我家が、このお家に引っ越してきた頃・・・
ご近所に、一郎というワンちゃんがいました・・・一郎は、そこのお家に迷い込んできた犬です。
一郎が飼われることになったお家は、何代も犬を飼っておられますが・・・
犬好きなお家で、犬はそれがわかるのでしょうか?いつも迷い込んできた犬ばかりを
飼っておられるお家です。一郎もそうです・・・!
しばらくして、我家もチェリーを迎え・・・はじめてお散歩デビューした時は・・・
そう~~っと寄ってきてくれました。
一郎は、いつもリードをつけていませんでした・・・吠えもしません・・・噛みもしません・・
じ~~っと、ご近所の人達をそっと遠目にみてるだけ・・・
なのに・・チェリーには挨拶をしてくれました。
一郎は、長男が学校に行く時・・・いつも駅まで送ってくれました。そっと後をいつもついてきて、
長男が踏み切りをわたると帰って行きました・・・。(駅は近いです。)
とても、利口な犬で・・・道もよく覚えているようで・・自分でうろうろして帰ってきます。
ご近所の人も、一郎が利口なのはよく知っていて・・・・恐がる事もなく・・・
かえって、一郎がこのあたりをウロウロしてくれていると、用心がいいと言っていました。
お年よりも、おとなしい一郎によく話しかけていました。「今日は、ええ天気やぁ・・一郎・・」
「どこかいってきたんか??」などと・・・
一郎はじっと聞いているだけです。そしていつもちょっと離れたところで・・・
きっと、あまり可愛がられていなかったのではないでしょうか・・・
いつも遠くから人間をみているのです。
そんな、一郎も歳をとり・・・ある日突然いなくなりました。
飼い主さんの言うには、「もう、目も見えんかったからなぁ・・・自分で最後の場所探しに行ってしもうたんやわぁ・・・」
「ほんまに、冷たいわぁ・・・」
そう言っておられました・・・・。
シャイな一郎でした・・・決してそばに寄ってきてはくれなかったけれど・・・
このあたりの人の顔は全部覚えていたと思います、
私も、いつも・・「買い物行ってくるね~~!」
「ただいま~~~♪」といつも一郎に話しかけました。
一人暮らしをはじめた長男が、2~3日帰ってくると言うので・・・
今日は、一郎の事を思い出しました。