
詩が好きな私は、時々思い出したかのように書棚の詩人の本を読むことがある。今回は、亡き母の思い出を語る詩やエッセイを書き残したいという気持ちもあって、ハルキ文庫のサトウハチロー詩集を書棚から出し、冒頭の「母の思い出」32編を読んだ。
サトウハチローは「おかあさん」というテレビ番組のタイトル詩を書いていたこともあり、自身のおかあさん像もあって゛おかあさん゛が自然にライフワークの中に入って行ったのだろう、母を語るいい詩が多い。
32編の最初の詩が゛ちいさい母のうた゛
ちいさいちいさい人でした
ほんとにちいさい母でした
それよりちいさいボクでした
おっぱいのんでるボクでした
かいぐりかいぐりとっとのめ
おつむてんてんいないいないバア
それぞれの詩人には、それぞれの年代ごとの感性と表現力で、個性あふれる言葉を表出している。詩とは詩人の真似して書けるものではないと分かっていても、いろんな人の詩を読むことによって、その詩人の感性に浸ることによって、自分の詩作の中に共鳴するような言霊が沸き上がることがある。
私が仏像写真を撮るときに、土門拳さんとか入江泰吉さんの仏像写真を思い出して、どこか真似してるような写真を撮っているように、好きな詩人である大宅歩、なかにし礼、谷川俊太郎、吉野弘さんなどの詩を読んで、感化されているような詩を書いたことがある。今から50年前に買った大宅歩の「ある永遠の序奏」の詩や箴言にはとくに感化されて、いまだに私の詩や箴言に言霊となって現れることがある。
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