つからない。お互い協会から離れて頑張ってきた。離れていても、いつも心にいた　戦ってきた分、愛情が深く言葉で表せない。また会いたい気持ちが強く、歳を取ったらハワイの木の下で同期生皆んなで会おうと曙と話していた。その約束も果たせず、ただただ寂しい」

◆曙太郎（あけぼの・たろう=本名ローウェン・チャド・ジョージ・ハヘオ）１９６９年年５月８日ー２０２４年４月（日時不明）享年５４。心不全。米国ハワイ州オアフ島出身。パシフィック大中退。高見山（後の東関親方）に誘われ角界入り。１９歳の８９年春場所初土俵。９０年春場所新十両、同年秋場所新入幕、９１年春場所新三役。三役で３場所通算34勝。２３歳の９２年名古屋場所、大関昇進。９３年春場所新横綱。横綱在位４８場所。９６年４月、帰化。０１年引退。通算654勝232敗181休。幕内優勝11回、三賞6回、金星4個。０３年秋、格闘技K－1参戦。２０４センチ、２３３キロ（現役時代）。血液型Ｏ。家族はクリスティーン・麗子・カリーナ夫人（５２＝98年結婚）、長女・ケイトリン麗奈（２５）長男・コーディー（２４）、二男・カーナー大二（２０）。二男一女。