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小田原少年院

2017年09月15日 16時07分14秒 | ハチパパのひとり言

昨日の午後、非行少年更生支援団体「神奈川少年友の会」の会員等27人で、小田原駅から徒歩6分の小田原少年院を訪問見学させていただいた。

小田原少年院は、関東、甲信越、静岡の家庭裁判所の審判で、第1種*少年院送致の決定を受けた20歳未満の少年を収容している。(* 第1種とは保護処分の執行を受ける者であって,心身に著しい障害がないおおむね12歳以上23歳未満の少年を対象)

この少年院の歴史は古く、明治8年に旧小田原藩の獄舎を神奈川県監獄本署小田原支署と称したのが始まりで、大正11年に小田原少年刑務所として独立、昭和18年に一旦廃止されたものの、昭和27年に小田原少年院として開設され現在に至っている。

昨日の時点での在院者は84名で職員は47名。敷地は広くゆとりがあるが、建物は大正時代のものも含めて古いものが多い。

院内を約40分かけて案内していただいたあと、会議室でスライドを見ながら、平成28年の統計分析や少年院の役割等の説明を受けた。

少年院に入院している少年は全国で2563人。少子化もあり10年前と比較すると半減しているが、小田原少年院は再犯少年も目立ち、17歳から19歳が90%を占める。また、事件内容は傷害が25%、万引きなどの窃盗が29%、詐欺が13%でオレオレ詐欺の受け子で逮捕された少年もいる。

学歴は中卒と高校中退が90%で、高校卒業資格をとるために通信制高校の教育を受けたり、入院中に溶接や土木建築などの職業能力開発指導もなされて、国家資格をとって出院する少年もいる。

非行の原因は様々だが、家庭環境や交友関係に問題があることが多い。院生の保護者は実父母が29%、実父が20%、実母が47%と離婚家庭が目立ち、母子家庭が半数であることに気を重くする。

家庭裁判所で離婚調停をしていたとき、子どもたちの将来を危惧することも多々あった。少年たちがこれからの人生を、一生懸命したたかに生き抜いてほしいと願うばかりである。

小田原少年院では、少年の社会復帰のために、暴力防止指導、家族関係指導、交友関係指導に力を入れて矯正指導を行っている。また、少年の心身の安定にと、剣道、水泳、サッカーなどの体育訓練や体育祭のほか、絵画、作文などの学芸などにも参加させている。見学中に文芸作品コンクールの作品を見させていただいたので、一部紹介しておきたい。

一心不乱

人生という名の植木鉢に                                                                 剣道というタネをまき                                                             汗という名の水をやり                                                              努力という名の肥料をまき                                                           仲間という名の光をやれば                                                           勝利という名の華が咲く

夏の終わりいやよと首ふる扇風機                                                       (少年院の寮は昭和27年の建物でエアコンがない)

せみがなき暑さがますよ炎天下

雪の上赤く染めゆく椿かな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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