(要旨)基金管理要綱の改正、繰替運用の規則制定、逆(売)現先取引について記載されている。国債のアモチゼーションについては、今回の会議では結論に至らず再度討議することに、決まった。会議録は、体言止めで結論が定かでない表現もありますが、敢えてそのまま書いておりますこと、ご承知ください。
【開催日時】令和3年7月13日(火) AM 9:00~AM 11:45
【開催場所】福津市役所 本館2階 庁議室
【 出 席 者 】原﨑市長、総務部長、財政調整課長、財政調整課財政係長、まちづくり推進室長
会計課長、前会計課長、会計課審査係長
【審議内容】
原崎市長:資金管理運用会議は、これまでも開催されてきたが、今回は参加メンバーを追加して
開催する。本市の厳しい財政状況の中で、基金をどう運用していくか、リスクをどう
考えるか、財政調整課を含む、このメンバーで情報共有したい。
会計課長:この資金管理運用会議は、福津市が資金の保管運用管理を行うにあたって資金管理
運用方針、資金管理運用基準等に基づき事務が円滑に行われるため設置されている。
今回は資金の保全対策の体制整備の観点からも総務部長とまちづくり推進室がメン
バーに追加された。
1.基金管理要綱の改正について
前会計課長:「基金管理要綱の改正」および資料1-A~1-Cにより説明。
・各基金への積立を9月末及び3月末の年2回から、3月末の年1回に変更したい。メリット
としては、事務処理の軽減と、歳計現金注)不足に伴う資金調達(繰替運用等)のリスク軽
減。
注)歳計現金:自治体の基本的な活動に必要な経費、すなわち支払準備金であり、決済性の高い資金である。
・基金管理要綱第6条(現金の管理方法)に金銭信託注)の取得を追加したい。現在でも金銭信
託は活用しているが、第4号のその他前条各号に適合する方法にあてはめている。
注)金銭信託:自治体等からお金を預かり、信託銀行等がそのお金の管理・運用する信託商品
のこと。金銭信託は、運用方法の違いにより、いくつも商品があり、中には途中解約ができないため、預けたお金が一定期間、引き出すことができなかったり、元本保証のないものもあり、リスクをよく考えないといけない。
財政調整課長:各基金の積立を年1回に変更することは良い。しかし、今後の金利等によって
は、年1回ではなく年複数回積立の方が良くなる可能性もあるため、条文に但し書き
を加えてはどうか。
前会計課長:今回の会議で、すべて決めるものではない。詳細は今後財政調整課と協議しなが
ら詰めていきたい。
総務部長:ふるさと納税は、一括運用の基金とは違って条例で積立時期が決まっているのでは?
会計課審査係長:ふるさとづくり基金は現在10月と翌年5月に積立を行っているが、条例上は積
立時期、回数の指定はない。
財政調整課長:基金管理要綱第6条(現金の管理方法)に金銭信託の取得を追加については、金銭
信託のリスクを考慮しないといけない。債券については債券運用基準があり、リスク
管理をしているので、金銭信託についても同様にしてはどうか。
前会計課長:詳細は財政調整課と詰めていきたい。
会計課審査係長:詳細を財政調整課と詰め、最終的には基金管理要綱の改正について決済。
総務部長:資金管理について、公金の保護方策についてはどうなっている?
前会計課長:今回は議題としている基金管理要綱のみを添付させてもらっている。
会計課長:基金管理要綱の他に、資金管理運用方針、資金管理運用基準等を整備している。後
日まとめて配布する。
2.繰替運用の規則制定について
前会計課長:「繰替運用の規則制定について」および資料2-A~2-Dにより説明
福津市では、繰替運用の規定がないため、利率、限度額、利息計算、繰替運用期間な
ど主だった項目について明確にされてない。利率については、担当者間で協議して決
めている。また、年度を超える(3/31を超える)繰替運用については、国通知(資料2-D)
にあるとおり適正化を図るように言われている。3/31を超える繰替運用は違法ではな
いが、陸前高田市において住民監査請求がなされた事例もあり、慎重な対応が必要。
福津市としては、これを機に規則を定め、繰替運用の期間は当該年度内(繰替運用する
日の属する年度の3月31日まで)としたい。利率については財政調整課と協議して決
めていきたい。
総務部長:出納閉鎖期間中の基金の動きについて、決算書上は現在どうなっている?
財政調整課長:決算書上は財産に関する調書(基金)の備考欄に記載。決算書には出納閉鎖期間中
の動きを記載しないといけない。
総務部長:提案内容でいくと、実務上は大変になるのでは?
財政調整課長:繁雑な事務処理にはなるが、きちんと説明できるようにした方がいい。
総務部長:旧津屋崎町はもともと3月31日で繰替運用期間を切っていた。
会計課審査係長:本来は財政調整課の所管業務であるが、会計課も深く関わっているため問題
共有させてもらった。今後は財政調整課と協議して詰めていく。
3.逆(売)現先取引について
前会計課長:「逆(売)現先取引について」及び資料3ーAより説明
資金調達において今年の5月に19日間逆(売)現先取引を実施した。資金を借りるにも
かかわらず、利息をはらうのではなく、5,557円の収入となった。これは現在の金融
情勢下においてマイナス金利であることによるものである。現在証券会社2社と逆
(売)現先取引の契約を締結しており、今後さらに2社と契約を締結する予定である。
各社で現在レートが違うため、今回は-0.02%であったが、他社は0%のところもあ
る。資金調達としてメリットがある(むしろデメリットが少ない)が、国債を保有して
いることが、大前提となる。今後多額の基金取崩しが予想されるが、保有国債が減
少すると逆(売)現先取引で資金調達できなくなる。
財政調整課長:逆(売)現先取引は初めて行う資金調達として実施したが、会計処理など監査事務
局からは指摘はなかったか。
会計課長 :資金調達としては大変有効な手段であるが、会計処理上は債券の売買である。基
金台帳上は、売買の記録として整理しなければならないと指摘されている。前月の
月例監査には逆(売)現先取引の詳細資料を持っていってなかったため、次回説明をす
る予定。
4.国債のアモチゼーションについて
前会計課長:「国債のアモチゼーションについて」及び資料4‐A~4-Gにより説明。
昨年12月よりアモチゼーションを実施している。今後オーバーパーの国債を売却し
やすくするため、社債(光通信)の利金を国債の償却にあて、帳簿価格を早く下げてい
きたい。
会計課長 :宗像市の現状について説明
・35本のオーバーパー債券がある。
・1本あたりの購入額はだいたい5億円
・宗像市はアモチゼーションをせず、売却損を売却益で相殺
・詳細は後日聞き取り予定
財政調整課長:提案のあった方法で利金を償還にあてるということは、今後利子の予算をどう
するか、議会にどう説明していくか協議する必要がある。一括運用なので、債券の
売買で最終的に運用益がプラスであればいいと思うが、きちんと整理していかない
といけない。中期財政見通しを見ても、多額の基金取崩しが予定されているので、
財政調整課と会計課で協議しながら、現金化を考えていかないといけない。
会計課長 :このような方向性で考えているが、原﨑市長はどう思うか?
原﨑市長 :昨年から監査委員さんから言われている部分もあると思うが、財政調整課と会計
課が情報共有していかないとといけない。財政調整課長が、もし資金運用する立場
だったら、どうするか?
財政調整課長:短い期間で償却を実施するということですね。基金全体としての運用と捉える
か、一つ一つの債券管理をしっかりとしていくと捉えるかで監査委員との見解が違
うのでは。先進地である国東市のような基準・管理体制を作り、説明ができれば償
還を短縮していくこともいいのでは、財政調整課としては早く現金を確保したい。
会計課長 :灘谷監査委員とは、前月の監査では恣意的な取り扱いは排除するよう強く言われ
ている。この会議などで、市として方向性・基準を作ったとしても、取り扱いが適
切でないと判断すれば監査委員としては認められないと言われている。財政調整課
長の指摘に客観的な要素を付加して説明する必要があると感じている。
会計課審査係長:会計課としては、提案した償還期間の短縮(アモチゼーションの加速)でいきた
いが、原﨑市長よろしいでしょうか?提案した方策であれば、償却は加速します
が、利子収入が減少します。その説明が必要になります。
前会計課長:まずは宗像市や他自治体の状況を調査し、財政調整課と協議の上整理して再度こ
の会議を開催したい。
原﨑市長 :その方向でお願いします。
5.その他 特になし。
【コメント】
この会議に限らず、福津市役所の役職の権利(権限)と義務(責任)の曖昧さが露呈している。前課長で既に課長ではない人間の無責任な発言を是認し、現職課長が傍観者になってしまっている。「現職主義」が徹底していない。これは問題で止めるべきだ。
この会議での原﨑市長の発言は、評論家である。また、利益が出れば自分の功績にし、損失が出れば、部下のせいにする典型的な駄目な上司である。本ブログNo.251の原﨑前市長の答弁を見比べると、その人間性がよく分かる。