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異形の仲間たち見聞録

私が見てきた精神疾患者たち

異形の仲間たち見聞録 「彼らのDVから見る家族歴/生育歴」

2022年04月06日 22時23分46秒 | 異形の仲間たち見聞録
さまざまな家庭環境から来たと思われる「精神疾患」、もちろん「遺伝的」とも言われているものもありますが、今回は「家庭内暴力」、「DV(ドメスティック・バイオレンス)」でありますが、ニュースになる「日常的な暴力の末に殺人に及んで・・・」のようなことが報道されます。
今から例に挙げるのは「父親から『配偶者』または『こども』に対する日常的な暴力」ですが、一見他人から見れば「逃げれば良かったのに」とか「なぜ、警察に通報、相談しなかったのか?」と疑問に思う方も多いはず。
私が考えるに大きく分けてパターンは二つ。
一、「暴力的支配」
二、「暴力と陶酔」
今回は「暴力と陶酔」なのですが、パターンとして普段は優しい夫(母)、父親(母親)が配偶者やこどもに暴力を振るい、その後普段の優しさが戻り、暴力を謝罪し、優しく接する。暴力対象者は「あぁ、元に戻った。これからも優しさが続くだろう」と不確定な確信を持つ。また暴力を振るわれるが、「きっと元に戻って優しくしてくれる」。このループに暴力対象者も陶酔状態になっていき、非情な暴力を「許容」してしまう。暴力を振るう方は、自分の行為に陶酔しエスカレートしていく、もちろん振るわれている方も陶酔していくから外部に接触することもない。
こんなパターンで死に至ることも、途中で脱したは良いが、PTSD(心的外傷後ストレス障害)になって、自傷行為、OD、摂食障害、自己否定など繰り返してしまう。PTSDの他にも発達に影響を及ぼしたり、統合失調症、うつ、AD/HDなどなど…。疾病は単体で現れることはマレで、ほとんどが複合的に現出します。私の経験では投薬しか出来ないDr.は無力に近い。カウンセリングや自意識を高める様な方法が症状を軽減または寛解に近づけられる方法と私は考えています。もちろん、心理療法に深い理解があり、多用しているDr.もいます。それから、当事者(患者さん)に言いたいのは「Dr.やカウンセラーは一人ではない」ということ。「自分に合わない」と思えば変えれば良いだけの話しです。

「自分を信じること、常に自分を振り返ること」


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異形の仲間たち見聞録 「彼らの家族歴/生育歴」

2022年01月18日 23時43分51秒 | 異形の仲間たち見聞録
私が接してきた障がいを持つ人達、特に「うつ」、「解離性障害」、「統合失調症」、「PTSD」等々。家族に恵まれない方は少なくない。虐待、育児放棄、家庭崩壊と理由は様々ですが、後になって精神疾患の症状が出てくることも多くて私が接してきた方々のほとんどがそうであった。子供にとって成長過程での家族環境は脳の発達などに大きな影響を及ぼすと言われてる。
私の場合は、Dr.が書くカルテには書いていないこともというより、その他の書いていないことが疾患の直接的、間接的に影響を及ぼしていると思っている。

これは「障がい」という程では無いのかも知れないが、「親に捨てられた」、「自分の人生が狂わされた」と思っているケース。
中学生の頃に両親が離婚。出ていった母には付いていかず、父の元で育ち四十代で結婚、二人の子供を授かり、仕事に趣味に充実している、と思われていた。出ていった母とは会っていなかったわけではなかったが、遠距離であったこともあり、頻繁には会っていなかった。会うと母親に対して説教をしたり、電話でも辛く当たったりもしていた。その母親が不治の病に罹った。人的にも金銭面的にも脆弱であった母親は自分の子供に頼ることはなかった。母親は友人たちに身をゆだねて「大きくなった」はずの子は、ただただ「病院に早めに入れた方が良い」という一方で母親の「ギリギリまで自宅に居たい」という意向を無視した。母親は自宅で粘ったものの2週間の入院の後、亡くなった。子は葬儀に参列することもなかった。

ただ単に「子の意趣返し」だったのか?
結局、母と子の距離は縮まる事はなかった。
一方、子には「愛着障害」の一般的な行動も観られた。
定職に就いたのは四十代であったり、深い人間関係が構築できない、など。
子供の頃に起きた、子供にとって「天地が裂ける」ような衝撃が後年の人生に影響しないという方が不自然な解釈なのかも知れない。また、子供の時に両親が離婚した家の子供は結婚後の離婚歴は、両親が離婚せずに育った子供の離婚率と比べて高いことはよく知られている。

昨今の離婚率は高く「理想的な家族」「羨ましがられるような家族」というのはTVでも観られなくなた。「幸せの形は様々」という言葉が最近よく聞かれるが、両親が離婚して両親がそれぞれの人生をそれを幸せと思って邁進するのはかまわないが、「親の勝手な幸せ論」で子供が不幸になることは理不尽だし、「むかしの世に親が子供の犠牲になって生きるなんて...」というのかも知れないが、その覚悟無しに親になってはいけない。
その子が障害者になっても、親は子より長生きして世話できるわけではない。子供に対する親の身勝手は許されるものではない。
また、そのような環境で育った子は自分の環境に甘えてはならない。いっときは「自分は不幸だ!不幸だ!!」と思う時期があっても良い。それを大の大人まで引きずるのはそれこそ大人げない。乗り越えることが出来ないと思っても治療や自分の人生や親の人生を冷静に振り返ることによって冷静に見ていけるのではないか、そうでなくても感情を表面に出すほどにはならないのではないか?と考えている。





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異形の仲間たち見聞録 「喫煙癖が強い『統合失調症』患者」

2021年12月12日 21時16分58秒 | 異形の仲間たち見聞録
私が支援者として友人として関わってきた「統合失調症」患者の方々の
多くの方は「喫煙者」で、ヘビースモーカー。私は元来「非喫煙者」なので
煙を嗅いでも「煙たい」くらいで「私も吸おうか」とは思いませんでした。
そんな私の事情はどうでもいいですが、「統合失調症」と「喫煙」とは
密接な関係があると、本で読みました。
私が関わってきた「統失」の方々もご多分に漏れずそうでした。
入院中の患者さんとは「喫煙同行」という形で、病院敷地内の喫煙所を
お供させていただきました。(もうその病院には喫煙エリアは無いそうですが)
その「喫煙同行」の場では「幻覚の中での発言」をする方でも回を重ねるごとに
同行者が私であることも認識してきて、過剰に「好きぃ~♡」なんていう方も
いらっしゃいましたが...(女性)
そうなると私が「依存対象」になってくるので、支援者の立ち振る舞いは
気をつけなければいけません。少しでも「あなたが好き」みたいな『誤送信』
した日にゃあ偉いことです。当事者さんも喫煙することに制限が出てきます。
支援者としては支援している「当事者さん」が墓穴を掘ることを止めなければ
いけません。支援者の中には(Dr.✕PSW✕行政✕カウンセラー✕その他専門職)、
「やっぱり、そうなると思った」と。私なんか「じゃあその前に止めろや」と
思うのですが、私は間違い?
正直「心ない支援者」と思ってしまいます。場合によっては「心身的被害」、
「他害行為を含む犯罪」などにもつながっている可能性もあるわけで、
そのような「看過する専門職」を私は多く見てきました。内心「なんのための
専門職?」と思ってしまうのですが、仕事ならちゃんとしなくちゃね。




















異形の仲間たち見聞録 「思い付くままに回想2『開かなかったドア、開けようとしなかったドア』」

2021年11月23日 00時17分22秒 | 異形の仲間たち見聞録
私が訪問支援者デビューの第一号の通称「Bちゃん」。
私より一、二歳年上でした。とても愛嬌のある当事者さん。
最初はちょっと私に対して構えたものの、主治医が同じだったこともあり、
意気投合して、病院とマンションの往復をよく話しして行っておりました。
訪問は3人で行きます。うち二人はPSW(精神保健福祉士)。
NO資格者は私一人、と言った具合です。
PSWの内の一人は当事者なんでありますが、今ひとつ積極的になれない支援者
なのでありますが、健常者PSWは何人をも訪問支援をしていることで
慣れたものなのです。ですが、観察眼が冴えております(ピカーン)

私は私なりの「接し方、目線の高さ」は誰にもひけは取らないつもりです。
・・・で、ある日いつものように三人でマンションへ迎えに行ったのですが、
チャイムを鳴らしても、ノックしても応答無し・・・。
健常者PSWは「後日、私来てみます。」とのことでした。
その時、私は「今、大家に来てもらわなくていいのか?相手は『当事者』
だぞ!?」と思いましたが、初任者でありましたから「否や」はありません。
心残りのまま後にして、次のミーティングで健常者PSWの口から
「Bさんが自宅で心肺停止で発見されました。私と(健常者PSW)大家さんで
発見しました。」という訃報...。
後日、Bちゃんの葬儀に行きました。老母が喪主で父親はすでに逝去していて
健常者PSWが親身になって老母のお世話をしていたと聞きましたが
障害者の仲間たちが、一番安い葬送の会館の部屋に大挙として押しかけてきました。
ですが、Bちゃんの身内は老母ただ一人。
精神障害者は「身内であっても存在は内密」であって、死んだことも内密。
なんとも哀れではありませんか・・・。
私の接してきた多くの精神障害者の家族は身内には秘密の存在として
いるのが現状で、「座敷牢」時代からそんなに進歩していないのです。
なにが「脱 病院」だ!















異形の仲間たち見聞録 「思い付くままに回想・・・1」

2021年11月02日 03時39分09秒 | 異形の仲間たち見聞録
私自身もいわゆる「精神疾患者」なのですが、ひとことで「精神疾患」と
いっても千差万別で精神疾患の中で細分化されている病名を付されているので
「患者間差別」もれっきとして存在している。これは健常者や健常者支援者で
あっても分からない点でもある。
精神医学の中でも理解が難しい「統合失調症(※略称「統失」)」である。
病状は人によるし、「統合失調症」という疾患名は付いているが
Dr.もその原因や病状の系統付けも出来ていないのが現状。

そんな中、出会ったのが出会った当時20代後半だったAくん(男性)。
私は「精神疾患者」ではある反面、「支援者」でもあるので、
他に関わっていた患者さんは居たのだが、周りの支援者が手を焼いていた
Aくんに興味を持ち、また徐々に距離も縮まってくるのが感じられたので
積極的に関与していった。
彼は「(広汎性)統合失調症」という疾患名がDr.から付されていた。
今考えるとこんな疾患名は無いのだが、私の思い違い、覚え違いかもしれない。
今考えると「広汎性発達障害+統合失調症」ということなのだろうか?
確かに彼は知的な面で稚拙な面があった。それから、彼を語る際に忘れては
いけないのは、以前入院していた「国立病院」で、
いわゆる「電気ショック療法」を受けていてトラウマになっているようであった。
それは一度限りではなく、複数回受けていると思われた。
この療法は学会誌に少数ではあるが現在でも論文として上がっている
「否定されていない療法」なのである。私から言わせれば「精神外科」とでも
言えるのではないだろうか?と思う。過去にアメリカで流行った
「ロボトミー」があったが、それ自体日本に療法として輸入され
行われていた過去があるが、それに匹敵するような「無謀な行為」と思った。
時折、彼は損時のことを訴える時があった。発作的に・・・。

さて今回はこれまで






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