実はHD598Csの他に、もう1つヘッドホンを入手していた。
それがAKGのK701だ。
…あのK701が15,000円を切る値段で売られている⁈
K701というヘッドホンはHD650とよく比較されるライバル的存在であり、
何回か視聴したこともあるが、素晴らしい音質であったと記憶している。
当時は販売価格も40,000円前後だったため結局購入せずにいたのだが…
一体何故半額以下になってしまったのだろうか?
調べてみると生産国がオーストリアから中国になったようだが、
生産拠点を移しただけで原価が半額になることは常識的にありえない。
(人件費等を考慮してもだ)
つまり利益を大幅に削っている or 大幅なコストダウンがされているかのどちらかだろう。
確かめてみなければ………ポチッとな。
……家でじっくりと聴いてみた結果、
K701は評判以上に素晴らしいヘッドホンだった。
少なくとも15,000円で売っていいような製品ではない。
(倍の値段でも安いと思う。)
音質については散々語られていると思うが、私なりにレビューしておく。
(☆は5個で満点)
⇨ 我が家のエースProline2500及びライバルHD650と比較してみた。
〈K701〉
音の傾向 : フラット
音の温度 : 若干冷た目
外観デザイン : ☆☆☆☆☆
装着感 : ☆☆☆☆☆
解像度 : ☆☆☆☆☆
音場表現 : ☆☆☆☆
制動感 : ☆☆☆☆
繊細さ : ☆☆☆☆☆
艶・瑞々しさ : ☆☆☆
ノリの良さ : ☆☆☆
聴き疲れしにくさ : ☆☆☆☆
コストパフォーマンス : ☆☆☆☆
お気に入り度 : ☆☆☆☆☆
単純な性能(分解能等)はProline2500、HD650と互角。
(音の傾向はだいぶ異なるが)
HD650と比べて、音像が小さくやや遠め、線もやや細い。
抜けが良く音の見通しに優れている。
響き・艶は控えめで、どちらかといえばドライで爽やかな音。
装着感が素晴らしく、非常に爽快な気分で音楽を楽しめる。
ストレスフリーなヘッドホン。
〈Proline2500〉
音の傾向 : ドンシャリ
音の温度 : 暖かめ
外観デザイン : ☆☆
装着感 : ☆☆☆
解像度 : ☆☆☆☆☆
音場表現 : ☆☆☆☆☆
制動感 : ☆☆☆
繊細さ : ☆☆☆
艶・瑞々しさ : ☆☆☆☆
ノリの良さ : ☆☆☆☆☆
聴き疲れしにくさ : ☆☆☆☆
コストパフォーマンス : ☆☆☆
お気に入り度 : ☆☆☆☆☆
ドンシャリで濃厚な音。
やや前方に音像が定位し、音場は明快。
スピーカーからの乗り換えでは、3台中最も違和感が少ない。
上記の特性もあってか、派手な音でありながら聞き疲れしにくい。
ノリよく音楽を楽しみたいなら本機種がベスト。
〈HD650〉
音の傾向 : やや低音寄り
音の温度 : 暖かめ
外観デザイン : ☆☆☆☆
装着感 : ☆☆
解像度 : ☆☆☆☆☆
音場表現 : ☆☆☆
制動感 : ☆☆☆
繊細さ : ☆☆☆☆
艶・瑞々しさ : ☆☆☆☆☆
ノリの良さ : ☆☆☆☆
聴き疲れしにくさ : ☆☆☆
コストパフォーマンス : ☆☆☆
お気に入り度 : ☆☆☆☆
音の艶・重みが素晴らしく、音のリアリティという点では本機種がベスト。
ただし全体的に音像が近く頭内定位が酷いため、聞き疲れし易い。
側圧が強く装着感はやや不満。
基本性能は高いのだが、音の近さが気になる。
(これはスピーカーの音に慣れてしまったせいかもしれない。
ヘッドホンらしい音場表現とも言えるのだが…)
というわけでK701の爽やかで気持ちの良い音、装着感にベタ惚れしてしまっている。
HD650には申し訳ないのだが、個人的にはK701の勝ち。
Proline2500とは良い勝負といった感じだ。
正直もっと早く手に入れておけば良かった…
なにげに生産終了しているようなので、在庫がなくなる前に入手することをお勧めしたい。
しかしながら、これ程の性能のヘッドホンを安売りしなくてはいけないなんて…。
10年以上も価格をキープできるゼンハイザーのブランド力に比べると、
AKGの将来に不安を感じずにはいられない。
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