演劇センター'90・公演No.53「箱の中身」②

2009-11-14 13:19:48 | 知のグルメ
                        ※クリックで→拡大



現在「開演期間中」であることを考慮してネタバレ無しで感想を書いてみた。


いみじくも開演前の舞台挨拶で、帆足は「劇団員募集中」である旨の話をした。
新人と言っても若者に拘っておらず、50~60代でも意欲のある方なら一から手取
り足取り指導させて頂くとの内容であったと思うが、いまこの劇団に期待されてい
るのは、まさにその世代交代というハードル越えなのである。


ここで帆足の狙うところは単に劇団員数を増やしたいといった単純な考えで無く
「年齢的に層の厚さを増したい」という意図があるのだと思う。
若年新人の獲得は自然発生的に概ね、良好のようであるが、帆足の頭には自分
達夫婦が抜けることが劇の成否に大きな影響を与えるのではとの懸念があるよう
に思えるがどうだろう。


私が思うに、帆足の後を補うのは松田昭彦であり、谷山圭一郎である事は明白
必然、女性との絡みが発生するが、こちらも山北美砂子と門田麻希で充分補える
力量は持っている。更にその次には刈谷隆介、岡村慎司のという芸達者が控えて
おり、この辺りの年代は当分盤石であろう。











「卒啄同機」は大変難しいものであるが、それは啄側の懸念が大き過ぎるところに
問題が有る場合が多く「卒側の伸びる時期を、それに因って阻害することがあって
は成らない」と言える。手短に申せば終演後の舞台挨拶で松田昭彦の一言が「大
いにうけた」この事象が端的に客の希望を表しているように思えてならないのである。



創作作品である演劇だが、それを演じる演者には演技力が有るとしても逃げられ
無い、捨てることの出来無い、年齢であるとか声質とかの現実は付いて廻る訳で
まあそれが見えることである面、観客は自分達との一体感を感じ、生きている実
感や安心感を覚えるのが演劇の良いところであり、更にはアマチュア劇団に期待
する部分でもあるのだが「加齢による衰えをカバーして余りある」という、広い心を
持ち合わせている観客ばかりでは無いという現実からも目を反らせてはいけない。


帆足の狙うポイントが「高齢化社会に於けるアマチュア演劇集団とは如何にある
べきか」という課題にあるのなら高知は真に当意即妙、実験的価値のあるテーマ
だと思うのは私だけではあるまい。 (記事中敬称略)
 










※今回の好演賞は、ボブ長谷川役の「岡村慎司」

※弥二朗全体評は「此まで観た中で3本指に入る」と好評。

※公演詳細は→こちら






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2 コメント

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Unknown (ちび太(おばちゃん))
2009-11-15 10:26:59
あれ!!知ってる顔が(笑)
今度会う時が楽しみ~
返信する
そうでしょう。 (タカシ。)
2009-11-15 15:27:54
そうでしょう、声の大きい「S尾」さんじゃあ無いですかね。
返信する

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