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いま子どもたちは

2016年07月17日 11時02分15秒 | ハチパパのひとり言

7月14日から17日までの4日間、朝日新聞朝刊教育ページに「いま子どもたちは」というタイトルで、女子少年院の少女たちの立ち直りの取材記事が掲載されていた。

東京都狛江市にある、関東唯一の女子少年院「愛光女子学園」にいる少女たちの話。学園では現在14歳から19歳までの少女が生活している。

今回、4人の少女の立ち直りについて取材していた。両親の離婚や虐待による児童養護施設への入所など、少女たちの非行の背景は様々である。

1回目の記事の少女は、幼いころに両親が離婚、母子家庭で母親は夜も働き、疲れている母親を見て甘えることができなかったという。その母親も中2のときがんで亡くなり、祖父母に引き取られたが「迷惑をかけたくない」と家に居づらくなり、夜の街を遊び歩いた。

キャバクラで稼いだりしていたが、スカウトしていた時に見つかり結局少年院送りとなった彼女。少年院の矯正教育で書かれている「内省ノート」には、自分に何が足らないかわからないとあったという。その続きには「気がつくと」が多いと担任教官は感じたようで、少女に「気がつくと」を具体的に説明してみようと投げかけた。

1ケ月後、少女は中学生が家出をすることで、家族に心配させていたことに気づき、反省の言葉も芽生えてきたそうだ。自分から逃げて楽な道を選んでしまった結果を自覚したいま、危険物取扱者、珠算3級、秘書検定3級、パソコン検定などの資格をとり、高卒検定も受けて、専門学校に行きたいと頑張っている。

今年5月に仮退院。少年院で気づいたことは、「非行を選んでいた自分」だったと記事の最後に書かれていた。

他の3人のことは省略するが、「感情を表す言葉たくさん知った」「『変わりたい』芽生えた夢」「猛勉強で高校合格 再出発の春」というサブタイトルにあるように、少女自身が自分を見つめなおして更生していく姿が見えてくる。

偶々であるが、所属している非行少年の更生支援団体として、先月決まった施設見学先が「愛光女子学園」で、私も訪問の予定である。今まで少年鑑別所、医療少年院、少年刑務所などを見学させてもらっているが、仕事とはいえ職員の方々のご苦労に敬服する。

付添人として任命され、家庭裁判所で非行少年と面接したり、審判で少年の親代わりに出席したりすることがあるが、少年たちの家庭環境は離婚家庭も多く、母子家庭、父子家庭が少なくない。離婚などの家事調停の仕事をしてきて、子どもの将来を案ずることも多々あった。

私も父子家庭20年の経験者であるが、息子二人とも非行に走ることなく、一生懸命勉強に運動に打ち込んで成長してくれた。育ての祖母と子どもたちの努力が一番であるが、ある意味運がよかったのかもしれない。

少年事件は減少傾向にあり、平成12年比では半減している。しかし、凶悪事件が目立っている一方、軽犯罪は4倍近く増加している。平成12年と平成25年の少年事件件数の変化の表が手元にあるので記載しておく。

    平成12年               平成25年   12年との比較

窃盗  38991件   19743件     50.6%

恐喝   5554件     905件     16.3%

傷害   9055件    4923件     54.4%

覚醒剤   985件     110件     11.2%

毒劇   3257件      47件       1.4%

軽犯罪   352件    1294件       367.6%

 

 

 



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