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ゴン太の心

毎日の中のちょっとした感動をみつけたい!

バーンガ

2010年04月19日 | 日記
 4月も半分を過ぎてしまいました。ここ最近、いろいろと思うこともたくさんあって書きたいなあと思うことも山ほどあったのに、このブログを開く間もないほど忙しい日々が続いています。印刷室から持ってきたミスプリントのA4用紙をメモ用紙代わりに使っているのですが、その日にやらなければならんことをこれに書き出して、やっつけたやつから二重線で消していこうとしても、やっつけてもやっつけても敵は増殖してきて・・・まあそれでも充実した毎日を送れているのですから有難いと思わねばなりません。
 
 さて明後日にはK中学校の平成22年度育友会総会があり、これに先立って参観授業が行われます。我が2年C組でも担任の私が授業をすることになっているのですが、今取り組んでいる国語の教材は見ていただいてもあんまり面白味のないところなので、予定を変更して「道徳」の授業を見ていただくことにします。そして、そのためのウォーミングアップも兼ねて、今日の学活も急遽「道徳」に変更して、「バーンガ」という授業に取り組みました。
 「バーンガ」とは簡単に言えばトランプの遊びを通して異文化の理解を深めていこうとするものです。遊び方はページワンというトランプ遊びやUNOというカードゲームとほぼ同じ。配られたカードを数字の順に出していき、早く手持ちのカードがなくなった人が勝ちです。ただし、ゲーム中は一切声を出してはいけません。ボディーランゲージのみで遊ぶという約束で5つの班に分かれてゲームを始めました。しばらくの間は和気あいあいとゲームが続きます。何度かゲームをした後、各班でその得点を比べ、一番良い成績の人と一番悪い成績の人がそれぞれ指定された他の班へ移動します。そうしてまたトランプゲームが再開するのですが・・・そこから???とはてなマークがつき始め、混乱が生じ始めます。疑問が湧いてきても声を出してはいけないので、質問もできません。それでもなんとかゲームが進行し、また一番良い成績の人と一番悪い成績の人がそれぞれ他の班へ移動していって、そこでのゲームが始まると、更に混乱は深まり・・・。
 実はこのゲーム、最初にルールを書いた紙を配布し各班ごとに黙って読むのですが、そのルールが各班ごとに違うのです。ある班は「2が最弱でAが最強・右回り」かと思えば、ある班は「Kが最強でAが最弱・左回り」といったふうに、微妙に少しずつ変えてあるのです。最初は各班それぞれでみんなが同じルールの下にゲームが進むものの、メンバーが移動するたびに違うルールを常識として持ったものが席を同じくしてゲームをすることから混乱が生じてきます。これまでとはまったく違う行動をとる者を迎え入れた方も戸惑うし、1人だけ違う者として飛び込んだ方も大いに戸惑ってしまいます。さて、こうなった時、一体どのように対処し解決していこうとするのでしょうか?
 このような状況は、決してこの遊びの中に限ったことではないはずです。「間違ったことを言ってしまってみんなに笑われた時」や「自分だけ話をちゃんと聞いていなくて人と違ったことをしてしまった時」に、嫌な気持ちを味わった経験のある人は多いでしょう。「『その話知ってる!』と会話に割り込んでいったのにまったく違う話だった時」や「カレーに入れる食材が他の家とは違った時」なんかも同じ気持ちを味わうかも知れません。そんな日常生活の中でよくある場面で、他のみんなと違うことをしている人を異端者と見てしまって「おかしい」と笑ってしまっている自分はいませんか?
 世界中にはいろんな地域がありいろんな文化があります。例えば、インドでは素手でご飯を食べるのが正当なマナーであっても日本ではあまりお行儀のよいこととではありません。しかしその違いは文化の違いであって、どちらが正しいとかどちらが優れているとか言える話ではありません。一人ひとりも同じです。人それぞれ違う家庭に生まれ違った環境で育っていきます。みんなそれぞれに価値観の違いを持っていて当たり前です。その違いを、他の人と違うからといって笑ったりバカにしたりするのって、それこそオカシイと思うのです。

 本当は今日、このクラスの学級目標を考えるはずだったのですが、その前にどうしてもこのことを子ども達みんなと一緒に考えておきたいと思いました。ちょうど転校生を一度に3人も迎えたこともありましたしね。
 以下に子ども達の感想もを掲載します。全員分を掲載できませんが・・・読んで下さい。


○自分と違う意見の人がいても、その人を笑ったりしないで、その人の意見をちゃんと聞き入れようと思った。

○今日のトランプの簡単で面白いことが、意味をよく考えるとすごく大切なことだったのでびっくりしました。私は自分たちと違ったことをしている人を笑ったけど、今思えば悪いことをしたなと思いました。確かにみんなが一緒だったらあまり面白くないので、人とちょっと違うのもいいなと思いました。

○他のグループから来た人のことを笑ってしまったけど、相手にとったらイヤなことだと思っていなかった。普段の生活でもそういう場面はあると思うから、そういう時はバカにせずその人の良いところを見たいと思った。

○一人ひとり違って当たり前だと思いました。この感想欄で一番先に書きやすかったのは4番でした。つい最近転校してきて、もうだいぶ慣れたけど、授業の受け方や提出物の出し方などほとんど全部が前の学校とは違っていました。だから、私はこのゲームで一度も移動しなかったけど、辛さがわかります。

○この授業をして、人が入れ替わった時、移動してきた人だけが違うことをしていて面白かった。けど普段の生活の中でもこんな場面があったと思う。中学校に入ってから宿題のしかたが違ったり小学校と違って戸惑ったりもしたし、1人だけ間違ったことをして笑われたりするのと似ていた。こんなことがあっても馬鹿にしたりするのはダメだなと思った。

○グループが替わって入ってきた人が戸惑っていたけど、先生がグループごとにルールが違ったことを明かして、それもそれで仕方がなかったんやなあと思った。先生の言ってた説教くさいことは、なんか勉強になった。これからはこのゲームみたいなことがあってもあざ笑わないようにしようと思った。

○先生の言ってることは少しわかりました。だけど難しかったです。自分とは違う意見の人がいても、笑ったりしないできちんと聞こうと思いました。

○他の子がちょっと間違ったり失敗したりしても「馬鹿ちゃん」とか「おかしんちゃん」とか思わずに「いいよ」と思う優しい気持ちで接したいと思います。

○今日の授業はすごく心に残ると思う。最初のトランプの時、他のグループとやっていて、自分だけ違うことをして笑われたのがけっこうムカついた先生の言う通り、背の高い人・低い人・太っている人・やせている人、いろんな人がいるんだから、そういうので笑ったりするのはあかんと思う。これからは一人ひとりを大切にしようと思う。


わたしと小鳥とすずと
              金子みすず
わたしが両手をひろげても, お空はちっともとべないが,
とべる小鳥はわたしのように, 地面をはやくははしれない。
わたしがからだをゆすっても, きれいな音はでないけど,
あの鳴るすずはわたしのように, たくさんなうたは知らないよ。
すずと,小鳥と,それからわたし, みんなちがって,みんないい。

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