先日,広島市内にある小学校の5年生が入所され,2泊3日の研修をされました。
しかし,初日から雨で,予定していた野外での活動もやむなく室内での活動に変更。2日目は,晴天をという期待もむなしく,雨…。それでも,野外炊飯(羽釜によるご飯炊きとカレー作り)は,炊飯場に屋根があるので,もちろん実行。
ところが・・・です。活動が佳境に入ったころ,雨が激しくなり,それまで静かだった風も急に強くなってきました。
その強風に乗って容赦なく炊飯場に吹き込む雨・雨・雨☂⛆ まさに台風並みの暴風雨。「これが続くと,炊飯活動どころじゃない。」そのようなことも頭をよぎるほどでした。
そんな状況にもかかわらず,子どもたちはそれほど大騒ぎしたり,取り乱したりすることもなく,それどころかやるべき仕事を淡々とこなしているではありませんか。その様子に思わず感心!
一時はどうなるものかと心配した雨風もしばらくすると小康状態になり,一安心。
その時です。テーブルがある方に目を向けると,何人かの子が雨が吹き込んで濡れたテーブルや椅子を拭いていました。手にしていたのは,備え付けの布巾ではなくタオル。
「それ(タオル),あなたの?」と訊くと,「そうです。」と返答。先生から特に指示されたわけではなく,自分から進んで,さらに自分の持ち物で機転を働かせて拭いている姿に,感心を通り越して感動です。
「なんて素敵な子どもたちなんだろう。」と私もとてもいい気分にさせてもらいました。
退所の集いの際に,校長先生が「雨で残念ながら野外での活動は思うようにできませんでしたが,その分,皆さんはこれまでの5年生とは違った貴重な体験をしました。」と,子どもたちにお話をされました。まさにその通りだと思います。
子どもたちの感想の中にも「友達の良いところが見つかったので良かったです。」「いろんな人のことを発見でき,その人を理解することで楽しくできました。」などという他者理解につながるものが多々ありました。
この貴重な体験を,ぜひ今後の生活に生かしてほしいと願うばかりです。