goo blog サービス終了のお知らせ 

難しい地名

日誌写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

殄戮・揷鞋・葱華輦―読めますか?―ドナルド・キーン「明治天皇」

2019-06-16 17:18:29 | 日記
記忘庵日誌 2019・5・20 荻野源吾
殄戮・揷鞋・葱華輦―読めますか?―ドナルド・キーン「明治天皇」
私には全く読めません、書けません。こんな漢字がやたら出てくる。
ドナルド・キーン著で角地幸男訳の「明治天皇」2001新潮社。当時「そんな本を書いたら袋叩きにあうよ」と忠告されたが何の反応もなかったので拍子抜けしたとキーン氏が語ったとインターネットに書いてあった。
殄戮(てんりく)(殺し尽すの意)揷鞋(そうあい)(わらじ)葱華輦(そうかれん)(天皇の行幸の乗り物・乗輿)(ネットでは、てんろく・そうがい・そうかぐるま、とルビ打ちされて出てくる。念のため広辞苑に当たると前述のルビのごとくである。本著も当然そのようになっている。さすがのネットもこんな難解な字には手が出ない。不正確。)
昔の日本人が漢文調を難なくこなした時代から、当用漢字になって漢字の馴染みが無くなったので当然であるが、それにしてもニューヨーク生まれの外国人の著した日本文化の英語版が日本語に翻訳されている著作物から、漢字を紐解かれるとはいかにも不思議な気分になる。よく日本人以上に日本人らしいと言うが、まさにキーン氏はその代表。「キーン氏が新天地を見せたのは2001年、79歳で刊行した評伝『明治天皇』である。上下2冊合わせて1000ページを超える大著だ。」(河路 由佳) 読むのも大変なのにいかに「明治天皇紀」など下地があるにしても困難な漢字交じりの文献をこなすキーン氏に驚嘆。
新潮社版・上巻を読んでいてふと思い当たることがあった。「カラカウア王ご一行様」の章で、おしのびで漫遊中のハワイの王が天皇と極秘会談して、「アジア諸国の連盟」を呼びかけるため日本がイニシャティブを取ることを勧められたが、当時の状況では無理だと断ったことが書かれていた。この時明治天皇は青年期に達し、今までとは一段と成長していったとも。これがやがて日本が日清・日露の戦争、そして八紘一宇の精神の軍国日本に繫がる下地が描かれていったのではと推測される。当時から天皇は軍事訓練の閲兵にも熱心であったと。
キーン氏(鬼怒鳴門)は浄瑠璃三味線奏者のキーン誠己氏を養子に迎え、日本に帰化し
2019年2月24日朝、心不全のため東京都内の病院で死去されました。享年96歳でした。
キーン氏が、日本文化に卓越した知識を持ち古来からの日本の精神を理解する力を持った貴重な存在だけに、単に心酔するだけでなく主権在民と象徴天皇の矛盾を克服するため今一歩時を進めて、立憲君主制(議会制君主制)からどうして尊皇共和制(日本の歴史遺産としての天皇家の存続と議会制民主政治の峻別)への移行を唱えてくれなかったかと残念でならない。「象徴天皇」を時の権力者も国民の側からもご都合主義で利用しないために。かつ天皇家の自主独立と人権の尊重のためにも。今のままでは国民や議会の奴隷で「人形の家のノラ」か。完

注 尊皇共和制―憲法から象徴天皇規定を外し、新たな皇室範典を制定し
日本における歴史的遺産である皇室を維持する。よって皇室の自主
独立を図る。天皇家として自由に存在することとする。
国会は国民の主権による民主主義による議決権を持つ民主共和制と
し天皇制と分離する。

時の権力者や国民双方からの天皇制の政治的利用を阻止する統治制度。
よって天皇家の人権の確立。政治的自由の確立。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。