~せきをしてもひゴリ~

一匹ゴリラのつぶやきでも。
むしろ、負けゴリラの遠吠え...みたいなw

憧れのA寝台。

2006-06-05 09:33:47 | 鉄道・旅行記
『ブルートレイン』
なんて言葉がもう死語になりつつある昨今。。。

もう世間一般では夜行列車というと、
トワイライトエクスプレスとか北斗星、カシオペアなどの
北海道方面への『超豪華寝台特急』になるのでしょうねぇ。

ちなみに『ブルートレイン』とは
超豪華寝台特急が登場する前の時代、
『富士』『はやぶさ』『あさかぜ』『さくら』などの
九州方面への長距離列車を筆頭に、
全国各地で活躍した寝台特急の愛称。
それらの列車は、青色に塗装された客車を牽いていたことから
こう呼ばれるようになったのだそうです。

私とブルートレインとの出会いは、親から貰った図鑑でした。
小学生2年生のころ、交通事故で長期入院していたのですが、
普段は厳しい親がこのときばかりは機転を利かせて、
長期欠席を補う補習の類の本よりも先に買ってきてくれました。

出来の悪い小学生にとって、入院生活とは苦痛と退屈の連続。
日々のイベントといえば、食事と回診ぐらいなのですが、
その当時の病院ですから食事などは『エサ』同然。
当時から大食漢だった私が、匂いだけで食欲が失せ、
出されたお膳をそのまま返したこと幾度なのですから...
そして、毎月のように外科手術があったので常に生傷が絶えず、
毎日の回診は痛くなかったためしがありません。

その当時、各ベットにテレビがあるわけでもなく、
ましてや大人ほどの暇のつぶし方を知るわけもなく、
この図鑑、貪るように、穴が開くぐらい見たものです。
私にとってはそれはそれは大切な存在でした。さらに
勉強が嫌いな私にとって、読む必要がない図鑑は最高の本。
見ているだけで幸せな気分になる。なんてすばらしいんだ!
どのページにも、たくさんの客車や機関車が載っていて、
本をめくる度に私の目を楽しませてくれました。

毎日毎日同じものを見続けているうちに思いがつのり、
「ほくもブルートレインに乗ってみたい!」
初めは興味本位、次第に憧れの気持ちへと変わってゆくのに
そう時間は掛かりませんでした。

…私の未だに治らない悪癖『必殺現実逃避攻撃』は、きっと
こんなガキの時分から培われてきたのかも知れませんねぇ。。。

さて、寝台列車の第二世代ともいうべきブルートレイン、
今でこそ個室寝台が当たり前になってきましたが、
まだ当時の花形寝台といえば二段式の開放A寝台でした。
ワイドなベット幅1メートル、あぐらもかける座高の高さ、
大きな窓を独り占めできるプルマン式、絨毯敷きの通路、
先頭に1両しか連結されない特別車両という存在価値...
子供でも釘付けにしてしまうこの『豪華』なA寝台。
当然ながら私も強く憧れていました。

そんな思いを25年以上も募らせて、募らせて、
ようやく先日『憧れのA寝台』に乗れたわけです。
図鑑で見た当時のまんま…といいたいのですが、
もう30年近く経ったこの車両。はっきりってボロ。。。
車体は汚れ、塗装は剥げ、絨毯はヘタり、設備は古い。
あの時の栄光は何処へやら...とまでは言いませんが、
すっかり老体になってしまっていました。

老兵は私に語りかけます...「遅かったじゃないか…。」と。

この客車を見た人は、きっと同じことを言うでしょう。
「うわっ古っ!コレで1万円取るんか?」
「これやったら新幹線乗ったほうが早いヤン」
年と共に世間も代わり、共生共存の時代から個人主義へ。
カーテン一枚ではプライバシーを確保したとはいえない。
(逆に安全が確保できない時代になった...とも言えますが)
そして、速達性、合理性を追求するがゆえに、
鉄道は旅行の手段ではなく、単に移動する乗り物と化す。
旧式寝台に乗るよりも新幹線が早くて便利でお得だ。…と。

それが証拠に足の遅い旧型客車の夜行列車が次々と廃止。
各社も新幹線の増発、路線整備に躍起になっています。

確かに日本は豊かで便利になりました。
ひかりよりも早いのぞみが登場するなんて誰が想像したでしょう。
ですが、豊かになった同じ量だけ失ったものはありませんか?
「手間」「不便」「緩行」「非合理」などなど・・・
無駄なものだと切って捨ててもいいのでしょうか?

『時間』に余裕が出来ても『ココロ』に余裕はありますか?

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
私も乗りたいよ~ (てっきゅう)
2006-06-08 00:27:40
船端屋様へ

今時、時代遅れながらもプルマン式のA寝台に乗りましたか!私自身、過去に何度か寝台車に乗る機会があったのですが、A寝台にはついぞ乗る機会がありませんでした。(T_T)いつか是非乗ってみたいものです。
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いまどきながら... (船端屋Golly)
2006-06-08 20:16:09
てっきゅうさま>

コメントありがとうございます。

今時開放寝台なんて。…ですが、

私の中では未だに豪華な寝台客車なんですがねぇ...



料金体系さえ見直せば旧型客車でも活路は見出せると思うのですが、

通過時間や集客性と義務的経費などJR各社間での思惑が違っていて、

なかなか見直しが出来ないんだそうです。。。



のぞみや飛行機が当たり前の昨今、

たまにはスローライフもいいものですよ!
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憧れっていいですね (新参者)
2006-06-10 19:56:51
また、それを実現できたのも、よかったですね。

列車については、よく知らないのですが、

10年ほど前に、九州から夜行列車で帰ってきました。

「旅行してる」っていう気分でしたねえ。

今は、トワイライトエクスプレスも魅力ですね。
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移動も旅行で... (船端屋Golly)
2006-06-12 09:18:13
新参者さま>

ありがとうございます。

同じ『移動』するなら、たまにはゆっくりと『旅行』してもいいですよね。



ですが、かつての花形だった九州方面列車でさえも、

どんどん廃止されています。。。悲しいことです。



トワイライトエクスプレス、

一生に一度は乗ってみたい列車です。

が、今の私にはまだ手が届きません。

もうちょっと財力がついたら・・・。



いつになるやら...
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究極のスローライフな旅行は豪華客船でのクルージング (てっきゅう)
2006-06-12 23:00:11
船端屋様へ。

豪華なA寝台での旅行も憧れの旅の一つですが、なんといっても、豪華客船でのクルージングが究極のスローライフな旅だと思います。

重い荷物を持ち歩かなくていいし船内では毎夜ショーや映画の上映などエンタメも充実しているし、そして豪華な食事も楽しみの一つです。

私は数年前に四泊五日でのカリブ海クルーズに参加して船旅の良さを満喫してきました。
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かりびや~ん。。。。。 (船端屋Golly)
2006-06-13 09:12:48
てっきゅうさま>

おぉ、カリブ海!

いいですねぇ。いいですねぇ。



船旅ならば絶対カリブ、

ディズニークルーズライン!

ただし、トワイライトの数十倍の予算が...



ま、カリブは私には確実に手が届かないでしょうが、

トワイライトで行って、フェリーで帰る

なんてことなら何とかなりそうです。。。
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カリブ海クルーズは以外にリーズナブル (てっきゅう)
2006-06-13 14:18:58
船端屋様へ。

カリブ海クルーズは世界的に人気のクルーズコースなので、コースによったら船端屋様が思っているほど高くはありませんよ。

私の場合、六泊八日でケネディ宇宙センターのオプショナルツアーを付けて旅行代金の総額が14万円程でした。(^^ゞ以外に安いでしょ。
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Unknown (船端屋Golly)
2006-06-15 17:08:49
てっきゅうさま>

ご教授ありがとうございます。

なるほどそれならば何とかなりそうですね。



まずは、貯金と育児対策・・・。
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