下は「防衛研究所」が発表した年次報告書が、安倍政権の集団的自衛権の行使容認や武器輸出三原則の見直しによる防衛力強化を目指す姿勢に対して、疑問を投げかけていると言う記事ですが、そうなんでしょうか。実際にその年次報告書を読んでみないと判りませんが、ひょっとしたら論文の一部を都合良く抜き出した曲解又は歪曲記事ではないでしょうか。
「首脳レベルの戦略対話」、「危機管理メカニズムの構築」、「防衛交流」といった外交交渉の必要性と、「自国の防衛力増強」は矛盾しないですし、どちらかを否定するものでもありません。
軍事力のバランス維持が重要なのであって、相手国の軍事力拡大に対応して防衛力を高める努力を怠れば、相手は自国の軍事力優位をいいことにまともに対等な外交交渉に応じない可能性もあり、また、何らかの口実を設けて軍事的手段に訴える可能性もあります。悪循環の危険性よりも軍事力バランスの狂いが軍事力行使を生じる危険性の方が重大で警戒するべきものであることは歴史を見れば明らかです。
現に中国はフィリピンやベトナムに対して大規模ではないにしても実際に物理的な損害を与えています。
記事で見るような、軍事力均衡の必要性を完璧に無視して外交手段だけで平和が保たれるようなお粗末な論文を防衛省の研究機関が出すとはとても思えません。
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防衛研「防衛力増強が相手の対抗策引き起こす」
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20140405-00000006-jnn-pol