「忘れちゃった」と言われて、
「覚えていない」と言われて、
「ああ、そうなのね」で終わらせればいいのに、
おばあさんの記憶を話して聞かせてしまい、
後悔したのでした。
おばあさんの記憶なんて、
それこそ、何十年も前のことで、
あやふやこの上無いうえに、
そんなことがあったかどうかさえ、
疑わしいのに・・・
忘れるって 忘する
和することかな・・・
なんて
後悔している時に思ったのでした。
忘れるって 和解することかな・・・
過去との和解、
相手の人との和解、
出来事との和解・・・
どんどん年をとって
物忘れが当たり前になって、
そして
和解が当たり前になっていくのは
平和なことだなあと感じたのでした。
後悔しながら、
そんなことを感じ、
世の中、
それじゃ済まされないよ!なんて
声も聞こえてはくるけれど、
さまざまなことを忘れていくのは
恩寵なんだなぁと
恵みなんだなあと
感じたのでした。
台所のパンをかじっちゃったことは
すでに忘れている猫ちゃんです