退場とは
競技場や舞台、イベント会場などある程度他とは明確に区切られた場所から退くこと。特にスポーツなどでは、ルールに違反したものに対してただちに強制的に試合から離脱させる処分をさして、単に退場と言う語が用いられる場合が多い。
最近の日本のプロ野球でほとんど見かけなくなった、「退場!」シーンですが、日本プロ野球史上初の「退場!」を宣言したのが、元;プロ野球審判員の二出川延明さんです。
戦前のプロ野球で退場宣告を受けたのはわずか4人しかいませんが、その第1号となったのが、プロ野球が始まった1936年の11月20日の東京セネターズvs. 大阪タイガース(現;阪神タイガース)でクロスプレーのジャッジに激高し選手が塁審の二出川さんを突き飛ばし、この行為に対して、「着席!」(当時は「退場」ではなく「着席」)宣告しました。プロ野球が始まったばかりであり、観客のみならず選手たちも一瞬呆気に取られたとのことです。
さて、この、「からあげ店」の店主も「退場!」と宣告したかったと思います。
少し前のことですがネット上に、「一緒に行った同僚がからあげの衣をはがして食べ始めたんです。からあげ店に来てるのに、からあげの衣を食べない人がいることに驚きました」という話がありました。同席していた方が理由を聞いたところ、「衣をとったからあげの味が好き。鶏肉でタンパク質はとりたいから、定期的に来ている」と悪びれず答えたとのことです。
最近は、からあげブームらしく、各地で新規出店が続いています。からあげ専門店があったり、スーパーなどでも、いろいろなからあげが楽しめます。
さてさて、ひと昔前までは、「お客さまは神様です」なんてこと、こういう場合に、お店側は何もいえなかったことが多かったと思いますが、法律的には、お客さんがお店を選べるのと同じように、お店もお客さんを選ぶことができます。
そして、あらかじめ「(お店の)指示した食べ方を守っていただかない場合は退店していただきます」といったようなルールが明文化されて、わかるように掲示してあれば、ルールを守れるお客さんだけを入店させることもできるとのことです。
これは、お客さんが「ルールを認識して入店する」ということで、お店とお客さんとの間にルールにしたがうという合意(契約)が成立すると考えられているからです。合意されているのも関わらず、そのルール守らなかった場合、お店としては、退店してもらうことができます。逆に合意されていない場合には、勝手にお皿を下げてしまったり、退店を求めることはできないのです。
極端なたとえかもしれませんが、焼肉屋さんでは、お肉は焼かれる前の状態で提供されます。店内やメニューなどに「お肉はよく焼いてからお召し上がりください」などの表記を見かけますが、これもそのルールだと思います。生食用ではないお肉を生で食べるのは危険ですし、お店としても、そのような食べ方をされて、衛生的事故でも起こされた場合、責任問題になりかねません。
それでも、こと細かくにルールが明示されているとは限りませんし、ルールだらけの場合には、堅苦しいお店になってしまいますので、現実社会では、そのような明確な合意がなされていない場合も多いと思います。そのようなときは、「社会常識」に基づいて判断されることもあるようです。
逆に、初めて入った店で、思いもしないような店主のこだわりがあった場合、そのようなこだわりにしたがうという合意があるとは限りませんので、退店を命じることができない場合もありますが、居心地は悪くなってしまいます。
さてさてさて、二出川さんといえば、「俺がルールブックだ」というものがあります。
1959年7月19日。毎日大映オリオンズ(現;千葉ロッテマリーンズ) vs. 西鉄ライオンズ(現;埼玉西武ライオンズ)の第15回戦、8回裏オリオンズの攻撃で、二塁塁審がクロスプレーに対して「セーフ」と判定しました。これに対して当時ライオンズの監督だった三原脩さんが抗議しましたが、塁審はこれを拒み、「ランナーの足と送球が同時だったのでセーフだ」と説明します。三原さんは、「どこにそんなルールがあるのか」「同時はアウトではないのか」と聞いたところ、塁審は「同時はセーフとルールにも書いてある」と答えました。三原さんは審判控え室に行き、二出川さんに対し、同様の抗議をしますが二出川さんは塁審と同じ説明を行うものの、三原さんは納得せず、「ルールブックを見せてくれ」といいますが、二出川さんは、「俺がルールブックだ」と告げ、抗議を退けたという顛末になります。
真相は、二出川さんと一緒に審判控え室にいた別の審判員に、三原さんが、「そのルールブックを開いて、見てくれ」と言ったので、二出川さんが怒って、「俺がいうんだから間違いない。早く行け!」と怒鳴り、この、「俺がいうんだから間違いない」という言葉が、マスコミによって、「俺がルールブックだ」という言葉になったと話しています。ただ二出川さんは、「俺がルールブックだ」といったといっていたという。
なお、公認野球規則ではアウトになる場合の定義として明確に、「走者が塁に触れる前に野手が塁に触れる」とありますので、同時の場合はセーフになり、二出川さんや塁審の判断に誤りはありません。
■外出の際は、手洗い、咳エチケット等の感染対策や、「3つの密」の回避を心掛けましょう。
■新型コロナウイルス感染対応を呼び掛けている場所やお店などがある場合は、指示にしたがいましょう。
■お出かけの際は、各施設、イベントの公式ホームページで最新の情報を確認しましょう。
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