木瓜燃えて真昼愁ふることもなし・・・相馬遷子
[ 自分流の鑑賞]
木瓜の花には白と赤がある。赤は正に真紅そのものである。その真紅の花に囲まれていると躁の状態になり、つまらないことは全部忘れてしまう。花の写真を撮るときは、たいていこのような状態になる。 . . . 本文を読む
耕人のどこか丸みを帯びゐたり・・・吉田敦子
[自分流の鑑賞]
春の畑を耕す。今では耕運機で耕すところがほとんどであろう。とある里山のあまり広くない畑。農業を継ぐ人もいない、老人が静かに田を耕している。春になり木の芽が出るように自然現象としての耕し。 . . . 本文を読む
3月中旬までは、有名人の俳句を主に自分流で鑑賞して記事を書きました。先日、朝日新聞の俳句欄を初めて見て、自分の感覚にあってる句を見つけました。早速、図書館に行って、年間の朝日俳壇の本を読んだところ、興味を引く句が多いことが分かりました。今後は主に朝日俳壇の句を鑑賞をして行きたいと考えております。俳句を初めて1年半になりますが、なかなか思うようには句が作れないのが現実です。朝日俳壇の句を参考にして、 . . . 本文を読む
雪原の見えぬ川より春の音・・・続木元房
[自分流の鑑賞]
北国であろう。春とはいえ、未だ野原には雪が積もって、草や小さい木は雪の下に隠れいる。時折、小鳥たちが少ない餌を探している。しかし、雪の下からは耳を澄ますと、幽かに雪解けの流れの水音が聞こえてきている、春も間近い。 . . . 本文を読む
結局は小さな土筆までも摘む・・・千代田景石
[自分流の鑑賞]
小川の土手に土筆が伸びはじめた。まだ春先でその数は少ない。なるべ長いものを摘み取ってゆくが、少ないため、つい短いものまで採ってしまった。すぐにいっぱい生え始めるであろう。早春の力に対する期待がある。 . . . 本文を読む
水温むバケツに命十ばかり・・・芹沢嘉克
[自分流の鑑賞]
暖かな季節になり、色々な生物が活動を始める。小川で子供たちが遊んでいる。バケツに稚魚が十匹ばかり泳いでいる。生まれて間もない稚魚を命と感じている。春は命の生まれる時期なのである。
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ゆつくりと大人になれや卒業式・・・小林重之
[自分流の鑑賞]
卒業式に思う。知識の詰め込み、効率優先の学校教育と思われる現在、もっとゆっくり広い範囲を学び、自然にも親しみ学ぶ。そのようにゆっくりと学んで、幅広い大人になって欲しいものだが。 . . . 本文を読む
ひと回り大きくなりて山笑ふ・・・岩瀬由美子
[自分流の鑑賞]
歳時記によると、山笑うとは早春の山の明るい色づきの様を表す。春、山の木々は少しづつ新芽を噴出し、成長を始める。その状態を山の形がひと回り大きくなったと表現している。人間の子供が成長して、ひと回り大きくなったように、山を子供に例えて、慈しんでいるようだ。
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春の雲ながめてをればうごきけり・・・日野草城
[自分流の鑑賞]
春の若草が広がる野原に寝転がって空をなにげなく眺めている。若草の匂いも強く感じる、雲雀が空の高いところで囀っている。ふと雲を良く見ると、幽かに雲が動いているのに気づいた。春の野ののんびりとした風景が感じられる。 . . . 本文を読む
囀を天蓋として犬ねむる・・・藤田 恭
[自分流の鑑賞]
春になり、小鳥たちが元気に木々の梢を囀りながら飛びまわっている。その下で犬が囀りを子守唄と感じ、又平穏無事のことを感じて、安心して居眠りをしている。囀りを雨や風を防ぐ天蓋に例えている面白さ。 . . . 本文を読む