異形の仲間たち見聞録

私が見てきた精神疾患者たち

『ボケ茄子の花 その二十九』

2018年03月06日 00時12分20秒 | 小説『呆け茄子の花』

尚樹の上司は患者に対して「偽りの顔」で対処していた。

少なくとも当事者である尚樹にはそう映った。

職員からは「鼻つまみ者」として有名で本人は素知らぬ顔をして仕事をしている。

病院には、「健常者職員」と「当事者職員」がいるが、

病院がなぜ「当事者職員」を雇っているのか?

それは厚生労働省からの圧力で「雇わなければ罰金」というお達しがあったからだ。

しかし、尚樹の上司は「俺が雇ってやっている」という思いが零れ出るほどに

言動、行動から読み取れた。

また、上司からの圧力で「当事者職員」のみならず、「健常者職員」も

「潰れていく様」を尚樹は数人見ており、上司とは等距離を置き

身の安全を図っていたのだが、それはその年の御用納めも終わり、

尚樹が早めの睡眠を取ろうとしたときにスマートフォンが鳴ったことから始まった。

その二十九終わり

 

 

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