日々・ひび・ひひっ!

五行歌(一呼吸で読める長さを一行とした五行の歌)に関する話題を中心とした、稲田準子(いなだっち)の日々のこと。

殺人未遂事件から淡い思い出へ。

2006年05月05日 | お仕事な日々
10年ほど前、務めていた専門学校の近くのミスドで、殺人未遂事件がおきていた。

リンク先では、情報が遅れているが、
犯人はすでに自首している。

私の幼稚園で事件が起きて以来のびっくりだった。

     ★

そのミスドへは、
お昼ごはんのほかに、
専門学校の生徒さん達と
カラオケに行った際、立ち寄った。

教務課に勤めていたので、
勉強をよくする子らが、
非常勤講師の先生のスケジュールなどを、
よく聞きに来ていたりして、
そういうグループの子達と、
仲良くなってしまい、
よく、カラオケなどを誘われたりしたが、
「しゃ、社交辞令かな?……」
と冗談でかわしながら思っていたら、
本当で、
いいのかな、いいのかな、と思いながら、
6時間ほど遊んでしまった。

こういう、役割の境界線がぐにゃっとする感じが、
どうも、私は割り切れないタイプ。抵抗を持つ。

ものすごく楽しかったのだが、それ故に、
「これだけ情が深くなった上で、出会いと別れを繰り返すんだな。
教育の場って」と、思って、
そういうのに、果たして私に耐性があるのか、
だんだんと自信がもてなくなっていった。

実際、特にその中のひとりの男の子とは、
お互い微妙な感情が芽生えつつあって、
だんだんと、バランスが保ちづらくなっていったし。

結局、そのカラオケに行った子達の
卒業を待たずに、
結婚資金準備の為、
もうちょっと高収入になる仕事をする必要がでてきたので、
2年ほどで、その職場はやめた。
情が深くなりすぎたことも、原因のひとつだった。

すごく楽しかった職場でも、
愛しくなりすぎるが故に、立ち去りたくなる。

     ★

ミスドで刺された女性は29歳だった。
私と関わった生徒さんたちも、今はそれ前後の年齢になっている。

淡いものを持て余した男の子とは、
距離感を保ちあって、その後も連絡を取り合った。
進路の話や、就職先でのきつい話を聞いたら、
手紙を送ったりして。
グループの子達を呼んで、カラオケも行った。
ふたりきりで会うことはやめておいた。

今でも、年賀状は送りあっている。
毎年、印刷の文章の横には手書きで、
「またいつかカラオケに行きましょう!」と
書いてあるので、目を細めてしまう。

きっとそういう日はもう来ない。
でも、書き続けて送ってきてほしいと思っている。

警察官になって、今年はもう二人目のパパだなんて。
振り返ると、本当に笑ってしまうのだが。

彼のほかにも、いい生徒さんは沢山いた。
みんなみんな、悲しい事故に巻き込まれず、
しあわせになっていてほしいです。

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